領有権のある台湾からより、かつて戦闘を交えた中国からの方が近い島が金門島でした。金門島からは台湾は見えませんが、中国のアモイははっきりと見えます。この距離でドンパチやったら大変だっただろうとおもいます。
金門島は緑が多くて、のどかな島ですが、隣の中国のアモイは高層ビルが立ち並ぶ300万人を擁する都市で対照的です。今回は、アモイの島の主として南部を紹介します。
アモイという地名は、ラジオの気象通報で観測点の一つと言えば聞いたことがある方も多いかもしれません。学校の地学の時間に、気象通報を聞きながら天気図を書く練習をされた方だと、場所も分かるかもしれません。上海と香港の間の香港寄りで、台湾の台中の対岸といったあたりにあります。日本からは全日空と厦門航空とが直行便を飛ばしていますが、香港や上海と比べると便数も少なく街中で日本人を見かけません。かといって、香港や上海から地上移動は、高速鉄道で深圳まで3時間半くらい、上海までは6時間以上のようです。アモイ市は、島の部分だけでなく大陸部分の方が広く、地下鉄も海峡を渡って大陸部分まで延びていますが、人口の中心は島の方で空港も島の北端部にあります。島には2つの行政区があり南部の思明区に人口が集中し高層ビルや商業施設があります。
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この島の南部の最南端に近い小山の上にあるのが胡里山砲台です。19世紀のアヘン戦争の時に造られたものですが、当初の大砲は据えられた方向にしか打てないため、大砲の向いた横の方向から攻めてきたイギリスに大敗したそうです。これに懲りて、ドイツから砲身の方向が回転するクルップ砲をドイツから輸入しましたが、試射を除けば撃ったのは日本の軍艦向けの1発のみとのこと。1990年代までは一般人は立ち入ることはできませんでしたが、現在は金門島をも望めるピクニック地になっています。
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胡里山砲台への途中の五老山の南麓にあるのがアモイ切手の古刹の南普陀寺で、千年以上の歴史があるようですが、たびたび破壊を受けて現在の建物は20世紀初頭の再建です。境内は思いのほか広く3万㎡ほどで東京ドームの客席を含めた広さ程度です。中国の方々の観光コースになっているらしく、おびただしい観光バスが駐車場を埋め、境内も人だらけですが、日本人には会いません。世界遺産のコロンス島の日光岩の麓でも見た岩に書かれた巨大な「佛」の文字は清時代の僧侶のものだそうです。観光寺院化しているようにも見えますが、僧侶の教育機関としても機能している現役寺院の一つです。
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五老山の西麓に広がるのがアモイ園林植物園で、広さはなんと2.3㎢もあり、神戸の六甲山の西の山の中にある森林植物園の1.5倍ほどの広さということになります。山の中の植物園ではなく、市街地のそばにこれだけの広さの植物園を作ってしまうのは中国らしいのかもしれません。とてもこの広さを歩き回るのは大変で、西に面した入り口から入って、多肉植物やサボテンの植えられたあたりまでが限界です。これは、広さだけでなく入り口からず~っと上りになるからです。行儀よく見本市のように植物が並んでいるのではなく、自然の森のような形が多いのは神戸の森林植物園と似ていますが、菊人形のような作りでブーゲンビリアの花で作られた動物もありました。多肉植物のエリアは、サボテンや多肉植物を行儀よく集めれた地区で、ボリュウムもあって見ごたえがあります。
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この植物園の西側に広がる商業地が中山路で、その入り口あたりにあるのが中山公園です。東西200m、南北500mほどの都市公園ですが、中国のほかの公園でも見られるように、太極拳をやる人、音楽を奏でる人、それに旗を持って踊る人など日本の公園とはちょっと雰囲気が違います。
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中山路は公園から西に行ったところで、レトロな白いビルが立ち並ぶ商店街です。中国風の門があったり、ビルの壁面や屋根に中国風の庇や屋根が乗っていたりしますが、ちょっと中国を忘れる風景です。ただ、土産物屋に入ると巨大な魚の干物がぶら下がっていたりで中国らしさも感じます。
気象通報の観測拠点としてアモイの地名を聞いた方も多く、天気図を描かれた方もいらっしゃるかもしれません。かつての天気図は、気象通報で読み上げられる観測点から人手によって描かれていて、地表部の現状を表すものだけだったのでしょう。現在では、地上の固定観測点のデータだけでなく、船舶などからの意カンソクデータや気象衛星からのデータを使って描かれています。もちろん、地表の現状だけでなく、高層の天気図や48時間後の予想天気図も作られています。これらは、コンピュータにより過去のデータも利用した高度な予測によるもので、天気予報のロジックと同じようなものと思います。ただ最近の天気予報は、スパコンを使う割には当たらないようで、人間の感の方が当たるような気もします。
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アモイという地名は、ラジオの気象通報で観測点の一つと言えば聞いたことがある方も多いかもしれません。学校の地学の時間に、気象通報を聞きながら天気図を書く練習をされた方だと、場所も分かるかもしれません。上海と香港の間の香港寄りで、台湾の台中の対岸といったあたりにあります。日本からは全日空と厦門航空とが直行便を飛ばしていますが、香港や上海と比べると便数も少なく街中で日本人を見かけません。かといって、香港や上海から地上移動は、高速鉄道で深圳まで3時間半くらい、上海までは6時間以上のようです。アモイ市は、島の部分だけでなく大陸部分の方が広く、地下鉄も海峡を渡って大陸部分まで延びていますが、人口の中心は島の方で空港も島の北端部にあります。島には2つの行政区があり南部の思明区に人口が集中し高層ビルや商業施設があります。
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この島の南部の最南端に近い小山の上にあるのが胡里山砲台です。19世紀のアヘン戦争の時に造られたものですが、当初の大砲は据えられた方向にしか打てないため、大砲の向いた横の方向から攻めてきたイギリスに大敗したそうです。これに懲りて、ドイツから砲身の方向が回転するクルップ砲をドイツから輸入しましたが、試射を除けば撃ったのは日本の軍艦向けの1発のみとのこと。1990年代までは一般人は立ち入ることはできませんでしたが、現在は金門島をも望めるピクニック地になっています。
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胡里山砲台への途中の五老山の南麓にあるのがアモイ切手の古刹の南普陀寺で、千年以上の歴史があるようですが、たびたび破壊を受けて現在の建物は20世紀初頭の再建です。境内は思いのほか広く3万㎡ほどで東京ドームの客席を含めた広さ程度です。中国の方々の観光コースになっているらしく、おびただしい観光バスが駐車場を埋め、境内も人だらけですが、日本人には会いません。世界遺産のコロンス島の日光岩の麓でも見た岩に書かれた巨大な「佛」の文字は清時代の僧侶のものだそうです。観光寺院化しているようにも見えますが、僧侶の教育機関としても機能している現役寺院の一つです。
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五老山の西麓に広がるのがアモイ園林植物園で、広さはなんと2.3㎢もあり、神戸の六甲山の西の山の中にある森林植物園の1.5倍ほどの広さということになります。山の中の植物園ではなく、市街地のそばにこれだけの広さの植物園を作ってしまうのは中国らしいのかもしれません。とてもこの広さを歩き回るのは大変で、西に面した入り口から入って、多肉植物やサボテンの植えられたあたりまでが限界です。これは、広さだけでなく入り口からず~っと上りになるからです。行儀よく見本市のように植物が並んでいるのではなく、自然の森のような形が多いのは神戸の森林植物園と似ていますが、菊人形のような作りでブーゲンビリアの花で作られた動物もありました。多肉植物のエリアは、サボテンや多肉植物を行儀よく集めれた地区で、ボリュウムもあって見ごたえがあります。
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この植物園の西側に広がる商業地が中山路で、その入り口あたりにあるのが中山公園です。東西200m、南北500mほどの都市公園ですが、中国のほかの公園でも見られるように、太極拳をやる人、音楽を奏でる人、それに旗を持って踊る人など日本の公園とはちょっと雰囲気が違います。
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中山路は公園から西に行ったところで、レトロな白いビルが立ち並ぶ商店街です。中国風の門があったり、ビルの壁面や屋根に中国風の庇や屋根が乗っていたりしますが、ちょっと中国を忘れる風景です。ただ、土産物屋に入ると巨大な魚の干物がぶら下がっていたりで中国らしさも感じます。
気象通報の観測拠点としてアモイの地名を聞いた方も多く、天気図を描かれた方もいらっしゃるかもしれません。かつての天気図は、気象通報で読み上げられる観測点から人手によって描かれていて、地表部の現状を表すものだけだったのでしょう。現在では、地上の固定観測点のデータだけでなく、船舶などからの意カンソクデータや気象衛星からのデータを使って描かれています。もちろん、地表の現状だけでなく、高層の天気図や48時間後の予想天気図も作られています。これらは、コンピュータにより過去のデータも利用した高度な予測によるもので、天気予報のロジックと同じようなものと思います。ただ最近の天気予報は、スパコンを使う割には当たらないようで、人間の感の方が当たるような気もします。