馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

骨折馬のキャスト 2

2008-03-17 | その他外科

Photo 昨年のAAEPでコロラド州立大が立位の馬にどのようにハーフリムキャストを巻くかを講演している。

自然に立っている角度に球節以下を固定している。

蹄底は完全にキャストで覆う。

対側肢には、キャストをした肢と長さが合うように「下駄(elevated support limb shoe)」をつけている。

                           巻き方。

Photo_2 キャストしない肢を2×4の角材に乗せる。

キャストする肢は2×2の角材に乗せる(左)。

こうしておいてキャストを巻く。

最後に肢を持ち上げて蹄底も覆う!

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 発表者は自然に負重した肢勢にキャスト固定することで、キャストに伴う問題(キャスト擦れ、対側肢の蹄葉炎、etc.)などを減らせると考えているようだ。

角材に乗せておいて巻くので、ずっと肢を持ち上げて管骨(中手骨・中足骨)と指骨・趾骨が真っ直ぐになるように巻くより楽に巻けるかも知れない。

この場合も蹄底まで覆ってしまうことはポイントだと思う。蹄を出していては、負重が骨折部にかかってしまう。

蹄底を覆えば、荷重はキャストを通じて近位へ逃げていく。

しかし私は、骨折馬の応急処置としてはこの方法は推奨しない。

管骨(中手骨・中足骨)や指骨・趾骨に体重をかけさせないようにするためには、望ましくないからだ。

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Photo 対側肢に履かす「下駄」はこんな感じ。

木の板にプラスチック板を貼り付けたものを蹄にあわせて切り、それを木ネジで蹄にとめている。

この方法は慢性蹄葉炎の管理にも使えるようだ。

それはそれで、あらてめて紹介したい。

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今日は手術の執刀はなし。はア~楽だ。

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補充されるそうなのでチョッと待ってね!

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土曜の夕方、青木先生から電話。

「今、先生の母校の前を通ってますよ~。これから十三で飲み会です~。」

十三の夜はどうでしたか?

そう、私は18まで十三(じゅうそう)で育った。

プロフィールのhot, dirty, dangerous な街とは、知っている人は知っている十三です。

Machi11