草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

天下の大勢に背向けた中野の『TPP亡国論』は正論なり!

2013年03月20日 | 思想家

 中野剛志が『TPP亡国論』で主張していることは、今の私が毎日ブログで言っていることと、ほぼ同じだ。中野は「おわりに」において、反対派にとっては不利な状況であり、抵抗することは無謀であるのは、あらかじめ予知していた。「戦後日本の歴史において、政府が強く推進し、産業界が全面的に賛成し、大手新聞やテレビがこぞって支持し、アメリカが背後にる政策をひっくり返したという例を、私は知りません」と書いていたからだ。楽観的な見方は全くしていなかったのである。しかし、それでいて、中野が言論戦を挑んだのは、TPP賛成派の論理があまりにもいい加減であったので、あえて異議を唱えたかったのだろう。世界の成長を取りこむといいながら、実際は日米交渉の延長でしかない。中野のすごいのは、落とし所も準備していた点だ。幕府が「避戦・開国」あったのに対して、明治政府は「攘夷・開国」を選択した。明治政府は国益を死守するために、攘夷のパトスを手放さなかったのである。中野は攘夷の気概を持つことを説いているのだ。いうまでもなくそれは、アメリカ頼みの安全保障から、一日も早く脱却することである。国家として対等な関係を築くことが前提であって、TPPへの参加などは論外なのである。マスコミの世論調査によれば、圧倒的に国民はTPP交渉参加に賛成しているらしいが、攘夷のパトスなくしてどう国益を死守できるのだろう。その観点からすれば『TPP亡国論』は、今もって正論なのである。

 
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開国は攘夷のための実力をたくわえる手段であるべきだ!

2013年03月20日 | 政局

 私がTPP交渉参加に反対するのは、日本は一日も早く戦後レジームから脱却すべきだ、との思いがあるからだ。安倍晋三首相は、現段階では日米同盟を優先せざるを得なかったのだろう。これまでの発言を聞く限りでは、それいけどんどんではなかったはずだ。TPPの問題点は、関税が撤廃されることだけではない。それ以上に非関税障壁が問題なのである。世界基準に合致しなければ、改めさせられるのである。保険にしても、アメリカは高額診療をカバーすると評して、民間の保険会社の金儲けがまかり通っている。金持ち貧乏に関係なく、誰もが同じ診療を受けられる日本とは、考え方や制度が異なるのである。吉田松陰らによって唱えられた一君万民の思想が脈々と息づいてきた日本は、ある意味で平等の社会である。祖国防衛のための大東亜戦争が、アメリカの太平洋戦争史観、ソ連や中共の帝国主義戦争史観、抗日戦争史観によって歪められた。それと同じように、外圧によって日本人が拠り所としてきた国柄が維持できなくなる。それがTPPの一番の問題点なのである。しかし、林房雄が『大東亜戦争肯定論』のなかで明治維新に触れ、上山春平の「開国は、攘夷のための実力をたくわえる手段に他ならなかった」という言葉を引いているように、国益を重視する「長期的戦略」があれば、それはまた別である。私は最後の最後まで、安倍首相には「長期的戦略」があると信じたい。


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