風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

親達へ、もう一言

2007-02-01 | 風屋日記
一昨日に引き続き、また少し教育のことを語ろうか。
ここんとこ様々な問題が取り上げられているのはご承知の通り。
イジメ問題、不登校、学力低下、不祥事etc...
でもこれらの問題を教育委員会と先生方に
みーんな責任を押し付けていないかい?

教育基本法を改正すれば解決するだろうか。
教員免許を更新制にすれば問題がなくなるの?
ゆとり教育が学力低下の原因?
うそだよ。誰かをスケープゴートにしなきゃいけないので
先生方が槍玉に上がっているだけだ。

私が学生時代に人気があった先生は
千鳥足でつまづき、夜道で回転レシーブしたとか、
理科実験室にいつもいて
フラスコのコーヒーをアルコールランプで暖めて飲んだとか、
夏にはステテコの上に白衣だけ着て校内歩いているとか、
家に遊びに行くと酒を出してくれたとか、
そんな人間的に魅力のある方々ばかりだった。
今そんな先生方がいたら大問題だよね。
いつから先生方を鵜の目鷹の目で見るようになったんだろう。

重箱の隅をつついて殊更騒ぎ立てる親達がいる。
先生方も反論すれば生徒を傷つける恐れもあるから反論できない。
とにかく謝罪するしかないし、処分も受けることになる。
(厳重な処分がなされないと納得しない人達がいるんだよな)
いきおい、校内の問題を顕在化することに慎重になる。
その結果「隠蔽体質」と言われてまた叩かれる。その繰り返し。
わかってて改善できない、教育現場の苦悩は深まるばかりだ。
私はPTA役員をながいことやったけど、
みんな一生懸命で素晴らしい先生方ばかりだったよ。

学力低下もゆとり教育の弊害と言われているけど、
私に言わせりゃ大学に問題がある。
各大学とも生き残りを賭け、学生を集めることに必死。
その結果、受験生が集まるように受験しやすくするため
入学試験の科目がどんどん減ってきた。
科目未履修問題を見てもわかる通り
受験に必要ない科目はムダに勉強しないという風潮が
結果的に数学系、理科系での学力低下に結びついている。

ゆとり教育は必要だと思うよ。
我々だって学生時代は地域の行事に参加したり、
友人達とバカバカしいことに青春を賭けて入れ込んだり、
部活帰りにはダベりながら道草を食ったもんだ。
そしてその中で仲間を作ったり、
いろんなことを感じたり考えたりしながら
人間的に成長していったように思う。
今はそれがないのサ。余裕がないんだね。
「部活が終わったらすぐ帰って勉強に切り替えろ」なんて
そんな3年間を過ごして人間的に成長できるんだろうか。
受験科目以外の教科は本当に必要ないものなの?

親達がすべて合理的に、効率的に、そして機械的に
勉強も何もかもきっちりやらせないと気が済まなくなり、
そうではない先生方を糾弾していること自体が
現在の問題のかなり大きな原因になっているのではなかろうか。
自分達が学生だった頃を思い出してみようよ。
そして育っていく子ども達の後ろ姿をのんびり見守ろう。
今そういうことに気づかないと、取り返しのつかない時代が来る。
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12 コメント

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本当に・・・ (園長)
2007-02-01 21:27:18
同じ親として、恥ずかしくなるようなことを
堂々と言ってのける親が本当にいるんです。
のじ丸のとなりのクラスでは、
「先生、公文の宿題もあるので、宿題を減らして下さい」って。
それで本当に先生がすこし手加減したら、今度は、
別の親が「こんなんじゃ、これから高学年になって
大変だから、うちも公文に通わせようかしら?」
で、それを聞いた友人は、このおかしな状況を
誰かに伝えて笑い飛ばしたかった、でも、
ふと自分の周りを見回したら、ほとんどの子が公文に。
で、私のところにメールが来た

公文通わせる前にやることあんだろ!っていう
親子がわんさかいるんだなー・・・。

ゆとり教育の何が悪い!?
でもって、ゆとり教育の「ゆとり」の意味を
はきちがえちゃったお役人さんたちも、
いいかげん目覚めなさい!(阿久津マヤより・・笑)
返信する
どうもはじめまして (njomo)
2007-02-02 06:29:33
少し気になったのでコメントを残します。ゆとり教育で授業時間が減り、そのしわ寄せが未履修につながりました。授業時間の絶対量が足りない中で効率よく勉強するには、受験に必要な最低科目を勉強するようになった。これが事の顛末です。ゆとり教育と言う名に騙されてはいけません。むしろ逆です。受験に必要の無い科目を勉強するゆとりが無くなったのです。エントリの前半部分は賛成できますが、後半部分は事実誤認があるようなので。
地域の行事に参加したいのであれば、個人的に行えばけっこう。ゆとり教育がないと参加できない行事など、そもそも参加する必要はあるのですか?昔はゆとり教育などしていなかったのですから。
ゆとり教育が諸悪の根源とは、言えませんが一端を担っているのも、また事実。日本の学力低下はゆとり教育後からです。これはデータがあります。
それと
>受験に必要ない科目はムダに勉強しないという風潮が結果的に数学系、理科系での学力低下に結びついている。
これも一方的でしょう。旧課程から新課程に移行した際、授業数の減少と共に数学の授業内容が変更になりました。詰め込み過ぎて理解するのが難解になった。これも理由の一つ。もちろん学習内容の軽減で、減らした分をより上位の数学(数Ⅱから数Ⅲへなど)にまわしてしまった物もあり、その意味では仰るとおりなのですが。
返信する
おはようございます (風屋)
2007-02-02 08:21:55
>園長さん
昨日のNHKの「クローズアップ現代」をご覧になりましたか?
「うちの子に合ったカリキュラムにして下さい」
「友達とけんかしないようにして下さい」
「親が送っていけないので、朝迎えに来てもらえませんか」
・・・うちの母ちゃんがあきれ顔でポーゼンとしてしまい、
せっかくの手作りハンバーグが焦げてしまいました(笑)

>njomoさん
いらっしゃいませ。

そういうご意見があることは知っています。
それらのデータも含め、私なりに考えた結果です。
あくまで個人的な意見なので合っているかどうかわかりませんが、
少なくとも私の息子達、その友人達、学校の対応などを
つぶさに間近で見てきての実感です。
かつては「ゆとり教育」はありませんでした。
教育も生活も「ゆとり」があったからです。
すべてにおいて哲学がありました。
「農繁期には手伝うもんだ。学校は二の次だ」
「学校引けたら外で遊べ。」
私が高校時代の先生も
「3年間は思いきり好きなことしろ。大学行きたきゃ浪人しろ」
でした。
今は親も先生も子ども達を追い込んでばかりです。
塾に習い事に学校や宿題に。
せめてカリキュラムにゆとりを持たせないと何もできない。

少しいろんなことを考える時間が子ども達には必要だと思うのです。
その中で自分なりの哲学を持って欲しいな・・・と。
返信する
なるほど (njomo)
2007-02-02 10:04:56
哲学ですか。哲学の定義も難しいですが。例えに出されている農繁期は…などを哲学とすれば、今の教育現場もまた哲学なのでは。何年、あるいは何十年たってその時代を振り返ったとき、良いものであったか。そういうことになりそうな気がします。今の教育を受けている子供達が、親になった時わかるモノかも知れませんね。
風屋さんのblogは、なかなか興味深いです。過去ログも拝見させていただきました。
返信する
>njomoさん (風屋)
2007-02-02 12:30:38
興味を持っていただきありがとうございます。
ただの田舎オヤジのブログですけどね(^-^)

私が中学・高校時代は
かなり裕福に時間を使っていた気がします。
その時間を利用して片端から本を読みました。
たくさんの友人達といろんなことを話し合いました。
その中で「自分はこう生きたい」というものも生まれました。
今の子たちは授業が終わると
「時間をムダにするな」と部活へ、塾へ散っていきます。
たまに他の親達から聞く愚痴は
「部活が終わってもダラダラ部室でダベってて、
 なかなかすぐに帰ってこない。時間が勿体無い」
というもの。
そのダラダラした時間こそ、
実はその子を育んでいると私は思うのです。
効率やスピードや量では計れないものが教育だと思います。

だから為政者に言いたいのは
「教育と福祉には効率や結果を求めるな」
ということです。

今後ともよろしくお願いします(^-^)
返信する
Unknown (tomo)
2007-02-02 13:32:24
「クローズアップ現代」観ました。
正直、腹立たしいです。
身の回りにも居ます、信じられないような事を、それも子供の前で堂々と言って(やって)のける親御さんたち。
私は子育てもPTA活動に関してもまだまだ初心者、若輩者ですが、なぜ教員、学校に対してこうも傲慢になれる親がたくさんいるのでしょうか疑問でなりません。そんなに自分たちが正しい・偉いと・・?

昔の教育や子育てがベストだったとは思いません。
哲学という言葉が出ましたが、それは親の考え方、その子本人個人個人の自覚や認識によるところが大きいと思いますし、「ゆとり」のなさが全ての原因とも思いません。
机上の空論で「ゆとり教育」の本当の意義をはき違えているお役人たちの意見には賛成しかねます。

でも、風屋さんの言われるように、理想や合理性を追い求めるあまり、カリキュラム云々以前に大事なことを学ばせる(または親が学ぶ)環境がなくなっていることには、とても不安を感じます。
返信する
息子の反応 (園長)
2007-02-02 14:27:08
見ました、クローズアップ現代。
「友達とけんかさせないで下さい」を聞いたのじ丸の反応は、
「はぁ~?ありえないしぃ~」。
我が家ののじ丸は半人前どころか四分の一人前ですが、
友達ってのは、けんかしながら仲良くなっていくもんだと
この10年の人生で体で学んでいたらしい。
小学校三年生にもわかることをわからない親に育てられた
子どもは、また将来親になってどんな子育てをするのか?
怖くなってきます。

ゆとり教育。
親が、いや、少なくとも私が望んでいたゆとり教育は、
基礎的なことをじっくりと学ぶ時間をもらえる、
そういうゆとり教育だったんですよ。
土曜日休みでもなければ、受験のための未履修でもなく。
最低限必要なことをきちんと積み上げていく、
そのための時間だったはずだぁ~~・・・。
中2の娘を見ていると、毎日山のような宿題。
行き過ぎた部活と受験。あまりにも極端な大人のおしつけが、
子ども達をつぶしている現状を、文科省のみなさんは
ご存じない・・・・。空虚だ。

ということで、今日からのじ丸と私は、
ゆとりをもとめて山にこもります。
返信する
うーん (風屋)
2007-02-02 18:00:05
>tomoさん
「ゆとり」の定義が難しいですね。
私は基本的に「知識詰め込みは考える力を奪う」
と考えているところもあって、
それで「(知識詰め込み)のゆとり」、
それによる「(時間的な)ゆとり」をイメージしてました。
私自身があまり自分の頭に知識を詰め込んで来なかったので(^^;
逆にいろんなことを考えてきたような気がします。

親達に関しては、ここでは大っぴらに語れませんが
PTA役員の間、ホントにいろんな人がいましたよ。

>園長さん
私が言わんとする「ゆとり教育」はまさしくソレです。
この園長さんのコメントは、私の本記事よりはるかに短く、
私が言いたかったことをズバリと言ってます。
恐れ入りました(^^;
私の方が山に隠りたくなってきました(笑)
返信する
親にも格差、でしょうか? (ryodda)
2007-02-03 21:38:04
以前何度かコメントさせてもらったものです。

自分はまだ親ではないですが、お話の中に出てくるような呆れた親にはなるまいとまずは改めて思わされます。

「親になるための学校」が要るんじゃないか?なんて思ってしまいますが、そいいうことでないですよね。

やはり、大人だったらそのくらいは自己管理できてしかるべきだと思うのですが、それもまた甘いのでしょうね・・・。

大人がバカになると国が滅ぶということでしょうか。
返信する
>ryoddaさん (風屋)
2007-02-04 11:12:56
ネイティヴアメリカンの格言に
「母よ、あたなは子を胸に抱き、その温もりを伝えなさい
 父よ、あなたは子を掲げ、広い世界を見せなさい」
というものがあります。
現代社会で問題になっている母達は子を抱くことなく
自らが温もりを求めています。
父達は掲げるどころか子に手すら差し出さず
自分の欲望のままに生きています。
基本的に親が大人になり切っていないと思うのです。
今の親達が育った時代は高度経済成長が終わった頃、
家庭の中の暖かみを感じることなく
マニュアル通りに育てられた世代なのかなぁと思います。
そう考えると、習い事だ、塾だと
更にマニュアルに沿った規範の中で育つ
現代の子ども達はどのような大人になるのか不安が残ります。

広い視野を持ち、自分の頭できちんと考えること。
人間が生きていく上で大切な哲学を身につけること。
それなしに日本ばかりではなく、世界の未来はありません。
だって為政者を選ぶのは私たちなのですから。
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