東の帝国ホテルに並ぶ西の甲子園ホテルは、ホテルの正面しか現存しない帝国ホテルと違って、建物全体が、大学の所有となり残されていました。この旧甲子園ホテルを設計した新藤新の作品は、前々回紹介した芦屋の旧山邑邸をはじめ、首都圏を中心に現存しており、フランク・ロイド・ライトの設計思想を継いだ建物が残されています。ただ、首都圏と関西圏以外には、ほとんど現存せず、九州では如蘭塾のみです。今回は、この
如蘭塾が残る佐賀県の武雄を紹介します。
武雄は、県庁所在地の佐賀の西30kmほど、JR佐世保線の武雄温泉駅までは特急で25分、各停でも35分くらいの場所にあります。新藤新が批判をした東京駅の設計者である辰野金吾が設計をした武雄温泉新館と楼門のある温泉として有名です。筆者は、如蘭塾を訪問し損ねましたので、ここでは武雄温泉と如蘭塾と御船山を挟んで反対側の御船山楽園の周辺を紹介します。
まずは、辰野金吾設計の建物がある武雄温泉は、JRの駅の西800mほど、歩いて15分ほどの山の麓のような場所になります。南東方向から伸びてきた道路の正面に楼門があり、楼門の奥に旧温泉新館の建物があります。ともに重文に指定されていますが、他の辰野作品を見てきた目には、これが辰野金吾の設計?といった感じがします。楼門は、まるで竜宮城の城門で、かなり派手です。特に、日没後にライトアップされると、にぎやかさが増します。一方の、温泉新館は、外観は素っ気ない建物ですが、内部の作りはなかなか凝っています。特に、風呂場のタイルは、洗い場も浴槽の中も、なかなかしゃれています。
次に、御船山楽園ですが、こちらはJRの駅の南1.5kmほど、変わった山容の御船山(207m)の南西側の麓に広がる庭園です。この御船山楽園は、全国で3位の紅葉の名所で、さらに日本最大級の紅葉のライトアップの庭園です。筆者が訪問したのは、10月で紅葉には早かったのですが、園内の池に反映する御船山の姿や、古ぼけた茶屋、大きなクスノキなど、それなりに楽しめました。ただ、パンフレットなどで見る、紅葉の時期のライトアップは、御船山を含めた大規模で、この時期に訪れて見たい衝動に駆られます。
武雄温泉駅というと、長崎新幹線で在来線の狭軌と新幹線の標準軌の切り替え駅となる予定の駅です。九州新幹線の新鳥栖から武雄温泉までは在来線を流用し、武雄温泉から長崎までは標準軌の路を引くそうです。この軌間の違う路線を直通するため軌間可変電車の研究が進められていますが、開業目標の2022年には間に合わず、当面は乗り継ぎでしのぐそうです。軌間可変列車はスペインのタルゴが有名で、こちらは機関車が引く動力集中方式、一方我が国のものは動力分散の電車方式。タルゴはとうの昔に実用化を完了してますが、電車方式では難問が多いのでしょうか。軌間だけでなく、在来線と新幹線の方式の差は、電車の制御プログラム改修など問題が多いようです。ヨーロッパでは、方式の違いを越えて、国境を越えて走りまわる高速列車が多いのですが。
如蘭塾が残る佐賀県の武雄を紹介します。
武雄は、県庁所在地の佐賀の西30kmほど、JR佐世保線の武雄温泉駅までは特急で25分、各停でも35分くらいの場所にあります。新藤新が批判をした東京駅の設計者である辰野金吾が設計をした武雄温泉新館と楼門のある温泉として有名です。筆者は、如蘭塾を訪問し損ねましたので、ここでは武雄温泉と如蘭塾と御船山を挟んで反対側の御船山楽園の周辺を紹介します。
まずは、辰野金吾設計の建物がある武雄温泉は、JRの駅の西800mほど、歩いて15分ほどの山の麓のような場所になります。南東方向から伸びてきた道路の正面に楼門があり、楼門の奥に旧温泉新館の建物があります。ともに重文に指定されていますが、他の辰野作品を見てきた目には、これが辰野金吾の設計?といった感じがします。楼門は、まるで竜宮城の城門で、かなり派手です。特に、日没後にライトアップされると、にぎやかさが増します。一方の、温泉新館は、外観は素っ気ない建物ですが、内部の作りはなかなか凝っています。特に、風呂場のタイルは、洗い場も浴槽の中も、なかなかしゃれています。
次に、御船山楽園ですが、こちらはJRの駅の南1.5kmほど、変わった山容の御船山(207m)の南西側の麓に広がる庭園です。この御船山楽園は、全国で3位の紅葉の名所で、さらに日本最大級の紅葉のライトアップの庭園です。筆者が訪問したのは、10月で紅葉には早かったのですが、園内の池に反映する御船山の姿や、古ぼけた茶屋、大きなクスノキなど、それなりに楽しめました。ただ、パンフレットなどで見る、紅葉の時期のライトアップは、御船山を含めた大規模で、この時期に訪れて見たい衝動に駆られます。
武雄温泉駅というと、長崎新幹線で在来線の狭軌と新幹線の標準軌の切り替え駅となる予定の駅です。九州新幹線の新鳥栖から武雄温泉までは在来線を流用し、武雄温泉から長崎までは標準軌の路を引くそうです。この軌間の違う路線を直通するため軌間可変電車の研究が進められていますが、開業目標の2022年には間に合わず、当面は乗り継ぎでしのぐそうです。軌間可変列車はスペインのタルゴが有名で、こちらは機関車が引く動力集中方式、一方我が国のものは動力分散の電車方式。タルゴはとうの昔に実用化を完了してますが、電車方式では難問が多いのでしょうか。軌間だけでなく、在来線と新幹線の方式の差は、電車の制御プログラム改修など問題が多いようです。ヨーロッパでは、方式の違いを越えて、国境を越えて走りまわる高速列車が多いのですが。