風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

教育・福祉

2005-05-23 | 風屋日記
うちの家内は幼稚園教諭だが、
4年制大学の教育学部養護教員養成課程を出ているので
持っている免許は幼稚園 & 養護 & 小学校の各教員免許だけ。
保育園に必要な保育士(いわゆる保母さん)免許は持っていない。
だがしかし、現在保育士試験合格に向けて勉強中だ。

幼稚園は文科省管轄なので、教育職となる。
当然指導要領に基づいた指導計画を作り、指導要録に記録する。
各種教材も作るほか、指導研究や公開もある。
そしてそれらは大抵帰宅し、食事を作り、済ませてからのHome workだ。
もちろん担任する子全員のお便り帳への返事書きもある。
8時過ぎから始めた仕事が、時には12時近くまでかかることもある。
私や部活を終えた息子達が帰宅する頃には、もう仕事が始まっている。
当然我々はそれぞれで食事をとり、後片付けをし、翌日の米をセットする。
風呂も済ませ、息子達が各々の課題に取りかかるべく部屋に入った後も
家内の仕事は続いている。

さて、その家内の日常に新たに加わったものがある。
経費節約のために人員が実質減となったために回ってきた
給食費管理や経費支出関係の事務的な仕事。
そして前述の保育士試験受験の勉強だ。
なんでも少子化への対応 & 教育・福祉施設運営の効率化のために
幼稚園と保育園が一緒になりつつあるのだとか。
「幼保一元化」という、一見カッコイイ名の元に、
教育と福祉にかけるお金が削られてきつつある。

教育は先行投資だ。
今すぐの効果は測れないものの、将来の社会のための土台だ。
社員教育を怠った企業に将来が無いように
幼児、児童に対する教育を怠ったツケは社会が負わねばならない。
社会維持のためのランニングコストともいうべき福祉・医療とともに、
「効率」で語られるべきものではないはずだ。
厚生労働省による少子化・雇用・社会保険問題にも疑問を感じる。
それら3つの問題に向けた事業として「仕事と育児の両立支援事業」があるが、
その内容を簡単に書くと、結局のところ
「企業は人を雇え」「育児・介護のために休める決まりを作るべく計画をたてろ」
それをクリアした結果として「計画実施企業と認定してあげる」だけだ。
そして「すべからく皆仕事をしよう」「応分の社会保険料と税金を負担しよう」。
これは国民に向けたメッセージだ。
その上で、教育・福祉・医療にはお金をかけず効率を求める。
頭が良く、机の上で国を動かしている方々のやっていることは、
結局、企業と国民と現場への押し付けでしかない。

家内が仕事をしている間、何となく先に寝るのもはばかられ、
私も本を読んだり、仕事のまとめをしたりしてつきあうことにしている。
そして翌朝の起床は、私の仕事の都合で5時半。
月曜や雪道の冬場は5時前に起きなければならない。
どこかで休憩しなきゃね。
コメント (4)
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