晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

辺見庸2

2006-06-24 20:31:05 | Weblog
 辺見庸に「ゆで卵」という作品がある。辺見氏が偶然
地下鉄サリン事件の現場に遭遇し、助けを求められた事実を描いた
作品。この中で、現実に起こったことと、伝わっていることの違和感を
描いているところがある。

 私も、その日、偶然日帰りで霞ヶ関付近に仕事があり上京した。
羽田に着いたのは、10時過ぎだから発生からは2時間程経過している。
空港内は、なにやら、やたらと私服がゴロゴロしていて、妙な雰囲気。
営団地下鉄は、全線でストップしているという。
何か、起こっているな。

 仕方ない、JRで新橋まで行って、後は徒歩だ。
新橋駅到着、道路に号外が散乱している。
見出しは、たしか「毒ガスか、多数の死傷者」だったと思う。

 霞ヶ関付近到着、あの東京消防庁のオレンジ色の作業服、
防毒マスクの職員が地下鉄の出口から出たり、入ったり。
テレビ局のカメラも一斉にその姿を追う。
しかし、通行する人への規制線もなく、野次馬もいない。
しばらく何が起きているのか見ていたが良くわからず。

 訪問先でも入り口で特に厳しい規制もなく、特に
大した事件でも無さそうな説明。

 帰路につくが、相変わらず消防庁や警察が現場検証を
やっている様子だったが、そう混乱も無くや大騒ぎでも無い。

 しかし、帰宅してからというもの、夕方のニュースは大事件
発生、現場からの緊迫した実況中継、そしてそのご連日のオウム報道。

 あの現場の静けさとマスコミの大騒ぎの違和感は、今も感じている。
それから、多くの大事件が報道されているが、現場の雰囲気と
報道のテンションはきっと違うのだろうと思ってしまう。












コメント (1)
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