高校時代、
JAZZ好きの友人に何枚かレコードを借りた。
それまではV.S.O.Pやセロニアス・モンク、
マイルス・デイビスにチャーリー・パーカーなどの
モダンジャズ系を聴いていたワタシは
エラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリディなど
優しく哀しい女性ボーカルものが沁み、
カセットテープに録ってはよく聴いていた。
その中の1枚に穐吉敏子さんがラグタイムを弾く
ピアノソロアルバムがあった。
はじめは女性ボーカルものと交互に聴いていたのだが
徐々に穐吉さんのものに比重が高まり
高校3年の頃はほぼ毎日聴いていたと言っていい。
明るく弾むようなピアノの音色の中に
どこか陰と哀しみを感じ、
学校にいても常に耳の奥にメロディが流れているぐらい
毎日毎日夜自分の部屋で聴いていたものだ。
先日NHK-BSで穐吉さんの番組を見た。
ご自分の人生をピアノで表現するという番組。
JAZZを極めるため、仕事として高みを目指すために
アメリカで過ごしつつも日本人のアイデンティティを失わず
差別に苦しみながらも頂点を極めた穐吉さん。
音に感じる陰や哀しさはそこからきているものか・・・と
改めて知った次第。
80代半ばを過ぎてもなお第一線で活躍し
今も苦しみながら自分の表現を追い求めているその姿に
40年の時を経て、改めて感じ入った。
音楽は素晴らしい。