馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

高齢乗馬の疝痛3日目

2016-10-11 | 急性腹症

疝痛を起こして、もう3日目になるという18歳の乗馬の診療依頼。

来院したら馬運車の中で立てない。激しく痛い。

血液検査で、PCV68%、白血球1980/μℓ、乳酸値10mmol/l。

口粘膜はチアノーゼがある。

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便秘との診断で、下剤も投与されているらしい。

「もう手術してもダメでしょう」

「あとは苦しむだけです」

ということで安楽殺することにした。

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こちらの興味で剖検した。

小結腸に有茎脂肪腫が巻きついていた。

巻きつかれた小結腸はすでに壊死している。

腹膜炎を起こし始めていたようだ。

有茎脂肪腫を一旦切り取って、閉塞を解いて、腸間膜をかぶっていた脂肪腫を裸にして置いた図。

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高齢馬では有茎脂肪腫による疝痛はかなりの率である。

直腸検査で、手が入っていかないとか、小結腸の膨満があるとかで、診断ができることが多い。

ガスも便もまったく出なくなるので、腹囲膨満がひどい。

治療は開腹手術しかない。下剤をかけちゃいけない。

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今日は、

当歳馬の寛跛行の診断。

1歳馬の食道閉塞後の食道狭窄の内視鏡検査。

2歳馬の腕節chip fractureの関節鏡手術。

4ヶ月の牛の腸閉塞の超音波検査。

合間に、韓国へ郵便出して、

業者に郵便出して、

メールであちこち連絡して、

CRの故障で電話して、

TVの不調で電気店と話して、

投稿論文の審査の回答をFaxで送って、

いくつかカルテを書いて、

何頭かの症例の相談に答えて、数頭の診療の依頼を受けて、数件の手術の予定を入れた。

あ、相棒とはフリスビーした。