北京と杭州とを結ぶ長大な京杭大運河によって栄え、街中にも運河が引きこまれ多数の閘門が存在した町が中国の開封でしたが、世界遺産のミディ運河の閘門が駅の目の前にあるのがトゥールーズです。ミディ運河については、世界遺産編で紹介するとして、今回はトゥールーズの町の中を紹介したいと思います。
トゥールーズは、フランスの南西部のスペイン国境にも近い都市です。フランスで6番目の町ですが、大きな都市の中ではパリから最も遠い都市のひとつで、飛行機でも1時間半、TGVでは5時間もかかります。エアバス社の工場があり、かつてはコンコルドを、現在では世界最大の巨人機であるA380を組み立てている都市として有名です。工業都市としての顔を持つ反面、多くの大学がある学園都市として、またミディ運河やサンティアゴ・コンポステイラ参詣路という世界遺産も擁しています。ローマ時代にさかのぼる古い歴史を持っており、町そのものが文化遺産に登録されても不思議ではないような町です。

教会や美術館などが立ち並ぶ町並みは、トゥールーズ駅の南西の2km四方ほどに広がっています。駅を出てミディ運河を横切り、
駅に直角の通りを1kmほど西南西に行くと、

博物館のような外観の図書館があり、そこからレンガ色の町並みを行くと、

サンセルナン・バシリカ聖堂の透かし彫りの鐘楼が目に飛び込んできます。レンガによるロマネスクの聖堂で、サンティアゴ・コンポステイラ参詣路の一部として世界遺産に登録されています。

南西方向に曲がって少し行くと市庁舎で、外観も美しいのですが、内部に描かれた壁画も、これが市庁舎かとびっくりします。つくずく、やたらとコンクリートの箱を新設したがる日本の役所の味気なさにがっかりします。

その先には、ジャコバン修道院のレンガ色の建物が見えてきます。こちらは、サンセルナンより少し新しいゴシック建築ですが、内部の支柱の上部に多数のはりが広がり、あたかもやしの木のように見えることで有名です。内部にある回廊の連続アーチや、中庭の先にそびえる多角形の鐘楼もみごとです。

これらの他に、ステンドグラスの美しいサン・テティエンヌ聖堂、ガロンヌ川に面したオテル・デュー病院、

豪商の館を使ったバンベルク財団美術館、修道院の建物を使ったオーギュスタン博物館など、これでもか・・と言うくらい街中にレンガ色の建物があふれています。

おまけに、ガイドブックには載っていないような、普通の建物にも外壁に綺麗な彫刻があったりして、時間がいくらあっても足りません。こんな町に、航空機の工場もあって、50万近い人が住んでいるとは驚きです。
エアバスで思い出すのは、名古屋で起きた中華航空機の墜落事故です。A300の自動操縦プログラムと、パイロットの手動操作とが競合して失速墜落、パイロットを含む264名が犠牲になった、わが国で2番目に犠牲者数の多い事故でした。エアバスは、コンピュータ制御を大々的に取り入れた最初の旅客機でしたが、パイロットがその動作を認識できていなかったための悲劇です。システムにはフェールセーフ、つまり、おかしなことが起こったら安全側にシステムを誘導する、という考えで設計が行われます。しかし、あらゆる場面を想定したフェールセーフのシステム設計は、システムが巨大化していく中で困難を極めるのでしょう。
トゥールーズは、フランスの南西部のスペイン国境にも近い都市です。フランスで6番目の町ですが、大きな都市の中ではパリから最も遠い都市のひとつで、飛行機でも1時間半、TGVでは5時間もかかります。エアバス社の工場があり、かつてはコンコルドを、現在では世界最大の巨人機であるA380を組み立てている都市として有名です。工業都市としての顔を持つ反面、多くの大学がある学園都市として、またミディ運河やサンティアゴ・コンポステイラ参詣路という世界遺産も擁しています。ローマ時代にさかのぼる古い歴史を持っており、町そのものが文化遺産に登録されても不思議ではないような町です。


教会や美術館などが立ち並ぶ町並みは、トゥールーズ駅の南西の2km四方ほどに広がっています。駅を出てミディ運河を横切り、
駅に直角の通りを1kmほど西南西に行くと、


博物館のような外観の図書館があり、そこからレンガ色の町並みを行くと、


サンセルナン・バシリカ聖堂の透かし彫りの鐘楼が目に飛び込んできます。レンガによるロマネスクの聖堂で、サンティアゴ・コンポステイラ参詣路の一部として世界遺産に登録されています。


南西方向に曲がって少し行くと市庁舎で、外観も美しいのですが、内部に描かれた壁画も、これが市庁舎かとびっくりします。つくずく、やたらとコンクリートの箱を新設したがる日本の役所の味気なさにがっかりします。





これらの他に、ステンドグラスの美しいサン・テティエンヌ聖堂、ガロンヌ川に面したオテル・デュー病院、


豪商の館を使ったバンベルク財団美術館、修道院の建物を使ったオーギュスタン博物館など、これでもか・・と言うくらい街中にレンガ色の建物があふれています。


おまけに、ガイドブックには載っていないような、普通の建物にも外壁に綺麗な彫刻があったりして、時間がいくらあっても足りません。こんな町に、航空機の工場もあって、50万近い人が住んでいるとは驚きです。
エアバスで思い出すのは、名古屋で起きた中華航空機の墜落事故です。A300の自動操縦プログラムと、パイロットの手動操作とが競合して失速墜落、パイロットを含む264名が犠牲になった、わが国で2番目に犠牲者数の多い事故でした。エアバスは、コンピュータ制御を大々的に取り入れた最初の旅客機でしたが、パイロットがその動作を認識できていなかったための悲劇です。システムにはフェールセーフ、つまり、おかしなことが起こったら安全側にシステムを誘導する、という考えで設計が行われます。しかし、あらゆる場面を想定したフェールセーフのシステム設計は、システムが巨大化していく中で困難を極めるのでしょう。