世界遺産の島である屋久島への足として鹿児島からのフェリーは、航行時間が4時間と少々長旅ですが、船窓からの眺めがよいお勧めの航路の一つです。外洋を航行するフェリーはどれも長旅で、4時間は短いほうかもしれません。一方、瀬戸内海のフェリーは先日紹介した尾道の向島との航路など短く、フェリーというより渡し舟です。これらの短い渡し舟の中から、今回は松山市の北に80mの海を渡る三津の渡しの起点になる三津を紹介します。
三津浜は松山市内になり、80mの渡しは小さな船が往復していますが、松山市道扱いで500年の歴史のある渡し舟です。松山の市街地からバスや伊予鉄の郊外線で行くことができますが、伊予鉄の駅は三津の街並みからは若干離れていて、バスだと渡しの近くまで行ってくれます。実は筆者は渡し舟には乗り損ねましたが、伊予鉄で三津の次の港山まで行って、渡し舟で湾を渡り街並みを散歩するのが正解のようです。
古い町並みは、三津の渡しの南側に200m四方の半島状に湾の中に突き出たあたりが中心で、土蔵造りや板壁の家並が続きます。三津は古くから漁港として栄えたのですが、街並は商家のもので、格子や虫篭窓など、なかなか重みがある見ごたえのある街並みを形作っています。おそらく、松山藩の外港として流通を担う豪商が軒を連ねた名残ではないでしょうか。
三津の渡しは四角く突き出た半島の北東の角あたりにありますが、この近くには安土桃山時代に創建されたという西性寺があります。西性寺は本願寺派の寺院で開祖は滋賀県の生まれですが大阪府貝塚ゴボウを経て石山合戦の後に当地でお寺を作ったそうです。また、湾を挟んだ対岸には、海の守り神の湊三嶋大明神社の鳥居と社殿が見えています。瀬戸内海を横断して広島や山口、それに九州に向かう大型船は、三津の北の高浜観光港から発着していますが、三津の渡しの西側からも瀬戸内海を横断する小型の船が出ているようです。
この湊の近くには、「きせんのりば」や子規の句碑それに芭蕉翁の塚などが建てられています。
三津は江戸時代には松山の外港として栄えましたが、江戸時代の物流の主役は、移動のためのエネルギーが少なくて済む船でした。陸路では、牛や馬や、場合によっては人間が引く小さな車でしたから、どうにも効率が悪かったのです。現代では、鉄道貨物やトラックが物流の主役で、ガイヨウフェリーは脇役になり、軽くて価格の高い荷物は航空機で運ばれるようになりました。九州に半導体関連の工場が林立したのも、高価格で軽い半導体製品は飛行機で簡単に人口密集地に運べたからです。ネットが発達して、情報はもっと少ないエネルギーで長距離を移動できますが、情報だけでは人間のお腹は膨れないんですね。
三津浜は松山市内になり、80mの渡しは小さな船が往復していますが、松山市道扱いで500年の歴史のある渡し舟です。松山の市街地からバスや伊予鉄の郊外線で行くことができますが、伊予鉄の駅は三津の街並みからは若干離れていて、バスだと渡しの近くまで行ってくれます。実は筆者は渡し舟には乗り損ねましたが、伊予鉄で三津の次の港山まで行って、渡し舟で湾を渡り街並みを散歩するのが正解のようです。
古い町並みは、三津の渡しの南側に200m四方の半島状に湾の中に突き出たあたりが中心で、土蔵造りや板壁の家並が続きます。三津は古くから漁港として栄えたのですが、街並は商家のもので、格子や虫篭窓など、なかなか重みがある見ごたえのある街並みを形作っています。おそらく、松山藩の外港として流通を担う豪商が軒を連ねた名残ではないでしょうか。
三津の渡しは四角く突き出た半島の北東の角あたりにありますが、この近くには安土桃山時代に創建されたという西性寺があります。西性寺は本願寺派の寺院で開祖は滋賀県の生まれですが大阪府貝塚ゴボウを経て石山合戦の後に当地でお寺を作ったそうです。また、湾を挟んだ対岸には、海の守り神の湊三嶋大明神社の鳥居と社殿が見えています。瀬戸内海を横断して広島や山口、それに九州に向かう大型船は、三津の北の高浜観光港から発着していますが、三津の渡しの西側からも瀬戸内海を横断する小型の船が出ているようです。
この湊の近くには、「きせんのりば」や子規の句碑それに芭蕉翁の塚などが建てられています。
三津は江戸時代には松山の外港として栄えましたが、江戸時代の物流の主役は、移動のためのエネルギーが少なくて済む船でした。陸路では、牛や馬や、場合によっては人間が引く小さな車でしたから、どうにも効率が悪かったのです。現代では、鉄道貨物やトラックが物流の主役で、ガイヨウフェリーは脇役になり、軽くて価格の高い荷物は航空機で運ばれるようになりました。九州に半導体関連の工場が林立したのも、高価格で軽い半導体製品は飛行機で簡単に人口密集地に運べたからです。ネットが発達して、情報はもっと少ないエネルギーで長距離を移動できますが、情報だけでは人間のお腹は膨れないんですね。