日本は滅びるしかないのだろうか。TPP交渉への参加を決断した安倍晋三首相は、どうしてアメリカへ屈服したのだろう。軍事的に中共に脅かされたことで、アメリカ寄りにならざるを得なったのだろうか。攘夷を叫ばずして、膝を屈するほど惨めなことはない。謀略論に与するわけではないが、これで中共がおとなしくなって、尖閣諸島から手を引くことになれば、米中が示し合わせたことになるのではないか。アメリカニズムに打ち負かされた日本が、どうして国柄を維持できよう。今回の決断は、昭和20年8月15日の再来ではないか。国の安全保障をアメリカに委ねてきた結果が、このざまなのである。自分の国を自分の力で防衛できず、外国の軍隊が駐留している国に、交渉力などあるわけがない。アメリカ様の言いなりになるだけではないか。三島由紀夫は林房雄との対談において「攘夷のなかにいちばん改革のエネルギーが深く装填されている。それが明治維新の最大のアイロニイで、それが日本人だという、いちばん簡単にいうとそういうものを感じる」(『対話日本人論』)と語っていた。今回の決定のどこが駄目かというと、アメリカに心許してしまっていることだ。国益で衝突するという視点が抜け落ちている。幕末期の日本にあっては、開国即攘夷であり攘夷即開国なのである。攘夷の精神がなければ、日本はボロボロになるだけであり、悔いを後世に残すことになるだろう。
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