WBCの熱狂はすごかったねぇ。
ネットもTVもニュースというニュースがみんなWBC。
TVの視聴率が40%とか60%とか、紅白なんざ目じゃない数字。
普段野球を見ない方々もこぞってTVにかじりついたのか
基本的な野球知識がTV画面上に表示されていた。
(これが結構面白かったなー🤣)
これらの熱狂は、
巷間言われるように、ダルビッシュ選手と大谷選手の
かなり意図されたパフォーマンスによるところが大きいけれど
その企画から演出、そして腹の座った采配と
何よりも栗山監督の手腕が今回は本当に素晴らしかった。
直接アメリカへ出向いて大谷選手やダルビッシュ選手とも接触、
もちろんこの2人に期待したのがプレーだけじゃなく
チームの精神的支柱だったところがまずすごい。
(精神的支柱になるための2人によるパフォーマンスが素晴らしかった)
選んだメンバーも若手中心ながら、
プレーでも精神的にもつなぎとして大切な存在となった近藤選手や
守備における絶対的な信頼感がある源田、甲斐、中村各選手など
ポイント、ポイントをきちんと押さえている。
(私が挙げたいと思う影のMVPは近藤、源田、中村)
投手起用の上でも、主軸に無理をかけることなく
若手もどんどん使えたのはそういう捕手起用によって可能になった。
一番唸ったのが、メキシコ戦最後の周東選手の代走起用。
「決めに行くぞ」という意図が選手たちに伝わる起用だった。
ところでさ。
サッカーのW杯の時もそうだったんだけど
「日本すごい」「日本素晴らしい」「プレーもマナーも」
みたいな報道には違和感しかない。
優勝したことは素晴らしいけど、他も全て素晴らしいチームばかりで
大谷選手はじめ、全選手がすべてのチームをリスペクトしていた。
試合後の礼節もそれぞれの国の独自文化。
日本チームの文化も他国ファンにリスペクトしてもらった分だけ
私たちも他国の文化に応じた礼節をリスペクトしたい。
決して日本だけが素晴らしいわけじゃない。
ベンチの中の綺麗さや、果てにはスリッパの揃え方まで
重箱の隅つついて日本的文化を素晴らしいと自画自賛は美しくない。
世界ではタトゥーが反社文化と捉える日本のような国もあれば
当たり前の文化だったりする国もある。
ベンチを綺麗にしたり、スリッパを揃えるのが
全世界的な礼節だとは限らない。
ファンの様々な声はともかく
選手たちは実に楽しそうだったし、普段より生身の姿が見られた。
「たっちゃん」Tシャツのエピソードには
「仲間には国籍なんか関係ない」という気持ちが伝わったし
「宇田川会」のエピソードも微笑ましかった。
佐々木朗希選手による、死球相手へのお菓子差し入れは
野球を通じて国境を超えた友情すら感じられたし
大谷選手がアメリカ入りしたときに被ったチェコの帽子も
勝った負けただけじゃない、互いのリスペクトが感じられた。
ともかく、WBCは終わった。
今回、ダルビッシュ選手や大谷選手、ヌートバー選手ら
MLBの選手たちとの交流の中で大いに学んだこと
他チームの選手たちと一緒にプレーしてみて気づいたことなど
代表選手として参加した若手選手たちは
その気づきや学びを自チームに持って帰って伝えるべき。
もちろん自らも大きな成長につながったと思うし。
この経験が日本の野球にとって大きな財産になることを願う。
それもこれも、名プロデューサー栗山さんのおかげ。