晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

太陽

2006-09-30 20:02:05 | Weblog
 本日札幌地区で封切りの、アレクサンドル・ソクーロフ監督作品「太陽」(2005)を観ました。

 敗戦直前のある日、地下壕の中で、天皇は神の子(現人神)という侍従に向かって、「私の体のどこに神の特徴があるというのだ、君達と変わらない」と言う。
 
 焦土の東京、多くの命が失われる。疎開先の皇后や皇太子たちを思う天皇。

 そして、敗戦、マッカーサーとの会見、神であることを止め、人間宣言をする決意をする。

 たまたま、生物として、その一家に生まれたことにより、運命が決定される。権力欲や野心から程遠い研究者気質を持っていても、権力の頂点に立たなければならなかった人間天皇の不幸。

 組織の上に立つ1代目は、努力も責任も含めてその人限りのものである。しかし、2代目、3代目は、周囲からは当然の期待を受けるが、本人の内面は表面的な姿と違うのではないだろうか。

 近年の政治家、企業、芸能、スポーツなどで世襲制の如く、親の跡を継承する者が目立つが、その見えない不幸は、天皇家に象徴されるのではないか。

 この国では、タブーに近い天皇を演じたイッセー尾形は熱演であった。



 
 ブログ開設6ヶ月、最近は何か書かなければいけないとの思いが強く、内容や言葉の質が低下していると反省。

 裏カウンターのアクセス数を気にして、大衆迎合的な話題に流れたこともある。例えば、「結婚できない男」などを書くと、驚異的なアクセス数に跳ね上がる。

 初心に戻って、批評精神を失わず、また、オリジナルな視点からリスタートしたい。




 

 
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