馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

高波の日曜の夜の結腸捻転馬は腸間膜の奇形だった

2015-08-24 | 急性腹症

きょうからサマーセールで診療は閑。

きのう日曜日も診療予定ははいっていなかった。

夜になって繁殖雌馬の結腸捻転。

結腸の損傷は中程度。

右背側結腸の内容がひどく多くて、結腸全体を創外へ引き出せない。

先に骨盤曲を切開し、少しずつ胃状膨大部の内容を送り出して、前回りの捻転を整復しながら結腸を引き出した。

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この馬、結腸骨盤曲近くの腸間膜が広すぎる。

何度か経験があるのだが、こういう場合、腸間膜を縫い縮めても破れてしまう。

それで非吸収糸で背側結腸と腹側結腸壁を縫いつけた。

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小腸も膨満していたので、回腸から引き出してチェックする。

すると空腸の下部に腸間膜が二重についている部分があった。

メッケル憩室間膜の遺残だ。

これはしばしば小腸捻転の原因になる。

それで、小腸にまとわり付いている腸間膜を切除して正常な付着のしかたに直した。

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あとは新しいやりかたでcolopexyして終了。

日中楽したとは言え、日曜の夜の重労働だった。

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金曜の午後から台風の影響でひどく波が高い。

ズ~ンとひびいて、くだけた潮が飛んでくる。

防波堤が崩れて土嚢を積む作業を夜もやっている灯が見えていた。

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海岸が痩せるのはダム建設や砂防ダムと因果関係はないのだろうか・・・・・