昨日の夕方5時半過ぎ、
会社の外でタバコをくゆらしていたら
社員が3人パタパタと慌てて従業員玄関から出てきた。
「お、今日は早いねぇ。残業なかった?」と尋ねたら
「いや、実は裏の川の水路に
カルガモの子どもが引っ掛かったようなんですよ」
「親ガモがオロオロしてるので助けようと・・・」
と口々に言って会社の裏に回って行く。
会社の裏の小川には対岸に水路が合流している。
写真でいえば左上の鉄の網蓋の隙間から
その水路の暗渠に子ガモが落ちたらしいとのこと。
小川との合流地点には青い鉄の扉があって出られない。
彼ら3人はまず鉄の扉を開けてみた。
中には金網があるらしく
扉を開けただけでは子ガモが出られなかったとのことで
今度は若手ひとりを扉係でその場に残し、
あとの2人がズボンを脱いでトランクス1丁になり
写真左上の網蓋を開けて中にもぐり込んだ。
会社の裏にある非常階段には
何人かの社員がかたずを飲んで成りゆきを見守っている。
数分経った。
突然、扉を開けていた若者が「来たっ!!」と叫び
次の瞬間、水に乗って小さな子ガモが滑り落ちてきた。
「やったー!!」パチパチパチ
会社の非常階段では絶賛の声と拍手。
暗渠から出てきた2人も合わせ
3人は会社のみんなに大きく手を振り、バンザイしている。
「よかった、よかった」
とみんなはそれぞれまた持ち場に戻り仕事を続けたのだった。
何となくほのぼのとした夏の夕方。