馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

外傷の季節

2020-03-18 | その他外科

馬房の中で中足骨部を怪我した2歳。

後肢の内側だし、全身麻酔して縫合する。

腫れているし汚れていたが、洗浄したらそれなりにきれいになった。

一部は骨膜も破れて、白い骨が見えている。

きれいに縫えたが・・・・・

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牧柵を突き破った1歳馬。

馬の裂傷としてはめずらしく直線状。

たいていはかぎ裂きになっている。もちろん、かぎ裂きより直線状の傷の方が癒合しやすい。

鎮静、鼻捻子保定、局所浸潤麻酔。

毛を刈って、傷を洗ってデブリドして、

あとはひたすら縫い物。

外傷治療、筋層縫合。獣医師4人がかりで50分ほどの治療だった。

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チフニーを着けたまま放馬して舌をひどく裂傷した2歳馬も来た。

それも立位、鎮静下、下顎神経ブロック、鼻捻子保定で縫合した。

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今日は、馬房の中で下顎切歯骨を骨折して切歯が抜けた1歳馬が来た。

外傷センターの様相だ。

春になって馬の動きも活発になっているのだろう。

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新型コロナウィルス感染の機会を減らすためには、濃厚接触を減らしたい。

北海道は、気をつければ人口密度の低さを生かせるはずだ。

 

 

 

 



2 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2020-03-18 21:31:59
 1例目の「が、、、」どうなんでしょ。
 2歳、1歳、毎年この時期の外傷が多いようですね。何かのスイッチがONになるのでしょね。OFFボタンもあるのでしょか?あ、鼻螺子もそういうこと?
 雪解けでどろんこかと思ったら意外にきれい。
 
 濃厚接触は、2m以内、会議など1定時間以上。だって。
北海道は、確かに人の居ないとこが広々と。でも、、、。
 短時間での検査もワクチンも治療薬も、もうすぐかな。予防はしなくちゃですね。
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>はとぽっけさん (hig)
2020-03-19 05:23:42
このブログには外傷縫合の写真がしばしば登場しますが、現実には癒合しないことの方が多いです。その「が・・・」です。

雨も降らないのがこの冬の特徴でした。ヘンな冬につづくヘンな春ですし、災厄の年になってしまいましたね。

過密になっている所へさらに集まって暮らそうとするのは生物としても間違っていて、脆弱で危険な社会を造ると思います。
ワクチンは簡単にはできないでしょう。効果、安全性、製造能力、と考えると、流行を抑え込むのに間に合うとは思えません。
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