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世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ムル国立公園のクリアウォータケイブは、入るとすぐに野球場が楽々入るほどの巨大空間が目に飛び込んで圧倒されます(マレーシア)

2023-10-29 08:00:00 | 世界遺産
 調査が進むと世界一の規模になりそうな鍾乳洞窟があるのがムル国立公園でした。前回は、ジャングルウォークとデア洞窟を紹介しましたが。今回は、ジャングルウォークという歩いてのアクセスではなく船に乗ってのアクセスが必要なウィンドケーブとクリアウォータケーブとを紹介します。

 
 
 この二つの洞窟は、ホテルの横を流れるクリアウォータ川を船に乗って洞窟のふもとまで行きますが、西表島で乗った仲間川の遊覧船を思い起こす景色です。周りを深い木立に囲まれた中を行き、船着き場に着くとそこから洞窟の入り口まで上って入洞します。特にクリアウォータケイブでは、船を降りるといきなり200段の階段を上らなければならず、くたびれます。また、洞窟の中も上り下りが激しくって、足に来るツアーになります。

 
 
 
 ウィンドケイブは名前の通り洞窟の中を始終風が吹いていて、観光コースには入っていませんでしたが、その後に行くクリアウォータケーブとつながっているそうです。洞内は鍾乳石のオンパレードで、ところどころに天井が開いて外交が射しています。日本の鍾乳洞ではあまり見かけない光景なので、外の緑が印象的です。これは、次のクリアウォータケイブでも、あちこちに空や緑が見えていて、妙に感動します。

 
 
 
 
 
 少し船に乗って次はクリアウォータケイブで、いきなりの上り階段です。そして、入洞したら、目の前には巨大な空間で、おそらく東京ドームよりも広いと思います。洞の入口は天井近くなので、そこから地の底に降りていく感じです。戻るときは降りただけ登りになるわけです。こちらの洞の中にはクリアウォータの名前の通りきれいな水の川が流れていてます。こちらにも鍾乳石はありますが、ウィンドケイブと違って巨大な空間に感動する洞窟のように思えます。広い空間を見学するのですから、入口までの階段程ではありませんが、洞内のいたるところに上り下りがあり、外の階段より歩きにくく、油断できません。この洞窟は、現在のところ東南アジアで最長の洞窟と言われていますが、調査がまだ完了した暁には、世界最大の洞窟の一つになるかもしれません。

 
 二つの洞窟探検が終わると、船着き場近くでピクニック・ランチです。ツアー・コンダクターは弁当や飲み物、おやつまで船に積んで来ていました。泳げる人は、船着き場近くで水泳をしていましたが、筆者は足をつけてみただけでした。熱帯の川の割に冷たいのは、洞窟から流れ出た水も加わっているからでしょうか。

 クリアウォータケイブの調査が進んでいるとのことですが、どのような測定手法なのか興味があります。洞窟の中には電波は届きませんからGPSはつかえないでしょうし、トンネル工事などで使われるレーザビームによる測量は曲がりくねって、狭い空間もある洞窟では使いづらいでしょう。方うての三角測量をコツコツ積み上げるのでしょうか。おそらく、可能性の高いのはイナーシャナビゲーション方式(INS)の一種ではないかと思います。GPSも無く、地上の航行援助システムの乏しい頃はジャンボもほとんどINSの誘導のみでハワイまで飛んでいました。INSは加速度センサとコンピュータ、それにジャイロの組み合わせでできていて、現在の飛行機も、かつての装置より小型になったINSを積んでいるそうです。加速度を2回積分すると変位になるという原理を使いますが、センサもコンピュータも小型になって地震計にもこの原理が使われているようです。

灘五郷の魚崎郷と御影郷は酒蔵会社の記念館が多く、見学できる内容も多くて、楽しみいっぱいで、お酒をたしなむ方はもっと楽しいかもしれません

2023-10-22 08:00:00 | 日本の町並み
 宮水は西宮の水が語源ですが、灘五郷と呼ばれる地域は東西に広がっていて、西宮郷は東から二番目で、いわゆる灘の生一本と呼ばれるのは西にある残りの三つの郷が中心のように思います。今回はこれらの中から魚崎郷と御影郷を中心に紹介します。

 魚崎郷と御影郷は阪神電車の魚崎駅と新在家駅の南に広がる地域で、西宮郷は10の酒造メーカがありましたが、魚崎郷には4つ、御影郷には8つの酒屋さんがひしめいています。西宮郷と同じように、酒蔵の間に町並みがあるといった監事がします。西宮郷では酒蔵の中を見学できる酒屋はあまりなかったのですが、こちらには酒蔵が見学できたり資料を見ることができる酒蔵が8か所もあって、それも無料です。試飲コーナーも設けられているところがあり、こちらは有料のようですが、下戸の筆者には縁遠い存在です。西宮郷と同様にレストランがある処も多くあって、予約が取り辛いとのことでした。

 
 
 
 
 
 
 
 
 印象に残った酒蔵を紹介しましょう。魚崎駅の真南に位置する桜正宗は和建築の記念館でレストランやショップなどが中心です。桜政宗を西に住吉川を越えたところにあるのが菊正宗の記念館です。こちらも堂々たる伝統建築の記念館で、酒造りの様子を展示で学べるようになっています。2階には酒器のコレクションの展示もあって、 多くの時間を過ごせる空間です。菊正宗は直属の桶の製造工場を西隣に持っていて、事前予約が必要ですが見学可能だそうです。この菊正宗の本社ビルは記念館から西へ10分程で趣のあるレトロな洋館ですが、その入り口付近に嘉納治五郎生誕地の石碑があります。菊正宗や白鶴酒造の経営者である嘉納家とは親戚関係なのだそうです。

 
 
 
 
 嘉納家のもう一つの酒蔵である白鶴酒造の記念館は菊正宗の記念館と本社の間にあります。こちらの資料館も盛りだくさんで、昔の酒造りの様子を再現した展示がされていて、こちらは作業の様子がわかるように人形まで置かれています。麴室ものぞけるようになっていました。学生時代までを神戸で育った筆者としては、山を崩して海を埋め立てることしかしない文化的に貧弱な神戸市で、数少ない貴重な私立の美術館として白鶴美術館は記憶に残っています。

 
 
 
 
 
 菊正宗本社から北西に行くと灘吾郷酒蔵組合の看板のある建物があり、ショップやレストランがあるようですが、シャッターが降りていました、ただ建物の前には灘五郷のこもかぶりがずらりと積まれていました。さらに西に進み石や側の土手には昔の酒造りに使った井戸が再現されており、川を越えると福寿の酒心館があり、本格手にに食事のとれる料亭として有名です。国道を北に越えると処女塚古墳で万葉集にも登場する悲恋伝説の地です。そろそろ新西家駅が近くなってきましたが、最後は高嶋酒類食品の記念館ですが、甲南漬を作っている会社といったほうがなじみがあるかもしれません。甲南漬は奈良漬の一種ですが、灘五郷を控えるために原料となる酒かすが大量に手に入る地の利を生かした名産だったわけです。こうべ甲南武庫の郷と呼ばれるショップとレストランを兼ねた建物があります。これは旧高嶋家の住宅で登録文化財になっていて、レトロな洋館の中に和室もあってなかなか趣のある建物です。

 菊正宗の樽工場は見学できなかったのですが、近くにいらっしゃった従業員の方と雑談ができました。お酒の香りを左右する樽は重要ですが、吉野杉を使って樽までを自家製造する酒造メーカは珍しいとのことです。日本の樽は台形に面取りをした板を縦の並べて、それを竹のタガで締め付けて作りますが、西洋流は板の接する木口に凹凸の溝があって、これがかみ合うようになっているそうです。たしかに、こうすれば丈夫ですが、そのような小細工をしなくても、大きな樽を形作る日本の職人技術はすごいと思います。酒造りは、温度や湿度などをコンピュータで管理しているようですが、灘の生一本の味を決めるのは職人さんの知恵ではないかと思います。

名前の通りクールな町はベルニナ鉄道から氷河急行に乗り換えるだけでなく滞在してもよいエレガントな町です(スイス)

2023-10-15 08:00:00 | 世界の町並み
 富士山より高い場所まで歩くことなくロープウェイで連れて行ってくれるのが、モンブランのエギューユ・ヂュ・ミディでした。これだけの標高ですから、息が苦しくなるだけでなく、寒さも相当なものでした。コールドが付く地名があるかよくはわかりませんが、クールならばモンブランのずっと東のほう、スイスの東の端あたりにあります。今回は、世界遺産のレーテッシュ鉄道と氷河急行の接続点の駅があるクールを紹介します。

 
 クールは標高600mほどプレスール川埜右岸にある周りを山に囲まれたスイス最古といわれる静かな町です。600mという標高は、暑くも寒くもなく、まさしくクールな環境のようです。イタリアのテラーノからレーテッシュ鉄道のベルリナ線に乗って2253mの山越えでクールに向かうて地の底に降りていく感じがします。クールから西に向かう氷河急行(急行とは名ばかりの遅い電車で休行と行ったほうがいいかも)はプレスール川と合流後のライン川に沿って、しばらくは標高を下げますが、やがてフルカ峠に向かって標高を上げていきます。ちなみにベルニナ線は動力分散で70‰の急坂を粘着方式で走ってますが、氷河急行は機関車方式でラックレールを使ってます。

 
 
 この谷底のような町からロープウェイに乗ると標高2200mほどあるプラムブリュエシュ山に上れます。取り立てて見るべきものはなさそうですが、高原の気持ちよさと、高台からクールの町を見下ろす眺望がきれいです。ロープウェイ乗り場は駅の南のさほど遠くないとこrですから、時間があれば寄り道をしてもよいところです。

 
 
 
 さて、クールの町並みです、駅に続くバーンホフ通りを100mも歩けば旧市街で、エレガントな町並みが広がっています。市庁舎は15世紀に建てられたクリーム色で現役です、どこかの国のように再開発の名目で破壊されることはなかったようです。壁にライオンなどが描かれているホテルもありました。天を突くようなとんがり屋根の時計塔を持つのが聖マルティン教会で、8世紀に創建の教会が15世紀に大火で焼失して再建された建物です。州内にある最大の後期ゴシック建築の一つだそうです、手前のアーチ状の門の向こうにそびえるさまは、なかなか絵になります。紹介した施設以外にも、レーテッシュ博物館や大聖堂などもあって、鉄道の乗り継ぎだけにはもったいない町の一つです。

 クールの東20km程の山の中にダボスという町があります、ラントクアルトからベルニナ鉄道の線路も伸びている町です。ダボス会議と呼ばれる世界経済フォーラムの年次総会が開かれることで有名な人口が1万人程度の小さなリゾート地です。国家元首くらいのそうそうたるメンバが集まります。他の国際会議のように結論が出されることはありませんが、議論されたことは、政治経済に大きな影響を与えるといわれています。科学者は参加していないようですが、最近は気候変動も重要な議題の一つで、話し合われたことは、科学分野やIT産業にも影響を与えそうです。IT分野でのこのような国際会議はあまり聞かないのですが、世界を牛耳る少数の企業の都合だけが通る状況では、議論にはんばらないのかもしれません。

灘五郷の最も東にある西宮郷のある阪神西宮駅の南側は、酒造工場の中に民家がある感じがする酒屋さんだらけの町です

2023-10-08 08:00:00 | 日本の町並み
 1970年開催の万博会場となった場所は、当時の大阪市長の先見性ゆえに再開発という名の自然破壊を免れて緑豊かな万博記念公園となっています。大阪万博は日本最初の万国博覧会でした、日本が最初に参加した万国博覧会は1878年に開かれた博覧会でパリでの開催3回目でした。ちなみに、エッフェル塔は、その11年後に開かれたパリ4回目の万博でした。日本の最初に参加したパリ万博では日本村が作られ、その中で日本酒が展示されたそうです。今回は、その時に展示された日本酒の銘柄の白鹿酒造がある灘五郷の一つの西宮郷周辺を紹介します。

 
 
 西宮郷は、阪神電鉄の西ノ宮駅から南に海に向かって広がっています。パリ万博に出展の白鹿酒造は西寄りで、十日えびす福男で有名な西宮神社の海より1kmほどにあります。東西に走る道路の臨港線を挟んで、北側に白鹿クラシックというレストランと博物館の酒造館、南には博物館の記念館と旧辰馬喜十郎邸があります。旧辰馬邸は明治中期に建てられた疑似洋館で、神戸の居留地に建てられた洋館に似せて作られたそうで県指定文化財に指定されています。白鹿酒造は典型的な同族経営の会社で、現在も状況は変わりません。それに一族から西宮市長を二人も輩出し、西宮一帯を支配しているように見えます。

 
 
 白鹿クラシックを北に行くと、同じ白の付く酒造会社の白鷹の緑水苑があります。なかなか趣のあるレストランのようです。

 
 
 白鷹の工場はさらに北側にあり、通り越してちょっと東に入ると宮水発祥の地で石碑が建っています。現役の宮水の井戸群は、1ブロック東の宮水庭園で、白鹿、大関それに日本盛りの井戸があります。

 
 
 その日本盛は、宮水庭園の南側の通りを東に行き用海筋を南に1ブロック行って名前も酒造通りを東に150m程進み、通りの北側に工場とレンガ館があります。レンガ館は、なかなか趣があって内部には売店やレストランがあります。なぜか、吹きガラスの工房もあって、体験プログラムもあるようです。

 
 
 元の用海筋に戻って阪神西宮駅は北へ1km程ですが、線路を北側に通り越して海清寺に寄り道します。14世紀に創建の禅寺で、境内には県指定天然記念物の樹高35m程もある大楠がそびえています。西隣には西宮市役所、北側には阪神国道、南には阪神電車が走るという喧噪な環境ですが、なぜか境内は静まり返った別世界の様子です。

 宮水は西宮の水が転化したもので、宮水発祥の地埜付近に湧出する酒造りに適した塩分を少し含む硬水です。カルシュウムやカリウムなどのミネラル分が麹や酵母の栄養となって発効を促進し、アルコール度数のやや高い辛口の男酒を生むとされています。一方、伏見や広島の西条などではミネラル分の少ない軟水でお酒が作られ、発酵が穏やかで飲み口の柔らかい女酒を生むといわれています。この軟水から極限まで不純物を取り除いたものが超純水と呼ばれるもので、ITを支える半導体素材のシリコンウェハの洗浄などで欠かすことのできない存在です。ところで、メートル法では4℃の純水1リットルの質量を1kgと定義しました。しかし、よくよく調べてみると、純水といえども微妙にばらつきがあり、パリにあるキログラム原器の質量を1kgとしました。しかしこれとても不変ではなく、最近になってプランクの定数を使った定義に改められました。

ムル洞窟のDeer Caveは洞窟の誇大さだけでなく、洞窟までのジャングルウォークはナイトウォークもあってなかなか楽しい経験ができます(マレーシア)

2023-10-01 08:00:00 | 世界遺産
 中国の龍門遺跡には岩盤にへこみを作り、その中にかたい岩を掘りこんで細かな細工の仏像の彫刻が残されていました。中国三大石窟の中でも、最もきめの細かな石仏が残ったのもかたい岩盤ゆえだそうです。いっぽう、やわらかい岩盤は風雨によって浸食され、人工で彫られた彫刻なども凹凸が分からなくなります。砂岩などもろい岩だけでなく石灰岩などでは雨に含まれる炭酸ガスのために徐々に溶かされ、長い年月の間にカルスト台地や鍾乳洞ができます。2月にこのブログでベトナムのフォンニャ洞窟群を紹介しましたが、今回はその洞窟を越える規模があるかもしれないと言われるマレーシアのムル洞窟群を2回に分けて紹介します。

 ムル洞窟軍は、マレー半島とボルネオ島に跨るマレーシアのボルネオ島の北部中央やや東に位置します。海岸からは離れていて、北にある海との間には天然ガスの輸出国として有名なブルネイがあります。周りをジャングルに禍根れ、観光はマレーシア2番目の大きな都市であるコタ・キナバルからプロペラ機で50分程の小さな空港が起点になります。飛行場の周りに数件のホテル等や土産物屋位があるだけで、この空港はムル国立公園への観光客の足として作られたという感じです。

 ムル観光は勝手に公園内に入ることはできず公認のガイドの引率が必要になります。そんなこともあって、現地旅行社の2泊3日の手配プログラムを利用しました。コタキナバルのホテルまでピッィアップしてくれて、戻ってくるときまで顎足つきでしたが、それなりに費用は掛かります。コタキナバルまではLCCでの往復でしたが、コタキナバルームルの航空券を含めて、その2倍ほどでしたが、それだけの値打ちのある3日間でした。ただ、このムル国立公園は、日本ではあまり知られていないようで、3日の間にあった日本人は1家族だけでした。

 参加したプログラムでは、ムルに着いた日の午後にジャングルウォークとDeer Caveとい洞窟に入洞します。2日目には2つの洞窟に入洞しますが、今回は初日の午後の部分を紹介します。

 
 
 
 
 ジャングルウォークは公園の管理事務所からDeer Caveの入り口まで片道3km程の行程です。事前の情報ではノビルに血を座れるとか毒虫に刺されるとか・・との注意がありましたが、木道が完備されていて快適に往復でき、西欧人などは半袖、半ズボンの人もいました。ガイドさんが同行なので、珍しい植物や動物についてその都度解説してくれますが、どうもガイドさんによって個人差があるようで、我々のガイドさんは物知りのようでした。西表島で見た木の根が板状になった木も見かけましたが、こちらの木はサキシマスオウノキではないのだそうです。また、葉の中央から花茎が伸びて花が付く草も見かけました。復路は日が暮れて、ヘッドランプも使っての歩きでしたが、カエルをはじめジャングルの中からいろいろな音が聞こえてきます。

 
 
 
 
 
 さてDeer Caveですが、入り口から入ると巨大な空間が待っています。高さが120mで幅が175mということは東京ドームのグラウンド部分がすっぽりと入ってしまう大きさです。様々な形の鍾乳石が内部を飾っていて、いちいち感動してもいられません。途中にはドリーネが陥没したような場所もあって、目に入る妙に青空や緑がきれいだったりします。洞内は結構上りくだりがあってくたびれますが、観光客が入れるところまでは往復1時間ぐらいだったでしょうか。折り返し点の先にも外部に通じているらしき穴があって、外光が差し込んでいました。

 
 このDeer Caveは蝙蝠のねぐらでねぐらになっていて数百万の蝙蝠が生息しているそうです。この蝙蝠たちが夕方になると餌を求めて一斉に飛び立つさまが見ごたえがあって、観光の目玉になっています。あたりが少し暗くなってきた6時過ぎに山の向こうから煙が立ち上るように蝙蝠の大群が飛び立っていきます。空に昇っていく龍の要にも見えます。この蝙蝠の飛翔を見てから3kmの路を歩いて戻るので、公園の入り口に着いたころは真っ暗になります。

 蝙蝠はほとんど目が見えないにもかかわらず、真っ暗な夜間に飛び回れるのは音波を使ったレーダーの能力を持っているからと言われています。餌となるのは小さな昆虫類の場合もあるのですからかなりの分解能ということになりそうです。人間がこの機能をまねたものが魚群探知機や潜水艦を探査するソーナーです。魚群探知機は餌の探索という共通項を持っているかもしれません。一方の、ソーナーは潜水艦の位置だけでなく、個体識別までできてしまうのだそうです。対潜哨戒機には音などの膨大なデータを抱えたコンピュータが積まれ、その消費電力だけでも大変なのだそうですが、所詮は人殺しの道具に過ぎない非建設的な産物です。