世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

旧前田侯爵邸は駒場公園の中心的存在、洋館も和館も凝った造りで見どころいっぱいです

2018-07-08 08:00:00 | 日本の町並み
 世界遺産の日光東照宮から大谷川をさかのぼった所にあるのが、旧田保沢御用邸で、建物群の保存が良くて、御用邸の様子がよく解る施設でした。一方、旧皇族の屋敷も数多く残されていて、ホテルに利用されたり、旧朝香宮邸の場合は東京庭園美術館として、建物も鑑賞対象になっています。さらに、皇室を取り巻いた華族の旧宅も一部が重文に指定されて残されています。今回は、これらの旧邸宅の中kら旧前田侯爵邸を紹介します。

 旧前田侯爵邸は、東大駒場の近く、駒場公園にあります。この駒場公園は、明治時代には東大農学部がありましたが、後に本郷に引っ越しました。一方、旧加賀藩主の前田家は、前田家上屋敷のあった本郷に邸宅を構えていましたが、昭和初期に農学部の引っ越した跡地に邸宅を構えて引っ越しました。現在の建物はその時に建てられたもので、何人かの手を経て1967年に東京都近代文学館として使用されたのち、現在は目黒区の所有になり、公開されています。ところで、東大の赤門は、前田家が徳川11代将軍の娘をお嫁に迎える時に前田家上屋敷の御守殿門として建てられた遺構です。

 
 
 
 
 
 
 
 建物は駒場公園の北端にある正門を入ってすぐのところにあり、洋館と和館があり共に重文指定されています。洋館は英国風の様式で建てられ、海外生活が長かった侯爵は様式生活に慣れていて、この洋館だけで日常生活を完結していたそうです。内部も外部も見どころが盛りだくさんで、室内では色んな形の照明、窓のグリルなどなど。外部では、壁の模様や怪獣の像、それに給水塔(だったと思います)などなどが見られます。

 
 
 
 和館は、生活の場としてではなく、外国からの賓客用の迎賓館で、日本文化を紹介する目的で作られたようです。洋館の入り口は西側に設けられていますが和館は、北側にあります。中に進むと庭園に面した広間があり、その両側に和室と茶室とがあります。和室と茶室は借りることもでき、館内はボランティアガイドもあり内部を案内してくれます。また、文化の日の前後には、洋館も併せてガイドツアーが組まれるようです。

 旧前田邸洋館の設計者は高橋貞太郎で学資会館や高島屋日本橋店の設計を行った建築家です。現在の帝国ホテル本館も設計したのですが、あまりにも有名なライト建築の旧本館を取り壊しての建物だったので、なかなか評価してもらえなかったようです。現役時代に、帝国ホテルで使われていたPBXを見学したことがありますが、通常のPBXとは似て非なるもので、ホテルのあらゆる業務と連動するものでした。現在は、さらに改良されたシステムと入れ替わっていると思いますが、IT機器と言ってもきわめて人間臭いシステムでした。


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