草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

抑圧もある段階を過ぎると権力者は奴隷から崇拝される!

2013年03月23日 | 思想家

 中共や北朝鮮の体制が崩壊しないのはなぜだろう。一党独裁や個人崇拝の全体主義に支配されていれば、不満を抱いた民衆が立ちあがってよさそうである。しかし、現実はそうではない。シモーヌ・ヴエイユは「抑圧のある段階をすぎると、権力者はかならず自分の奴隷たちに崇拝される。絶対的な拘束をうけ、他者の玩具であるという考えは、人間にとって耐えがたい。したがって、拘束を逃れる方途が奪われている場合、おのれが拘束されているその状況をみずから完成させているのだと思いこむほか、選択の余地はない。いいかえれば、献身をもって服従にとってかわらせるのだ」(『ヴエイユの言葉』冨原眞弓訳)と書いている。人間の悲しい性癖を問題にしているのである。解放されるために闘うにしても、それすらもできなくなってしまうのだ。人間としての品格も否定されれば、それを容認したくないのが人間なのである。ヴエイユが語ることは、真実を突いている。目の前で起きていることに対して、的確な説明をしてくれる。共産主義というイデーが否定され、逆に抑圧を強化した悲しい事実を、ヴエイユは直視したのである。それが日本のサヨクとの大きな違いである。そして、求道者として自らに課したのは、清貧を旨とすることであり、飢えて死に瀕している不幸な人に対して、パンを与える喜びなのである。平成の世にあって、もう一度見直されるべきはヴエイユの思想ではないだろうか。


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アメリカニズムを批判していた保守派インテリの腰砕けを嗤う!

2013年03月23日 | 思想家

 日本の保守派の大半があっという間にTPP賛成になってしまった。中西輝政、八木秀次といった人たちでも、かつては反アメリカニズムを口にしていたのに、今どういう主張をしているのか、まったく聞こえてこない。安全保障上のこともあって、アメリカに楯突くことが損だと思っているのだろう。『保守は今何をすべきかー日本国家を回復するために』のなかで、二人は堂々の論陣を張っている。中西氏は「私も『アメリカとは仲良くしなくてはいけない』とは言います。しかしそれは価値観に関わるものとして言っているわけではないんですよね」と言い切っている。あくまでもアメリカを利用するのであって、物質偏重主義のアメリカニズムには与しないのだそうだ。そして、八木氏と二人して日本の農業を守るために、アメリカニズムの典型であるグローバリズムの危険性を説いていた。八木氏も「日本の場合、農業が美しい田園風景を築き上げてきましたから、農業が破壊されると、日本の国土の美しさといったものまで壊滅状態にされてしまうわけです。さらには、農村共同体、日本の心の故郷みたいな精神的なところまで駄目になる」と述べていた。しかし、そこまで断言していながら、二人がTPP反対の急先鋒ではないのはなぜだろう。保守派インテリといえども、何らかの国のポストを与えられると、その時点で黙ってしまうからだろう。左右を問わず信用できないのがインテリなのである。日本の国柄が破壊されようとしているのに、残念ながら反対の声を上げているのは、保守派インテリのうちのわずか一握りなのである。


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