
「ウイバルォ ヌォ デンサ ムカスカラヌォ デンサ」
(上原のデンサ 昔からのデンサ)
「フィト ヌォ ウォフォドゥ ヤ カナサネヌォ」
(人の大胴ー大きな体ーが愛らしいのではない)
八重山民謡「デンサ節」の歌詞の一部。
文字で下記表すのは大変難しいが
「の」を一応「ヌォ」と書いてみた。
正確には口が「ヌ」の形で「ノ」と言うのだろう。
「ウイバル」の「イ」も口が「ウ」の形で言う「イ」だ。
「ムカス」の「ス」も「ス」と「シ」の間。
「人」は「フィト」となる。
「大胴」の「大」は「オホ」と言うが、
「ヌォ」と一緒で母音「o」は「ウォフォ」
つまり口が「ウ」の形で「オ」、「フ」の形で「ホ」と言う。
微妙な発音となる(ようだ)。
「アヤパヌィ バ マラショウリ」
(綾羽ば生らしょうり)
「バス ヌォ トルィ ヨー ニガヨナ バス」
(鷲の鳥ヨー願ゆな鷲)
これは「鷲の鳥節」の一部。
「羽」の「ハ」が「パ」、
「鷲」の「ワ」が「バ」と発音されている。
「羽」の「ネ」は口が「ニ」の形で「ネ」と、
「鳥」の「リ」も口が「ル」の形で「リ」と発音する(らしい)。
(以上、伝説の八重山民謡歌手宮良康生さんの歌を聞いて感じた発音)
これら微妙な母音の発音は音声学上「中舌母音」と言うらしい。
舌の位置が「u」と「o」の中間になるからとのこと。
これは沖縄本島には無い発音であり、
石垣島をはじめとする先島諸島特有のものとのことだ。
「たるーの島唄まじめな研究」というサイトから少々引用する。
☆ ☆ ☆ ☆
「つぃんだら」は「ちんだら」でも「つんだら」でもなく、
「つ」という口をして、「ち」と発音するのに似ている。
舌の先端の位置が、「ち」という発音の時に
口の中のやや奥に下がるので「中舌」と呼ばれる。
これは、昔の日本語の「名残」ともいわれる。
沖縄語が今三母音なのは、母音が次のような変化をしたからだといわれている。
「e」→「ï」→「i」
その真中の「ï」という発音が先島や奄美地方には残っているというわけだ。
では日本語(本土方言)にはないのかというと、そうでもない。
東北や出雲地方、東京でも似た発音があり、
「お寿司に新聞」を「おすすにすんぶん」と発音するのに似ていると
胤森さんから教えられた。
☆ ☆ ☆ ☆
そうなのだ。
八重山民謡を勉強中と言うと、知っている方から
「発音が難しいよ」とよく言われた。
・・・が、北東北の人間にとって全く難しくない(笑)
普通に地元で使われている言葉で歌えばそのままサマになる。
「おすすにすんぶん」がそうかどうかはちとわからないが(^^;
例えば「イ(ウィ)」という発音は、
この発音を使う地方以外の人たちにはとても難しいらしいのだ。
秋田の人たちが発音する「アキタ」という言葉は
他地域の人たちには「アチタ(あるいはアツタ)」と聴こえると思うが
実は「キ」と「チ」と「ツ」の中間音。
前述の「バス ヌォ トルィ」も
花巻あたりの古老が言うと「ワス ヌォ トル」になる。
「デンサ節」の歌詞に「バンコゥコゥロゥ(我が心)」という部分がある。
(ものの本には「バンククル」と書いてある)
「コゥコゥロゥ」は「心」だが、「バン」は「我が」。
つまり津軽地方の方言で知られる「ワ=我」が
「バ」という発音で先島諸島にも残っている。
(古代から現代にかけて
「ba」→「fa」→「ha」と変化していることがわかっている。
従って津軽の「ワ」より先島諸島の「バ」の方が古い発音)
千km以上離れた地域同士、同じことばを持っているということに気づき
発見した面白さに初めは少々興奮してしまった。
八重山民謡を覚えて歌うという楽しみの他に
言葉、発音の比較という新たな楽しみも見つけた。
これは面白い。
八重山民謡を練習する上で、発音の問題は難なくクリア。
あとは歌と三線だけ(笑)
(上原のデンサ 昔からのデンサ)
「フィト ヌォ ウォフォドゥ ヤ カナサネヌォ」
(人の大胴ー大きな体ーが愛らしいのではない)
八重山民謡「デンサ節」の歌詞の一部。
文字で下記表すのは大変難しいが
「の」を一応「ヌォ」と書いてみた。
正確には口が「ヌ」の形で「ノ」と言うのだろう。
「ウイバル」の「イ」も口が「ウ」の形で言う「イ」だ。
「ムカス」の「ス」も「ス」と「シ」の間。
「人」は「フィト」となる。
「大胴」の「大」は「オホ」と言うが、
「ヌォ」と一緒で母音「o」は「ウォフォ」
つまり口が「ウ」の形で「オ」、「フ」の形で「ホ」と言う。
微妙な発音となる(ようだ)。
「アヤパヌィ バ マラショウリ」
(綾羽ば生らしょうり)
「バス ヌォ トルィ ヨー ニガヨナ バス」
(鷲の鳥ヨー願ゆな鷲)
これは「鷲の鳥節」の一部。
「羽」の「ハ」が「パ」、
「鷲」の「ワ」が「バ」と発音されている。
「羽」の「ネ」は口が「ニ」の形で「ネ」と、
「鳥」の「リ」も口が「ル」の形で「リ」と発音する(らしい)。
(以上、伝説の八重山民謡歌手宮良康生さんの歌を聞いて感じた発音)
これら微妙な母音の発音は音声学上「中舌母音」と言うらしい。
舌の位置が「u」と「o」の中間になるからとのこと。
これは沖縄本島には無い発音であり、
石垣島をはじめとする先島諸島特有のものとのことだ。
「たるーの島唄まじめな研究」というサイトから少々引用する。
☆ ☆ ☆ ☆
「つぃんだら」は「ちんだら」でも「つんだら」でもなく、
「つ」という口をして、「ち」と発音するのに似ている。
舌の先端の位置が、「ち」という発音の時に
口の中のやや奥に下がるので「中舌」と呼ばれる。
これは、昔の日本語の「名残」ともいわれる。
沖縄語が今三母音なのは、母音が次のような変化をしたからだといわれている。
「e」→「ï」→「i」
その真中の「ï」という発音が先島や奄美地方には残っているというわけだ。
では日本語(本土方言)にはないのかというと、そうでもない。
東北や出雲地方、東京でも似た発音があり、
「お寿司に新聞」を「おすすにすんぶん」と発音するのに似ていると
胤森さんから教えられた。
☆ ☆ ☆ ☆
そうなのだ。
八重山民謡を勉強中と言うと、知っている方から
「発音が難しいよ」とよく言われた。
・・・が、北東北の人間にとって全く難しくない(笑)
普通に地元で使われている言葉で歌えばそのままサマになる。
「おすすにすんぶん」がそうかどうかはちとわからないが(^^;
例えば「イ(ウィ)」という発音は、
この発音を使う地方以外の人たちにはとても難しいらしいのだ。
秋田の人たちが発音する「アキタ」という言葉は
他地域の人たちには「アチタ(あるいはアツタ)」と聴こえると思うが
実は「キ」と「チ」と「ツ」の中間音。
前述の「バス ヌォ トルィ」も
花巻あたりの古老が言うと「ワス ヌォ トル」になる。
「デンサ節」の歌詞に「バンコゥコゥロゥ(我が心)」という部分がある。
(ものの本には「バンククル」と書いてある)
「コゥコゥロゥ」は「心」だが、「バン」は「我が」。
つまり津軽地方の方言で知られる「ワ=我」が
「バ」という発音で先島諸島にも残っている。
(古代から現代にかけて
「ba」→「fa」→「ha」と変化していることがわかっている。
従って津軽の「ワ」より先島諸島の「バ」の方が古い発音)
千km以上離れた地域同士、同じことばを持っているということに気づき
発見した面白さに初めは少々興奮してしまった。
八重山民謡を覚えて歌うという楽しみの他に
言葉、発音の比較という新たな楽しみも見つけた。
これは面白い。
八重山民謡を練習する上で、発音の問題は難なくクリア。
あとは歌と三線だけ(笑)
なかなか方言がむつかしい。
Ⅰの上に点がふたつある発音を調べてました。
ちょっと参考になりました。
たるーさんは知り合いです。
世間は狭い。特に沖縄関係は!
もう40年近く前(^^; の大学の頃の専攻が
方言(言語地理学)だったので
趣味の三線や八重山民謡以上に興味ある分野です。
できることなら八重山諸島にしばらく滞在して
もっと詳しく言葉を学びたいところです。