風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

2011年11月11日

2011-11-11 | 散歩
今日は1が6つ並ぶ日。
とはいえ和暦でいうと平成23年11月11日と味も素っ気もない。
平成11年の時も11月11日は結構話題になったが、
その時だって西暦でいうと1999年でこれまた味も素っ気もない。
何を言いたいかというと
要はゴロがいいというだけの話ってこと。

それよりも、今日は「あの日」からちょうど8ヶ月。
もう8ヶ月、そしてまだ8ヶ月・・・というのが感想。
いつもなら読了後の本を紹介するところだが、
今日は読み始めたばかりの本をちょっと紹介したい。
(感想はのちほど)

「河北新報のいちばん長い日~震災下の地元紙~」文藝春秋

「あの日」から始まる苦難と困難を
河北新報(東北全域をカバーする仙台本社の地方紙)自らが
ドキュメンタリーとして書いている本だ。
当然のことながら「あの日」の「あの瞬間」から本は始まる。
読んでいくうちに自分自身が体験した「あの瞬間」が蘇る。

駅の外に出て1服つけようとした瞬間に感じた
たぶん前期P波ともいうべきボコボコと地面の下から感じた突き上げ。

何百台もの戦車がキャタピラを鳴らしながら突入してきたような
ものすごい音の地鳴りと、後期P波といえる縦揺れ。

次に来たS波は、横揺れなんてもんじゃない。
上下 前後 左右・・・・・
今立っている地面が
さながら凸凹道を走る巨大なトラックの荷台に乗っているような。

目に映るすべてのものが軋み、崩れ、歪んでいて
今思い出す光景の中では空までが揺れているような感じすら受ける。

10分も20分も続いているような長い間
何かが崩れ落ちる音、割れる音、地鳴り、地鳴り、地鳴り・・・

駅や、駅前の市交流センターや家々や店から飛び出してきた人達で
駅前は騒然としていたはずなのだが
記憶の中に人々の声は全く記憶されていない。
みな真っ青になり、足がすくみ、口は大きく開けど声も出ない。

・・・本を読んでいながらだんだん息苦しくなってきた。
動悸と荒い呼吸を自覚して気分も悪くなってくる。
ページをめくる手や立っている膝が震える。
満員の通勤電車の中で、しゃがみこまないよう必死でつり革に掴まる。
「その日」の「その瞬間」から先を読み進める勇気が今朝はなかった。



「あの日」「あの瞬間」から、今日で8ヶ月。
コメント
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