真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「巨乳レイプ 強制パイズリ」(1997/製作・配給:大蔵映画/監督:小林悟/脚本:五代暁子/撮影:柳田友貴/照明:矢竹正知/編集:フィルムクラフト/助監督:掘一/スチール:佐藤初太郎/タイトル:ハセガワプロ/録音:シネキャビン/現像:東映化学㈱/出演:細川しのぶ・風間恭子・白都翔一・坂入正三・港雄一・田村ちなみ)。助監督の掘一は本篇クレジットまゝ、あんまりだろ。
 繁華街の車道を適当に十秒押さへ、カット跨ぐと画角も変つてタイトル・イン。何処かしら目的地へとセーラー服で向かふ森尾英美(ピンクでは非常に珍しい恭子名義のカザキョン)を、豹柄ボディコンのノリコ(細川)が尾ける。少し離れて細川しのぶを抜いたカメラの直前を、ザクッと横切るのが堀禎一にも見えたが、流石に特定不能。制服のまゝラブホに入つた英美は、援助交際相手の資産家・大沢栄一(港)がそはそは待つ部屋に。遺産を全部英美にとかいふ勢ひで入れ揚げる大沢を、ほかにも金蔓を握る英美は適当に捌く。所移り、「BAR LAMER」の看板が消灯。「敵は女子高生か、手強いな」、白都翔一が口火を切る。大沢に「LAMER」も持たされた愛人のノリコが、英美の登場に危機感を覚え、情夫のシンジ(白都)に相談を持ちかけたといふ寸法。小林悟にしては、序盤で物語がひとまづ成立してゐる、五代暁子に脚本を書かせたゆゑかも知れないが。風間恭子V.S.港雄一戦に続き、細川しのぶV.S.白都翔一戦もミッチリこなした上で、英美が―普通の勤め人にも全然見えないけど―OLの姉(田村)と二人暮らしするマンションの一室に、シンジは援軍を頼つた素人投稿ビデオ制作を生業とする宮田(坂入)と狙ひをつける。モジャモジャ頭がワイルドなサカショーが普通に画になるのはいいとして、劇中宮田の言葉遣ひがブレブレで、シンジとの上下関係がサッパリ判らない。
 小林悟1997年第一作は、足かけ三年、全六作のピンク戦歴となる細川しのぶにとつて第五戦。小林悟三作後の最終第六戦、「エロ教師 ONANIEづくし」(主演:大倉由貴恵)だけがDMMにも見当たらない。姉妹の強姦ビデオを撮影しつつ、シンジはノリコも売る腹を宮田には匂はせ、つつ。結局は何が何だか完全にヨリを戻したノリコと大沢が、ラブッラブで夜の街に消える無頓着なラストは、貫禄の大御大仕事といふほかない。この際結末は些末とさて措き、何はともあれ、兎にも角にも今作の白眉は何と三十三分の長丁場を堂々と撃ち抜く、たまたま一人の田村ちなみを宅急便を装ひ襲撃してからの森尾家パート。坂入正三×白都翔一の色事師コンビは攻めれば完璧、守れば鉄壁。細川しのぶが絶対爆乳で加勢しての、美人姉妹を延々凌辱し倒す中盤から終盤の大半は、ひとりづつ責め、二人一緒くたに責め。特段特殊なシークエンスを繰り出してはゐないにも関らず、退屈させるでなくエクストリームに見せきる。“大先生”柳田友貴に、監督業からは既に足を洗つたキャリア最晩年―実晩年は2003年―の矢竹正知。脊髄で折り返すと壮絶な死闘が予想されなくもない撮影部も、結構意欲的な構図に、案外いいエロい色に見せる的確な照明を当てる予想外に堅い仕事ぶりで濡れ場を加速。一山幾らに見せて、なかなか辿り着けない水準の裸映画をモノにしてゐる。

 ところで、強制にせよ任意にせよ、風間恭子なり細川しのぶがパイズリを披露する件が存在しない件。小林悟も小林悟なら、大蔵も大蔵だ、そのまゝの御題で公開せんでもええぢやろ。


コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (はる)
2017-11-05 01:18:37
無駄に青が強調されてる構図は結構いいですね。
男優のブリーフまで青いのは珍しいかも。
港雄一が懐かしい!
写真集持ってましたw
 
 
 
>港雄一が懐かしい! (ドロップアウト@管理人)
2017-11-05 23:45:37
 久保チン曰く再起不能らしいので港雄一は諦めるにしても、
 サカショーの近況は気になります。
 御健在だとして、誰が呼ぶんだて話にもなりかねませんが。
 
 
 
Unknown (はる)
2017-11-10 01:05:24
サカショーは今でもAVに出てるみたいですね
お爺さん役で
今でも現役ってすごいなぁ
 
 
 
>サカショーは今でもAVに出てるみたい (ドロップアウト@管理人)
2017-11-10 22:37:16
 mjsk!?何て嬉しい2017年(*´∀`*)
 
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