風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

音楽は文化

2005-04-19 | 風屋日記
今朝犬の散歩時に、田起こしをしているトラクターをみかけた。
桜は50kmほど南の水沢市まで来ている。
今朝の岩手山は青空を背景に浮き出た輪郭を現し、
巌鷲山という別名の元となった山頂近くの雪形の鷲がくっきりと翼を拡げている。

  ◇      ◇      ◇      ◇      ◇

私の住む町は、実はJAZZが盛んなところ。
かつては「岩手にベイシーを呼ぶ会」の中心メンバーたちもいたし、
「花巻リズムヤンガー」というアマチュアビッグバンドも県内最長の歴史を刻む。
以前話題にしたJAZZ喫茶「エル・グレコ」のような店が、
こんな小さな町にあったというのもそういう風土がなせる技だし、
昨日の読売新聞の地域版に載った
 「花巻市で小中学生対象のジャズバンド「花巻ジュニア・スウィング・
  オーケストラ(HJSO)」(浅野昌吾代表)が設立された。」
というニュースのHJSO代表もこれまた以前話題にした喫茶「ぐがーん」のマスターだ。
浅野さんはイーハトーブアートステーション(IAS)代表として
宮沢賢治記念館そばの昔の蔵を改造した場所で活動しており、
ここで時折プロのライブやアートイベントを行っている。

昔、日本のフュージョンの旗手と言われていたネイティブ・サンが来花したのも、
ピアノの本田竹廣が岩手県は宮古市の出身ということもあるのだろうが、
やはりこういう土地だからこそだと思う。
何しろまだあまり名前が知られていなかったネイティブ・サンなのに
文化会館が結構満席になる程チケットが売れたのだから。
若かった私も当然聴きに行った。
サックスの峰康介がなかなかカッコよかった記憶が残っている。

しかし最近は浅野さんの尽力も力及ばず、
文化的ランドマークたる喫茶店やLIVEハウスもなく、
5月にやってくる綾戸智絵さんも北上止まりで花巻まではやって来ない。
私が高校時代に、この町全体に漂っていた文化の香りとサブ・カルチャーの風は
今では町のあちらこちらで、せいぜい草木を揺らす程度にしか吹いていない。
それでもアマチュアながらJAZZピアニストとして県内では有名な歯科医の0さんや
ボランティアで市内の学校を回り、
子ども達にJAZZ体験をさせている花巻リズム・ヤンガーの面々、
その他にもFolk musicやBluesなどのアマチュアミュージシャン、バンドなど、
仕事を持ちながらもそれぞれ努力しながら活動を続けている。
浅野さんのHJSOも「よくぞ、立ち上げていただいた」という気分。
みんな頑張っているなぁ。
できればもっとたくさんの人達に、こういう活動を知って欲しいと思うけど。

当地でも昔ながらの商店街の空洞化が問題になっている。
半年に1度くらいのペースでいいから、
いくつかの空き店鋪を使って、
「アマチュア・ライブ・フェスティバル」みたいなものを企画すれば、
それなりに人も集まると思うんだけどなぁ・・・。
コメント (11)
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