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Dickinson, "I taste a liquor never brewed"

エミリ・ディキンソン(1830-1886)
「この世にないお酒を飲んだ」

この世にないお酒を飲んだ--
ブリキのコップ、真珠のお酒--
フランクフルトのぶどうだって
こんなすてきなお酒にならない!

空に酔っぱらって--ひっく、わたし--
露に飲んだくれて--
もうふらふら--夏が終わらないって最高--
青い空であちこち飲み屋に入りびたり--

酔っ払いの蜂が
ジギタリスの花の店から追い出されてる--
蝶々は--もうお酒はやめよう、って--
じゃあ、わたしが飲んであげる!

天使が白い帽子を振ってる、雪みたい--
聖人さまは--窓のところ--
わたし見られちゃった、酔っぱらって
もたれてるのを--太陽に!

*****
Emily Dickinson, 1830 - 1886
"I taste a liquor never brewed" (214)

I taste a liquor never brewed –
From Tankards scooped in Pearl –
Not all the Frankfort Berries
Yield such an Alcohol!

Inebriate of air – am I –
And Debauchee of Dew –
Reeling – thro’ endless summer days –
From inns of molten Blue –

When “Landlords” turn the drunken Bee
Out of the Foxglove’s door –
When Butterflies – renounce their “drams” –
I shall but drink the more!

Till Seraphs swing their snowy Hats –
And Saints – to windows run –
To see the little Tippler
Leaning against the – Sun!

https://www.poets.org/poetsorg/poem/i-taste-liquor-never-brewed-214

*****
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薔薇と犬の歌

1. 赤い薔薇の歌

声はもう
出ないけど
歌ってる
歌ってる

ひとりで
歩けないけど
踊ってる
踊ってる

瞳は
光らないけど
見つめてる
見つめてる

唇は
動かないけど
キスしてる
キスしてる

赤い薔薇は赤い薔薇
美し朽ちる赤い薔薇
雨に香る赤い薔薇
夢に傷つく赤い薔薇

だから
もっと
ずっと
ぎゅっと
抱きしめて

だから
もっと
ずっと
いつまでも
そばにいて

*****
2. 青い犬の歌

遠吠え
するだけで
歌えない
歌えない

ひとりで
歩けるけど
踊れない
踊れない

瞳を
光らせて
下を見る
下を見る

裂けた口
長い舌
キスしたい
キスしたい

痩せ犬負け犬青い犬
孤独に朽ちる青い犬
雨打たれ誇る青い犬
夢溺れ沈む青い犬

だから
もっと
ずっと
ぎゅっと
抱きしめて

だから
もっと
ずっと
いつまでも
そばにいて

*****
1990
20190420-27

*****
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