馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

回腸盲腸重積

2021-04-23 | 急性腹症

朝、1歳馬の疝痛の依頼。

朝一の1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術と併行して診断し、開腹適応なら関節鏡手術が終わったら始めることにする。

1歳馬は小腸閉塞。完全膨満。

疫学的に回盲部の重積を疑う。

胃カテーテルを入れて、水を入れて、逆流させて胃を減圧する。

しかし、固形物が多くてあまり回収できなかった。

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某雑誌に「馬の疝痛」について書いてくれと頼まれているので、胃カテーテル操作の写真を撮った。

モデルさん達には、あんまり雑誌に載るという緊張感はないね;笑

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回腸が盲腸に入り込んでいる。

数十センチ入っていて、とても抜けそうにない。

重積部は温存して、回腸近位部を盲腸に側側吻合することになった。

並置して、

吻合する。

吻合部は広ければ広いほうが良いというわけではない。

広すぎると盲腸の内容が小腸へ逆流する。

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当歳秋から1歳馬の回盲部重積は葉状条虫症だと考えている。

当歳秋からあるので、夏過ぎには葉状条虫に効果を示す駆虫薬の投与が必要だし、

1歳のうちは回盲部重積がかなりあるので、けっこうな頻度で葉状条虫駆虫が必要だ。

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庭の隅のシデコブシが咲いた。

モクレンはまだだ。

山ではコブシが咲いているようだが、観にいけないでいる。

 



2 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2021-04-23 06:08:17
 出産シーズンでもあり、疝痛も重なる時期になってきたようですね。腸管の縫合は苦手でもうまくならずにはいられないでしょね。駆虫は漫然とではなく、適切にしないとですね。
 雑誌のモデルさん
 疝痛についてと所望されて胃カテとは
 
 マグノリアの季節。山ではまだ葉を展開していない広葉樹林に、遠目には点描画のように見える白。庭では香りも楽しめますね。たまらなく大好きです。
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>はとぽっけさん (hig)
2021-04-24 05:18:39
出産も疝痛開腹も4月が一番多いです。ずれててくれるほうがありがたいのですが;笑

マグノリアの花たち。花の季節に先駆けて咲いてくれるのもいいですね。
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