晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『日本文化における時間と空間』 その2

2011-09-02 21:00:21 | Weblog

 

 どこで食べたか忘れてしまったハヤシライス、あわただしい日々で、記憶の整理が雑になっています。

 

 日曜日は営業ですが、台風が近づいています。

 

 

 

 

 

 加藤氏は、日本人の特徴として集団指向性をあげる。「個人の意見が集団の利益・目標・雰囲気(感情的傾斜)と矛盾するときには、原則として常に集団の主張を優先する態度である。」(P224)この指向性を有する組織を「ムラ」とすると、「たとえば交易において、ムラ人相手では等価交換、外人(ソトビト)相手ではその場の力関係となる。」(P225

 

また、加藤氏は別のところで、ムラの内では、「共同体規則というか、村特有の慣習的規約の網の目に閉じ込められ・・」「実物経済が全体として支配的」である。また、「村内には貨幣を媒介とする市場経済がない」という。(P154)村人どうしが売買でなく、贈答するという。(P180

 

このようなムラが、1945年直後には存在していたことを、経済学者の大塚久雄、きだみのるらが証言している。

 

これらのことから、こんなイメージが湧く。

 

共同体内のルールは、構成員全員による討議(直接民主主義)で作られる。共同体の代表やそれぞれの役割は、教室での掃除当番のように変わり番にする。そこにヒエラルキーや利権は存在しない。構成員同士は贈与を以って必要なものを手に入れる。共同体内に市場経済の存在する余地はない。

 

権力とは無縁な社会、貨幣が不要な社会のイメージである。

 

 

 


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