世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

居倉の並ぶ吉井の居倉の館にある巨大な神棚は宙に浮いているようでした

2017-07-02 08:00:00 | 日本の町並み
 かつての交通の要所に、白漆喰の居倉造りの町並みが続いているのが佐賀県の塩田津でした。居倉造りは、収蔵庫として建てられる土蔵を、延焼を防ぐために住居として使ったもので、居倉が並ぶ町並みは重厚感があります。いくつかある、居倉の町並みの中から、今回は福岡県の吉井町を紹介します。

 
 
 吉井町は、福岡県の南東部、現在は、うきは市の一部となっています。最寄り駅は久大線の築後吉井駅で久留米から東へ26kmあまりで、居倉造りの町並みは駅の北東600~700mほどのところを東西に広がっています。吉井は日田街道(築後街道)の宿場町として、また付近の農産物の集散地として栄えました。現在残る居倉の連なる町並みは、江戸から明治にかけて大火を受けて自己防衛のために豪商が建てた名残のようです。現在日田街道は国道210号線となり、居倉の多くは、旧街道であった国道沿いに残されています。この国道は、さほど幅員は広くありませんが久留米と大分を結ぶ国道ゆえ大型車も通ります、川越ほどではありませんが、古い町並みに車は不似合いです。


 居倉の数は減りますが、国道から200mほど北に行くと倉敷の美観地区を思わせる南新川があり、この流れに沿って趣のある家並が広がります。これららの古民家群の中で、鏡田屋敷と居倉の館は公開されていて内部が見られます。また、t観光案内所になっている土蔵は食事もできましたが現在は閉店されたようです。

 
 
 鏡田屋敷は、正面は江戸後期に建てられ、明治になって建て増しをされて官舎として使われた建物です。急な階段があったり、綺麗な庭があったり、その生に井戸もありました、それにガイドのおばさま方のしゃべり口にも乗せられます。

 
 
 居倉の館は、明治に建てられ大正期に建て増しをされた銀行家の建物です。こちらも広い庭園や、その中に井戸があります。こちらの階段は急な箱階段でした。神棚のある部屋は2階まで吹き抜けで、1階の鴨居の位置に大きな神棚が祭られて居ました。神棚の下には、町の方が作ったという色とりどりの獅子頭が並んでいました。

 土蔵は、川沿いのから北へ少し入ったところ、かつての酒蔵を転用して観光案内所として使われているようで、お土産屋さんなどもあり、かつては食事もできました。上部を白漆喰で、下部をなまこ壁とし、まさしく絵にかいたような土蔵です。

 土蔵造りの主役は漆喰です。石灰を主原料とした壁材は、防火目的だけでなく、色々なメリットが見直されているようです。固まる時には炭酸ガスを吸収し、固まった後も電子顕微鏡レベルの無数の穴があって、壁が呼吸をするそうです。このため、湿度の調整や招集にも役立つようです。また、光センサなどを使った研究では、コンクリートなどに比べて、可視光に対しては反射率が高く、赤外線の放射率も高いとのことです。土蔵の中が、夏の暑いときにも涼しく感じるのはこのためのようです。


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