真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「小悪魔の欲望 暴行体験」(1991『制服暴行魔 放課後狩り』の2013年旧作改題版/製作:新映企画《株》/提供:Xces Film/監督:新田栄/脚本:夏季忍/企画:伊能竜/撮影:千葉幸男/照明:渡波洋行/編集:酒井正次/助監督:青柳一夫/音楽:レインボーサウンド/監督助手:毛利安孝/出演:冴木直・高樹麗・白戸好美・石神一・工藤正人・久須美欽一・一の瀬まみ)。千葉幸男と併記される、撮影部チーフをロストする、手前のメモが読めん。企画の伊能竜は向井寛の、脚本の夏季忍は久須美欽一の変名。
 句読点やてにをはの類はあやふやだが、“この映画は都内世田谷で起きた一連の事件を元に構成し製作したものです”とするコンセプトを、字幕で言明してタイトル・イン。今作に限らず、思ひ出したやうにわざわざ取つてつけるといふことは、この手の謳ひ文句により煽情性を惹起される観客の存在が、一定数想定されてゐるからなのであらうか。個人的には別に興奮しはしないけれども、如何にも心の込められてゐない感じが、量産型娯楽映画的である意味麗しくもある。
 夜道を歩く制服姿の女子高生・池山涼子(冴木)に、セドリックが忍び寄る。顔をサングラスとマスクで一応隠した工藤正人が、涼子を薬で眠らせ拉致、非情の中出しレイプする。新映物産に勤務する黒崎明夫(石神)が、涼子のバイト先に電話を入れる。休んでゐたため、自宅にかけてみる。涼子はレイプされたとも当然いへずに、気丈に茶を濁す。新映物産社内、上司の木田政道(久須美)が、黒崎とこの人も新映物産社員・本多梨沙(一の瀬)との仲を気にかける。一人になつた黒崎に、梨沙が詰め寄る。何処でどう捕まへたのか、黒崎が女子高生の小娘に心を移したのを、何処でどう辿り着いたのか梨沙は知つてゐた。
 配役残り高樹麗は、黒崎が木田の指示で会ふ、オリエント企画の河合美奈。二人が中にある喫茶店で話をしようとホテルに入るのを、黒崎を尾けてゐた梨沙が憎々しげに見やる。梨沙が河合美奈と名を書いた紙にダーツを投げる物騒な一幕挿んで、美奈に黒崎の使ひの者を装つた、髪を下ろすと印象がドラスティックに変る工藤正人が接触、矢張り薬で眠らせた後、山中で強姦する。白戸好美は、涼子の同級生・木田由貴。黒崎ほどではないにせよ、この人も彼氏は少し年上。東南薬科大学に通ひ、親に買つて貰つたセドリックを乗り回す平井透(工藤)と由貴は付き合つてゐた。
 久々の新映企画戦、新田栄1991年全十一作中第三作。車中にて美奈が平井から勧められる缶コーヒーが、ステイオンではなくプルタブ式なのが妙に新鮮に映る。器用に狭い劇中世間で、連鎖する暴力。黒崎が一息つく休憩室に、梨沙が一々ノックして入る―そこが黒崎のオフィスなのか―程度をピークに、ツッコミ処は爆発力に欠き、自分で脚本を書いておいて、木田が出て来る度に似たやうな会話しか交さないのと、ケビン・ベーコン風にいふと暴行魔ナンバーが最大の者でも2に止(とど)まる肝心要の梨沙と平井の繋がりがよく判らないこともあり、展開はキレを欠く。挙句に大らかな野外プレイを繰り広げる美奈は兎も角、涼子と梨沙に関しては清々しく同じ段取りを繰り返してみせる、裸映画としての構成すら逆の意味で綺麗に工夫を欠く。無い無い尽くしの一作ではありながら、面子のルックス含め、適度に古びた映像はそれなりに味はひ深く、終に喪はれてしまふ前に、その貧しいのか豊潤なのかよく判らない愉悦に身を浸す意義は、確かにある。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (はる)
2020-02-20 22:28:35
これfanzaでないかしら?
 
 
 
>ex.DMM (ドロップアウト@管理人)
2020-02-21 20:59:51
 エク動にもないですね、エク動もう少し新田栄厚くして呉れんかいな。
 
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