風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「本の本〜夢眠書店、はじめます〜」

2018-03-15 | 読書


「でんぱ組.inc」とかいうグループ(知りませんでした ^^; )
の1員である、本好きで知られるらしいアイドルが
自分でも本屋を始めるとしたら何を知りたいのかというテーマで
書店から取次、出版社まで様々な担当者にインタビューする本。
本ができるまでに関する
要は出版周辺の内幕本(笑)はいろいろ出ているが
本書の面白いところは、本に興味ある素人の女の子が
自分が本屋を始めるならという視点から
興味のままにたくさんのプロに尋ねているところ。
そしてそのため、その手の普通の本と違い
インタビューを書店という川下から始めていることだ。

大手書店員さんから仕事について話を聞き、
独立系書店主(なんとTitleの辻山さん)から話を聞き
ブックコーデしネーターから話を聞き、
取次の担当者に話を聞き、
出版社の営業や広報担当者に話を聞き、
編集者や校閲者からも話そを聞き・・・
という具合で、興味のままだんだん川上に遡っていく。
編集者も小説から漫画、雑誌、絵本とバリエーション豊か。
最後は装幀にまでチャレンジしているのだが
本書のようなアプローチの仕方は
ノンフィクション作家やルポライターには無理だろう。
あくまで好奇心を持つ女の子(アイドル)だからこそのノリで
しかも意外に(失礼)それが面白い。
これまで周辺業界にいて分かったつもりでいたことも、
相手が女の子ということで丁寧に説明している場面を読み
「あ、そうだったんだ」という部分もあった。
著者のツッコミや比喩に使い方にも感心。
面白い子だねぇ。

ところで本書はネットや書店で買ったのではない。
なんと若い子向けサブカル系の雑貨店で購入したのだ。
(置いてあった本は、本書以外全てコミック)
こんなところ(^^; でも面白い本との出会いはある。
欲しい本だけ注文するネット書店じゃこんな出会いは無いよね。

「本の本〜夢眠書店、はじめます〜」夢眠ねむ:著 新潮社
コメント
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