馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

捻転去勢棒試用

2015-08-16 | その他外科

3歳競走馬、去勢を依頼された。

ただし、片側が陰睾のようだということで手術室で吸入麻酔を始めた。

鼠径部を触ると発育が少し悪い精巣があった。

鼠径部を切開し、精巣を引張り出して精索を結紮して切除。

さて、反対側はふつうの去勢方法で良いのだが、捻転式去勢でやった方が術後の腫れが少ないだろう。

それで、使ってみました豆作式捻転去勢棒!

3歳としてはふつうの大きさの精巣。

子牛用に作られた捻転式去勢棒だが、問題なく精索をひっかけられた。

やることはSTONE社の捻転去勢と同じ。

できるだけ精巣に近いところを保持し、引張らないように・・・・

捻れ切れるまで回す回す回す・・・

電動ドリルを使わなくても力がいるわけではない。

かえってスピードは完璧に調節できるし、捻れ具合と抵抗を確認しながら捻ることができる。

30回あまり回転させると精索が捻れ切れる感触が伝わってきた。

さらに回転させるとつながりが完全になくなった。

終了。

う~ん、これ成馬の去勢にも使えそうだ。

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赤クローバーが衰えてきたそこらあたりに盛んに白い花をつけている。

花が終わるとくるんと縮まって種をつける。

あ~でも名前も知らない。