晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

浜田寿美男さんのお話

2007-03-18 21:38:05 | Weblog
 昨日は、営業があったので、本日久々に屋外でラン。風が強く冷たく、そこまで来ていた春が遠ざかったかのようでした。



 奈良女子大学教授 浜田寿美男さんのお話を聞きました。浜田氏は、自白や供述調書の鑑定などを研究する法心理学や子どもの発達心理学などの専門家です。

 数年前、奈良で子どもが殺された事件がありました。犯人の小林某については、人格障害と言われていますが、一言で表すと、「人生を捨てている」という人だそうです。幼い時はひょうきんさもある普通の少年だったのが、10歳の時に母が死亡して以来、性格が変わったそうです。

 子どもの事件が多発し(犯罪は減少しているそうです。)、今、一斉に「子どもを守れ」というキャンペーンが行なわれているが、これは子どもに人間不信を教育している。また、世間には、変わっていると言われる者が非常に生きにくい、社会に排除の気分があるということです。



 子どもは、守られる存在ではない。昔は、生活者のひとりとして、家族の中で役割を担い、自信を得て、生きる力を蓄えていた。力を発揮して生きるという実感を持てた。

 では、力を身に付けて行くとは、何のために身に付けるのか。子どもは力を将来のために付けるのではない。今、力を使って生きることが重要なもだ。しかし、学校は、将来のために勉強すると言う。学んだことが、生活につながる感覚を持てない。

 

 私たちは、自分の体で、ここの今を生きている。手持ち力で生きている。出来ないことに対しては、手持ちの力をやりくりするしかない。その結果として、力ができてくるかも知れない。



 小一時間程の話でしたが、実物の浜田氏の身体から発する言葉として聞けたのは、氏の著作を何冊も読むよりも、実感として自分の中に残りました。


 「人間は、今持っている力で全力で生きるよりないのだから。」

コメント (2)
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