風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

方言と、原日本語の発音

2018-10-15 | 文化
東北地方の発音に
母音が「イ」と「エ」、「イ」と「ウ」の
中間のようなものがある。
「家」が「ィエー」、「知事」が「ツヅ」と
よくテレビなどでも紹介されるのがソレだ。
実はこの発音、東北地方独特と思われがちだが、
松本清張の「砂の器」に出てきたように
中国地方〜山陰地方にも見られるし、
沖縄八重山地方の民謡を聞くと
やはり同じような発音という気がしている。
例)「島」→「スマ」

さてこの発音。
実は元々の日本語にあった発音だと思っている。
字で表すと「ゐ」と「ゑ」。
現在旧仮名遣いの本を読む時に
「ゐ(ヰ)」は「イ」、「ゑ(ヱ)」は「エ」と発音されるが、
正しくはそれぞれ「ゥイ」「ゥエ」となる。
宮沢賢治の「カイロ団長」は「ウヰスキー」を飲んで
ひっくり返ってしまった。
語源は「い」は「以」、「ゐ」は「居」だろうし、
「え」は「衣」、「ゑ」は「恵」だろう。

よく「方言は現代に残った古語」と言われるし、
ひとつひとつの方言の語源を調べると確かにその通りだが、
実は単語だけではなく、
発音にも原日本語が残っているということにならないか?
近代から現代へ、特に戦後の日本語は簡便なものに変わったが、
地方に原日本語が残っているとしたら貴重だ。

地方でもだんだんそういう発音が消えつつある。
普段使いするのは年配の人たちばかり。
せめて使わなくても理解しておく必要があると思う。
ヒアリングだけではなく、話すことも、
いざという時には使えるように。
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