数多くのお城が川沿いに建ち並ぶのがロワール渓谷で、その中でも人気の高いお城が川を跨ぐように立てられたシュノンソー城でしたが、川を跨ぐお城がお隣の韓国にもあり世界遺産に登録されています。今回は、ソウルの南に位置する水原にある華城を紹介します。
華城がある水原はソウルの南約35km、鉄道で1時間足らずの場所にあります。駅から華城までは2kmほど歩いたような気がしますが、16年も前に訪問した記憶は、ロワール渓谷の記憶と同様にかなり薄れています。16年前ですから、世界遺産にもまだ登録されていなかった頃なのです。訪問した頃の水原は、のんびりとした地方都市の様子でしたが、最近の写真を見ると大都会の様相になっていて驚きます。
華城は李氏朝鮮の国王が先代の国王の墓を移して、その周りを城壁や楼閣などで囲ったもので、18世紀に当時の技術の粋を集めて作られたものです。城壁の総延長は5kmにもなるようで、筆者は南にある八達門と北の華虹門、それに城門から続く城壁の一部を眺めて帰ったように思います。
前述の川を跨ぐ建物は華虹門で、城本体が川を跨いでいるシュノンソーのお城の規模には及びませんが、堀の向こうに城門がある風景に慣れている目には、ちょっと違って見えます。
西洋の城にしても、日本の城にしても城門の棟は水(堀)の方向に対して平行して建てられていますが、こちらは水(川)に対して直交しています、つまり水を跨いでいることになります。華虹門は人間が通る門ではなく、水が通る水門だからなのです。
人の通る門の八達門は道路のロータリーの中央に建っていて、前方に半円形の城壁があり二重の門となっています。二つの門の間は中庭状で、形は四角形ではなく半円状ですが日本の城の枡形に似た構造をしています。
二重になっている門の大きなほうの形はソウルにあって火災に遭った南大門や全州にある豊南門に似た外観をしています。韓国の城門は、門の部分は城壁の石垣に穴を開け、木造の建物がその上に飾りとして乗っかっているという風です。日本の姫路城や皇居などの城門の人間の通る部分は建造物で囲われていて、石垣に開いた穴ではありません。そういえば、中国の北京の天安門、西安の城門さらにはベトナムのフエにある王宮の門など、どれもが人間の通り道は城壁の石垣に開けられた穴です。日本だけが特別なのかと思って、ヨーロッパの旅行の写真を見てみました。ヨーロッパでは、そもそも建造物の素材が石であることが多いので、門が城壁部分の穴なのか、建造物で囲われたものなのか曖昧なところが多いのですが、どうもどちらの種類もあるようです。門は城の防御に対して弱点になることが多いことから、城が建てられ背景によって門の構造に影響を与えたことだけはたしかそうです。
華城のある水原の郊外には、韓国民俗村があります。水原駅のそばから送迎バスが出ていて、30分くらいで門のそばまで連れて行ってくれます。韓国の伝統家屋などを移築して作られた屋外博物館で、園内では建物を見るだけでなく、広場で伝統芸能が催されたり、結婚式の様子も見ることができます。『チャングムの誓い』などの映画のロケにも使われたようで、ソウル市民の日帰りテーマパークになっているようです。韓国の伝統芸能は、ソウルで本格的なものを見ることができますが、舞台で演じられるので写真に撮る向きには、明るい屋外で演じられる民俗村がお奨めかもしれません。
門 (ゲート)といえば、パソコンなどの心臓部に使われているマイクロプロセッサのLSIの中には、論理回路がぎっしりくみこまれていますが、その回路を構成するものがゲートと呼ばれる単位回路です。1970年台に最初に作られた4bitのマイクロプロセッサではこのゲート数が1千程度でしたが、最新のものでは数億ゲートにもなっています。40年そこそこで5桁以上の進歩を遂げ、コンピュータの心臓部として動作をしているわけです。日本は高集積にメモリ分野ではトップクラス(最近それも妖しくなっていますが)ですが、論理素子では遅れを採っているといわれています。そもそも4bitマイクロプロセッサは日本人の発想で生まれたことは有名ですが、その後なぜか日本では研究が続けられなかったのですね。どこかの政党が主導するように、先端基礎研究には金を出さない風土なのでしょうか。
華城がある水原はソウルの南約35km、鉄道で1時間足らずの場所にあります。駅から華城までは2kmほど歩いたような気がしますが、16年も前に訪問した記憶は、ロワール渓谷の記憶と同様にかなり薄れています。16年前ですから、世界遺産にもまだ登録されていなかった頃なのです。訪問した頃の水原は、のんびりとした地方都市の様子でしたが、最近の写真を見ると大都会の様相になっていて驚きます。
華城は李氏朝鮮の国王が先代の国王の墓を移して、その周りを城壁や楼閣などで囲ったもので、18世紀に当時の技術の粋を集めて作られたものです。城壁の総延長は5kmにもなるようで、筆者は南にある八達門と北の華虹門、それに城門から続く城壁の一部を眺めて帰ったように思います。
前述の川を跨ぐ建物は華虹門で、城本体が川を跨いでいるシュノンソーのお城の規模には及びませんが、堀の向こうに城門がある風景に慣れている目には、ちょっと違って見えます。
西洋の城にしても、日本の城にしても城門の棟は水(堀)の方向に対して平行して建てられていますが、こちらは水(川)に対して直交しています、つまり水を跨いでいることになります。華虹門は人間が通る門ではなく、水が通る水門だからなのです。
人の通る門の八達門は道路のロータリーの中央に建っていて、前方に半円形の城壁があり二重の門となっています。二つの門の間は中庭状で、形は四角形ではなく半円状ですが日本の城の枡形に似た構造をしています。
二重になっている門の大きなほうの形はソウルにあって火災に遭った南大門や全州にある豊南門に似た外観をしています。韓国の城門は、門の部分は城壁の石垣に穴を開け、木造の建物がその上に飾りとして乗っかっているという風です。日本の姫路城や皇居などの城門の人間の通る部分は建造物で囲われていて、石垣に開いた穴ではありません。そういえば、中国の北京の天安門、西安の城門さらにはベトナムのフエにある王宮の門など、どれもが人間の通り道は城壁の石垣に開けられた穴です。日本だけが特別なのかと思って、ヨーロッパの旅行の写真を見てみました。ヨーロッパでは、そもそも建造物の素材が石であることが多いので、門が城壁部分の穴なのか、建造物で囲われたものなのか曖昧なところが多いのですが、どうもどちらの種類もあるようです。門は城の防御に対して弱点になることが多いことから、城が建てられ背景によって門の構造に影響を与えたことだけはたしかそうです。
華城のある水原の郊外には、韓国民俗村があります。水原駅のそばから送迎バスが出ていて、30分くらいで門のそばまで連れて行ってくれます。韓国の伝統家屋などを移築して作られた屋外博物館で、園内では建物を見るだけでなく、広場で伝統芸能が催されたり、結婚式の様子も見ることができます。『チャングムの誓い』などの映画のロケにも使われたようで、ソウル市民の日帰りテーマパークになっているようです。韓国の伝統芸能は、ソウルで本格的なものを見ることができますが、舞台で演じられるので写真に撮る向きには、明るい屋外で演じられる民俗村がお奨めかもしれません。
門 (ゲート)といえば、パソコンなどの心臓部に使われているマイクロプロセッサのLSIの中には、論理回路がぎっしりくみこまれていますが、その回路を構成するものがゲートと呼ばれる単位回路です。1970年台に最初に作られた4bitのマイクロプロセッサではこのゲート数が1千程度でしたが、最新のものでは数億ゲートにもなっています。40年そこそこで5桁以上の進歩を遂げ、コンピュータの心臓部として動作をしているわけです。日本は高集積にメモリ分野ではトップクラス(最近それも妖しくなっていますが)ですが、論理素子では遅れを採っているといわれています。そもそも4bitマイクロプロセッサは日本人の発想で生まれたことは有名ですが、その後なぜか日本では研究が続けられなかったのですね。どこかの政党が主導するように、先端基礎研究には金を出さない風土なのでしょうか。