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『ハケンの品格』

2007-02-17 20:05:54 | Weblog
 1月から3月クールで、毎週見ている数少ないドラマに、日本テレビ系水曜10時からの『ハケンの品格』があります。もうひとつは、『拝啓、父上様』ですが。

 篠原涼子(大前春子)というスーパー派遣社員が、毎週発生する無理難題を見事に解決するワンパターンな展開ですが、本音トークの脚本がいいです。

 

 バブル経済の崩壊が始まった頃、巨額な不良債権に喘いでいた企業を再建するのは、労働分配率を引き下げるしかないという考え方がありました。

 当時は、土地の価格が下がったり、銀行が倒産したり、労働者の賃金が下がるなどということが、誰しも現実のこととは思えない、そんな時代でした。

 今では誰でもイメージできる「リストラ」という言葉も、その後において使われるようになりました。企業は、終身雇用、年功序列という日本型雇用を投げ捨て、高齢社員の解雇、非正規雇用の拡大を進め、労働分配率の引き下げを強行しました。



 その事態に対して、労働組合は無力でした。労働組合は、正社員だけのための組合であり、その運動は、社会変革の展望なき、ただの「労働力高値販売同盟」にすぎないことが暴露されました。

 労組は、組織防衛を唯一の目標に、変化に対しては徹底的に「保守主義」で抵抗するだけで、組織率、社会的影響力を低下させました。



 『ハケンの品格』の篠原涼子の台詞から、なんだかんだ言っても、私たちは労働力を売っているという原点を今一度確認させられます。

 会社の経営に関与しているとか、自分は会社に無くてはならない人材、部下を「使う」という感覚、社内で力を持っている・・・篠原涼子は、「それは、全て勘違いですよ」といってくれています。



 

 

 

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