ガリ版
2022-11-25 | 文化
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/ec/33878e4890796919f623a3e45a613024.jpg)
私の両親は教員だったので
テスト問題作ったり、課題や資料作ったりするために
自宅にはガリ版のヤスリや鉄筆があった。
ガリ版とは正式名称が謄写版印刷(孔版印刷とも)といい
蝋が塗られた原紙をヤスリ板の上に置いて
鉄筆で字を書いて蝋を削り、
写真左の印刷板に原紙を貼り付けて下に紙を置く。
上からローラーでインキを塗ると、
蝋が削られたところにだけインキが乗るという印刷方法。
・・・という説明しないと、今じゃわかる人少なくなったよね😅
でも、いわゆるワードプロセッサーという画期的な機械が
普及してきた1980年代後半以前は
これが一般的には身近な印刷方法だった。
私が高校時代に友人たちと作った文芸同人誌も
大学の頃に、やはり友人たちと作ったミニコミ誌も
すべてガリ版で作ったものだ。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/2f/1794de5e223813ecbba88cfb0901c19b.jpg)
この写真は大学1年の頃に作ったミニコミ誌。
袋綴じで、30数ページあったかな。
すべて(ほぼ徹夜で)私が書いた(描いた)ものだ。
なにしろ鉄筆持っていたのは私だけだったし。
そして大学の印刷室を借りて、確か50部ほど印刷した。
ガリ版の原紙はのちに鉄筆を使わなくてもいい
ボールペン原紙が発売されてさらに一般的なものとなり、
「プリントごっこ」と名付けられて商品化。
年賀状需要で爆発的に売れたものだった。
それも90年代ぐらいまでかなぁ。
まだ姿形すらなかったスマホはもちろん、
PCですらまだ持っている人は少なかったけれど、
ポータブルWPがカラー印刷できるようになってからは
一気に時代はデジタル化した。
でもね、ガリ版の暖かみある印刷風味は
なかなか悪くないんだよね。
活版印刷の文字のくぼみやシャープな線と同様
ひとつの文化じゃないかと思うんだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/3b/69617fc54b2fee28563e6cf30b15449c.jpg)
この写真は戦時中に花巻で発行された文芸同人誌。
「漂泊の教師」と言われた白樺派自由主義の教師赤羽王郎氏が
当時の花巻の青年たちとともに作ったものだ。
同人には宮沢賢治の弟清六氏や
新俳句で知られた俳人加賀谷灰人氏などとともに
私の父もいた。
この同人誌全体がなんとガリ版作りなのだ。
表紙のカラーイラストも❗️
赤羽氏はガリ版の高度技術者としても知られていて
こんな技を持っていた。
ガリ版を極めるとこんなこともできる。