能力的にも高く評価され、宏池会を背負って立つべき人材であった加藤紘一も、晩節は惨めなことになりそうだ。赤旗の取材を受けてヘラヘラ喋ったことを批判するのではない。小沢一郎が新自由主義のイデオロギーを振りかざし、加藤らを守旧派と決めつけたときには、あそこまで闘争心があったのに、どうしてそれを失ってしまったのだろう。トクアミクスの代弁者となって、中共ロビーになっていられないだろう。リベラルと煽てられて調子に乗るから、見当違いな行動をするのである。今の日本は戦後レジームからの脱却が急務である。自主防衛力も強化しなくてはならない。自分の腕を縛ってしまって、アメリカとの対等な関係もないだろう。どうして加藤は、保守の旗を降ろしてしまったのだろう。加藤は姜尚中との共著『創造するリベラル』で、竹中平蔵を名指しで批判した。「あの人がこの5、6年日本社会を悪い社会に変えちゃったな、と云う風に私は思っていますが、そのグローバリズムというのはアメリカから来た主義主張をそのまま受け取ること、経済活動において適応すること、基本はマーケットニズムにあることです」。新自由主義のグローバリズムを槍玉に挙げるのは私も同感だが、その後がずっこけている。「こうしたことから少し離れてみょうじゃないか、というのが今日的なリベラルだと思うんです」とぬけぬけと言ってのけたのである。どうして護憲勢力が新自由主義を押し返せるのだろう。国柄を守ろうとする保守だけが、新自由主義と真っ向から対決できるのである。
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