学生時代はよく夜行急行で帰省していた。
深夜の都会を離れる寂寥、白々と明るい車内。
上野を離れ、大宮を過ぎる辺りまではネオンなどを眺めているが
そのうちいつの間にか寝入ってしまう。
季節にもよるけれど、朝日が射して目が覚めるのは
冬だと確か岩手県に入ったあたりだったような気がする。
雪が融けて車内の暖気の中、湯気を立たせた人が乗ってくる。
上野を出た頃はまだ都会の言葉だった周囲の話し声も
徐々に土地の言葉になってくる。
駅に停まるたびにその土地の風物がホームに飾ってある。
水沢の南部鉄器の風鈴がやたら記憶に残っている。
時々細く窓を開け、冷たい空気を感じたりしながら
見覚えのある山々を眺めていた。
新幹線はつまらない。
どの駅に停まっても同じようながらんとしたホーム。
窓の外も変化のない風景が、防音壁により半分だけ見える。
新幹線の移動になってから風景を楽しむことがなくなってしまった。
人の乗降も、どこに行っても似たような人たちばかり。
いきおい、乗っている数時間は寝るか本を読んで時間をつぶす。
そんなこともあって、
実は私は新幹線よりも深夜バスの方が好きだったりするのだ。
確かに深夜バスも窓は開かないし、人の乗降も少ない。
でも、乗り込む前後にはかつての夜行急行のような旅情がある。
目的地近くで眼を覚まし、カーテンの隙間から外を眺めると、
早朝ひと気のない街の動き出す気配がしている。
都会の早朝はまだ前夜の饗乱の残滓が残っている。
そしてそんなその地に降り立つ昂奮もある。
睡眠が浅く、少し重い頭に朝の澄んだ空気が流れ込むと
途端に元気が出て1歩を踏み出すことができるのだ。
1度仙台から成田空港行きのバスを利用したこともあったが、
やっぱり新幹線+成田エクスプレスよりもよかったなぁ。
ところで先日、
上京時に深夜バスを選ぶもうひとつの理由に思い当たった。
基本的に私は東北新幹線新花巻の駅が好きではないらしい。
無料で自由に車を止められる広い駐車場はありがたいが
周囲に何もない、がらんとした駅前。
特に夜遅くなってから着く新花巻は暗く侘しい。
新幹線がなかった頃を知っているからかもしれないが
やはり旅立ち、そして旅からの帰還先は
昔ながらの花巻駅前でありたいと思うのだ。
東京までの深夜バスイーハトーブ号は花巻駅前を発ち、
東京を発った便は花巻駅前に到着する。
私にとってそれだけでもこのバスを選ぶ理由となる。
新花巻発着の深夜バスも1~2度利用したけれど、
やっぱりイーハトーブ号の方がいいなぁと
今回改めて感じた次第。
深夜の都会を離れる寂寥、白々と明るい車内。
上野を離れ、大宮を過ぎる辺りまではネオンなどを眺めているが
そのうちいつの間にか寝入ってしまう。
季節にもよるけれど、朝日が射して目が覚めるのは
冬だと確か岩手県に入ったあたりだったような気がする。
雪が融けて車内の暖気の中、湯気を立たせた人が乗ってくる。
上野を出た頃はまだ都会の言葉だった周囲の話し声も
徐々に土地の言葉になってくる。
駅に停まるたびにその土地の風物がホームに飾ってある。
水沢の南部鉄器の風鈴がやたら記憶に残っている。
時々細く窓を開け、冷たい空気を感じたりしながら
見覚えのある山々を眺めていた。
新幹線はつまらない。
どの駅に停まっても同じようながらんとしたホーム。
窓の外も変化のない風景が、防音壁により半分だけ見える。
新幹線の移動になってから風景を楽しむことがなくなってしまった。
人の乗降も、どこに行っても似たような人たちばかり。
いきおい、乗っている数時間は寝るか本を読んで時間をつぶす。
そんなこともあって、
実は私は新幹線よりも深夜バスの方が好きだったりするのだ。
確かに深夜バスも窓は開かないし、人の乗降も少ない。
でも、乗り込む前後にはかつての夜行急行のような旅情がある。
目的地近くで眼を覚まし、カーテンの隙間から外を眺めると、
早朝ひと気のない街の動き出す気配がしている。
都会の早朝はまだ前夜の饗乱の残滓が残っている。
そしてそんなその地に降り立つ昂奮もある。
睡眠が浅く、少し重い頭に朝の澄んだ空気が流れ込むと
途端に元気が出て1歩を踏み出すことができるのだ。
1度仙台から成田空港行きのバスを利用したこともあったが、
やっぱり新幹線+成田エクスプレスよりもよかったなぁ。
ところで先日、
上京時に深夜バスを選ぶもうひとつの理由に思い当たった。
基本的に私は東北新幹線新花巻の駅が好きではないらしい。
無料で自由に車を止められる広い駐車場はありがたいが
周囲に何もない、がらんとした駅前。
特に夜遅くなってから着く新花巻は暗く侘しい。
新幹線がなかった頃を知っているからかもしれないが
やはり旅立ち、そして旅からの帰還先は
昔ながらの花巻駅前でありたいと思うのだ。
東京までの深夜バスイーハトーブ号は花巻駅前を発ち、
東京を発った便は花巻駅前に到着する。
私にとってそれだけでもこのバスを選ぶ理由となる。
新花巻発着の深夜バスも1~2度利用したけれど、
やっぱりイーハトーブ号の方がいいなぁと
今回改めて感じた次第。
バスではないけど
ムーンライトながらという列車の名前も好きです(^^)
宮沢賢治さんが岩手を理想郷に見立てて
エスペラント語風につけた名前です。
素敵な名前なのですが・・・
最近花巻では何にでも
「イーハトーブ」や「銀河」をつけるので
ちょいと食傷気味です(^^;
「イーハトーブ音楽祭」は好きなネーミングですけど。
深夜バスは乗ったことないけど
夜行急行は私もよく利用してたから
なんか、余計なことまで思い出して
口がすべりそうになり、うっと抑えました(笑)。
そのテの思い出話だったら
そのまま風屋さんにしゃべらせておけ~って
私は歩きながらそう思っていました(笑)
90年に花巻池袋線の開業が決まり「イーハトーブ」の愛称が付いたときは嬉しかったですねぇ。一足先に開業した盛岡東京線、盛岡横浜線に「イーハトーブ」の愛称が使われるのではと危惧してましたから。
この愛称名から特に花巻へ帰る際に利用したい路線です。
更に、どれだけの人がこの愛称を聞いて岩手(花巻)へ向かう路線だと気付いてくれるか、興味のあるところであります。
花巻仙台線の「けんじライナー」はあまりにベタな愛称で開業間もない頃はチョットおしょすがったですねぇ。「けんじ」=小佐野賢治というナイスな突っ込みも・・・(^_^;)
私も往復深夜バスの東京日帰りは
今年9月以降3度ありました。
もちろんアメフトの試合応援が目的ですが
新幹線だと時間的に試合だけになりますよね。
それだと、どんだけ金かけて見に行くんだ
…ってことになるので(笑)
余裕の時間で他の予定も入れるわけです。
例えそれがただの散策だとしても。
>bikkiさん
じゃあ次回は
bikkiさんの思い出シリーズってことで(笑)
胸キュンのお話など伺いたいと思います。
私もまだまだたーっくさん思い出がありますが
そういう話できる相手ってそうはいませんよね。
どんどん話して下さいな(^-^)
>まつたけさん
バスヲタ来た来た(笑)
当然いらっしゃると思ってました(^-^)
遠野釜石号の座席が広いと聞いたので
2度ほど利用してみたのですが、
私にはイーハトーブ号との違いは
あまりわかりませんでしたねー。
だから最近は花巻駅発着というだけで
イーハトーブ号を利用してます。
東京着が1時間遅い遠野釜石号も
時間つぶしが少なく済んで便利ですけどね。
小生は、自分なりに新幹線の旅の楽しみ方を見出してしまったので、「新幹線も、いいんじゃない!?」なんて思っていますが…
>確かに深夜バスも窓は開かないし、人の乗降も少ない。
でも、乗り込む前後にはかつての夜行急行のような旅情がある。
の部分には、さすがにごもっともで、打ちのめされた気がします。
時間の節約や短縮ばかりがクローズアップされ、実は「旅の醍醐味」の部分が殺がれてしまっている事に、個人的には残念に思っています。
その点、一昔前の夜間急行には、仰るような風情があった…。
さすがに参りました…(笑)。
あまりに機能的なのはちょっと敬遠してます。
基本的にのんびりした性格ですし
点と点をつなぐだけの旅行に魅力を感じないので
ゆっくりプロセスも楽しみたいと思うのです。
まぁ、余すところなく楽しみたいという
貧乏性なのかもしれませんが(笑)
それと、多分に「降り鉄」っ気があるのかも(^^;
といっても、ふた昔まえとはがらりと変わりました。あのころはサービスエリア(大体三ケ日)で飲み物や夜食を調達したものですが。最近は乗務員交代だけで発車してしまいます。
一方、関西からは1往復半(片道は姫路まで止まらない)しかなくなってしまった夜行列車ですが、こちらは目覚めると湖東の盆地を駆け抜けてゆきます。
早出の通勤者をよそに通過してゆく様もうれしいです。
逆に、深夜のホームで列車を待つのもわくわくしてきます。
なにかクライマックスの「花嫁」か、昼行ですが、バズの「はつかり5号」が脳内に流れてきます。
バスの中にトイレはついていますが
なかなか行きにくいので、事前に済ませてます。
東北だと「はつかり5号」しかないでしょう(笑)