風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

報道表現と一般的評価、当事者の評価

2011-03-02 | スポーツ
まず、暴力は絶対に肯定するものではないことを大前提とする。

プロ野球楽天の星野監督は
かつて中日監督時代「鉄拳制裁も辞さない熱血監督」と言われた。
もちろんそれは新聞やテレビなどに夜好意的な見方だ。
一方、西武の大久保元コーチは選手への暴力事件で昨年解雇された。
この2人の違いは何だろう。

プロ野球選手は言うまでもなく社会人。
例えば普通の会社で部下を鉄拳制裁したらどうなるか・・・大問題だ。
しかし星野監督の場合は好意的に見られるばかりではなく、
監督としては特に当の選手達にも慕われる存在だ。
まぁだからこそ傷害事件などの刑事に問われることがないと思うのだが。
この違いは何なのだろう。

岩手大学の硬式野球部監督が暴力事件で解任されたというニュースが
昨日から新聞やテレビでボチボチ出てきている。
どんな騒ぎになるか、部員達に悪い影響が出なければいいが・・・
と心配していた身としては思った程の騒ぎにならず
胸を撫で下ろしたりしているのだが・・・。
それにしてもその報道の表現の違いには驚いた。

第一報となった昨日の読売新聞の記事の表現・・・
「(前略)解任は1月13日付。現時点で監督は解任されていないという。
 同大は、この不祥事を、
 野球部が加盟する北東北大学野球連盟に報告していたが、
 その後1か月半以上経ても公表していなかった。
 (中略)
 取材に対し、(同大総務広報課)は、
 准教授による暴力で部員が軽傷を負ったことや、
 部長職を解任した事実だけは認めたが、
 暴力沙汰が起きた日時や当時の状況など、具体的な話は一切答えず、
 『(新たに部長になった)副学長が不在で詳しいことは話せない』
 との説明に終始した。
 連盟に報告後も公表しなかった理由については、
 『今年度末か新年度、
  監督の処分が決まり次第明らかにするつもりだった』(同課担当者)
 としている。(後略)」

同じく昨日の朝日新聞の記事の表現・・・
「(前略)岩手大は
『現在、詳細を調査中で、近く処分を決めたい』としている。
 大学などによると、男性監督は複数の部員に対し、
 練習中に指導の一環として殴るなどしていたという。
 大学側が1月中旬ごろ、監督に事実を確認したところ、
 暴力行為を認めたため、監督業務を自粛させた。
 大学は、暴力行為を北東北大学野球連盟事務局に通報したという。(後略)」

そして今朝の岩手日報の記事の表現・・・
「(前略)部員らは藤井学長宛てに嘆願書を提出している。
 3、4年生は『監督を続けて欲しい』などと個々の思いを記しており、
 石井康太主将(3年)は
 『上位を目指す指導の一環。信頼関係がある』
 と暴力行為との『断定』に違和感を示した(後略)」

さまざま考え方はあろうが、
内情を多少知るものとしては非常に複雑な思いを感じている。
特に恣意的とも思える報道表現があることに関しては
フクザツを通り越した感情が湧いて来る。
ちなみに今回の「事件」は
同大や同野球部とは関係のない近所の方からの通報だったとのこと。
選手達からではない。

参考:関連ブログ
   いわて春風組 昨日のエントリー本日のエントリー
   白堊スポーツ 昨日のエントリー本日のエントリー
          
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする