風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

キナ臭いナイーブな話

2004-12-18 | 風屋日記
土曜日はいつもpvが落ちるので、この日を待っていた。
それではちとナイーブな話を(笑)

ここを読んでくれている人達の中には、
今日書く内容をキナ臭く感じる方々もいると思うが、既に過去の話で時効かと思う。
こんな(貴重な?)体験をしましたという「話」だと思って読んで欲しい。

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3年程前の事。
以前からの知人に「たまには飲もう」と誘われた。
その方は私の住む地域ではちょっと知られた元地方議員。
私自身もこの町や県に対しては言いたいことが山ほどあったので、
ちょうどいい機会だと思って出掛けた。

いっぱしの一家言のように私が語るこの町の行政について、教育についてなど、
日頃抱いている私の考えを色々聞いた後で、彼は唐突にこう切り出した。
「ところで、そういう考えを自分で何とかしようと思わない?
 私は君を政治の世界に誘おうと思ってるんだけど、どうですか?」
要は「選挙に出てみないか」とのお誘いだった。

彼が最初に提案した作戦はとんでもないものだった。
1年以内に解散総選挙がある(実際はなかった)ので、その時に出ろと言うのだ。
私の住む衆議院選挙区からは、全国に知られた有名議員が出ている。
そうではなくともこっちは全く無名のサラリーマン。話にならない。
ところが彼の話は更に続く。
「当然落選するだろうが名前は売れる。本当の狙いは2004年の市長選だ」とのこと。
ふざけるな・・・と憤った。
あんたらが欲しいのは、私の名字だけじゃないか・・・と。
概出の通り、私と同じ名字を持つ伯父は長いこと政治の世界にいた。
伯父の下で仕事をしていた彼の意図は、この名字を絶やさないことだったと思う。

私の「欲しいのは名字だけですか?」に、彼はむっとしたようだった。
・・・が気を取り直して
「まぁ、この話はちょっと急な話だと思っていた。
 それでは、これは政党人としててはなく同じ地区民として言うが、市議会はどうだ?
 ちょうどこの地区から出ている議員が引退するが、その後釜も探してるんだよ」
これにはまいった。正直迷った。
実際、その話があってから2ヶ月間迷っていた。
地方選挙は約1年後。タイムリミットギリギリまで迷っていた。
やりたいことは山ほどあった。言いたいことも。
事情を知る知り合いの市議は「一緒にやろうよ」と言ってくれた。
母や家内にはなかなか言い出せなかったので、妹や友人数人にも相談してみた。
その時点では自分なりの正義ややりたいことを通すか、生活を守るかの選択だった。
市議会の議員報酬は手取りで約24万円、そのほとんどが交際費で消えると言われた。
休日も行事への出席や冠婚葬祭でほとんど潰れるとも・・・。

最終的には家内の「選挙に出るなら離婚してからにして下さい」が全てを決した。
家内の言葉も私の決断も、自分だけが逃げようというものではない。
家内も親戚が市議会議員をやっていて、周囲の苦労を知り尽くしていたし、
彼女自身の微妙な立場もあったのだ。
私の出した結論は「出ない。そして今回出ないと決めたからには一生出ない」というものだった。
別の場所で、自分ができる限りの事をしようと思った。
1年後に県議選に出た友人を側面から応援したのも、
市PTA連合会の役員を引き受けたのも、そういう思いが根底にあったからだ。
しかし、市政に物言う場から逃げたと言う事実も確かにある。
私がその後、市政・県政に端切れの悪い物言いになっているのは、
言える立場から逃げた・・・という負い目を背負っているせいもある。

そしてblogを始めた目的のひとつである「国の妙な流れに棹を差したい」というのも、
(小さいことだけど)私ができることのひとつであると考えている。
コメント (8)
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