閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

風の日

2021-11-11 13:46:38 | 日々

雲レースの翌日は雨。その翌日は風。
道一面に散っていた枯れ葉が、朝起きたら一枚残らず消えていた。どこへ吹き飛ばされていったものやら。

 

ひゅうひゅうと、風に乗って遊んでいる雲たち。

 

そのへんを歩くと、ぱりぱりした枯れ枝がほどよく落ちていて、一日ぶんの焚きつけがすぐ集まる。枯れていない生木の細い枝も目につき、ずいぶん強い風だったことがわかる。

買い物で濡れたエコバッグを外に干して、ちょっと目を離したら、飛ばされてどこかへ行ってしまった。
風に飛ばされたものの行き先はだいたい決まっている。これまでも、デッキのサンダル、コンポストのふた、ちりとり、プラテミなど、いろんなものを拾いに行った。その経験から、たぶんあっちだろうと見当をつけて川岸に下りていくと、とっくに乾いたエコバッグが、おとなしく草むらで迎えを待っていた。
こういう「見当」がぴたりとあたると嬉しい。使い勝手の良いエコバッグをなくさずに済んだのもよかった。
毎日なにかしら「いいこと」はあるものです。

 

ワイルドストロベリー、秋の収穫。
もうジャムにするほどの量は採れないから、みつけて摘んだ人がひとりじめ。これくらいをてのひらにためて、いちどに「ぱくっ」と食べると美味しいです。
来年は、この苺の列を、倍に増やそう。

 

本日の猫たち。

ひと仕事のあとの、ひと休み。

 

ここは日替わりでたいてい誰かすわっている。

 

コマや、いい場所みつけたね!

 

ここは庭の南のはずれで、どんぐりの木の根元。
コマちゃんがのびのびと伸ばしている足のちょっと先は、すとんと崖になっています。


本日のゲスト。
虫キライ姫はパスしてね。大きいから。

小さくのせておくけど。

うちの父は、どういうわけかカマキリだけが大の苦手で…っていう話は前に書きましたっけ?
夏にプールに連れて行ってもらったら、プールサイドに大きなカマキリがいた。
「みてー、カマキリがいるよー」と言ったら、顔をひきつらせて黙ってむこうへ行ってしまったので、本当に苦手なんだということがわかった。
あとで「人の嫌がるようなことを言うもんじゃない」と叱られましたが。
大正生まれの男子というのは、家族にも弱味を見せないように、いつもがんばっていたんだろうな。

 

本日の「いいね!」

ヘレーネからの贈り物 ゴッホ<夜のプロヴァンスの田舎道>

東京都美術館ジュニアガイド動画。

 

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雲レース

2021-11-08 21:30:03 | 日々

晴れてはいるものの、朝から不穏な雲行き。
雲が東から西へ動くときは、天気は必ず下り坂だ。

 

雲のスピードはとても速い。

 

あとからやって来た雲が…

 

先頭の雲をインコースから追い抜こうとしている。

 

ほったらかしでも、ぽつぽつと咲いている菊。

 

こちらはリュウノウギク。
移植して初めて咲いたので花が小さい。

 

お手紙きた。暗号文解読中。

 

枯れ草も綺麗で片づけられない。

 

「カレンダー買い出し」のために都会に出かけなくなって久しい。
11月になると、さっさと通販で来年のカレンダーを買ってしまう。
予定を書き込める白地で大判のを2つ(居間とMのアトリエ)。おなじく予定を書き込める卓上用の小さいのを1つ(わたしの仕事机の上)。どちらも実用本位のもので、同じメーカーの同じ型番のをずっと買い続けている。
机の横の壁のカレンダーは貰い物。今年はたまたま気持ちの良い絵で、紙質も気に入ったのでかけてあるけれど、この壁は空いたままのことも多い。

海外のカレンダーには、ときどき思いもよらない変なジャンルがあって…という話は前にも書いた気がするが、先日「なんだこれ」と思ったのは「洗車カレンダー」というもの。
何かというとね、つまり、露出度の高い衣装のモデルさんが、毎月毎月、いろんなポーズでいろんな高級車を楽しそうに洗っている、ただそれだけ、っていう…(笑)
いかにもアメリカ的な気がしたけれど、こういうの、日本にもあるのかな。わたしが知らないだけ?


本日のゲスト。

このあいだ家に入れたインパチエンスの鉢に、ちっちゃいお客さんが!
殻の長さ、ほんの5ミリほど。ふつうのカタツムリと違って細長い。「コロネマイマイ」と勝手に名付けてみた。
コロネちゃんはシャイな子で、いったんひっこむとなかなか出てこない。そのくせ、動きだすと妙に素早く、数秒目を離すとたちまち見失ってしまう。
翌朝見たら、同じくらいのサイズのが、もう1匹いました。
カタツムリって、これから冬眠するんだっけ?
まだ起きているなら食べるものが必要だろうと、とりあえず落ち葉と苔をひとつまみ鉢に入れてやった。
なりゆきで、この冬は、パチ子+コロネ2匹をお世話することになっちゃった、ような。

(Mに話したら、「2匹とは限らないよ」と。うーん、そうね。10匹きょうだいが2匹ずつ交替で出てくる、という可能性も、なくはないか)

 

夕方は影が長ーいね。

 

そして、雲がみんなどこかに行ってしまったあと、西の空には…

 

まるで絵に描いたような三日月と星。

 

本日の「いいね!」

Jurassic Park but with a Cat

元は何だっけ? っていうくらい、完全になじんでますね。
このシリーズよく出来ていて面白い。

Lord of the Rings + My Cat

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「ねこのおひめさま」

2021-11-07 17:22:30 | お知らせ(新刊)

新刊のお知らせです。
グリム童話『ねこのおひめさま』(あかね書房 2021年11月刊)
絵は林なつこさんです。

え~、グリムにそんな話あったっけ? とお思いの方、ごもっとも。「ねこのおひめさま」というのは、わたしが勝手につけたタイトルです。
原題は「かわいそうな粉ひきの若いものと小猫」(金田鬼一訳 岩波文庫#KHM106)という、長い上にまことにぱっとしないもので、これは絶対タイトルで損をしている…ということを、2年くらい前のブログ(ここの後半)に書きました。
たまたまそれを目にした編集者KTさんが「面白いです!」と反応してくださったのが始まりで、こちらも凝り性だもんで、原典を読むためにドイツ語辞書まで買い、しばらくはグリムの沼にはまりっぱなし。
そこからあれやこれやありましたが、最終的に、1話読み切り80ページの幼年童話シリーズ、という形に落ち着きました。

粉ひきの親方に「いちばんいい馬をみつけてきた者に水車小屋をゆずる」と言われ、旅に出た三人の若者。
年下のハンスは、上のふたりに置いて行かれてしまい、森の中で出会った三毛猫にさそわれて、猫のお城で働くことに…。

簡単にまとめて言えば「猫だらけ」で「逆玉の輿」のお話。グリム童話の中で、猫がこれだけたくさん出てくる話は他にありません。
発端は、昔話によくある「三人旅」のパターン。三人いれば三番目が成功する、というのがお約束。森の中で助力者に出会うのも、これまたお約束。
編集のKTさんは、ご自身が三人きょうだいの長女ということもあり、どうしていつもいつも末っ子ばかり幸せになるのかと、つねづね不満に思っていたそうですが、これは決して上の子がダメという意味ではなく、長子相続制度の下では、立場の弱い末っ子が家を出てチャンスをつかむ話が喜ばれた、ということ。また、一度目、二度目は失敗しても、三度目で成功する、というたとえでもあります。

そうそう、「家を出る」も大切なポイント。成長した子どもが、親と家(この話では親方と水車小屋)から離れ、広い世界に出て、知らない人に会い、さまざまな経験をして、幸せをつかむ…という筋書きは、昔のドイツだけのことではなく、現代の日本の子どもたちにもきっと通じるものがあるはずです。

最初はいかにも頼りなげなハンス君が、お城で七年間働くうちに鍛えられて、いつのまにかしっかりした若者に成長していく。そんなハンスを「拾って」きた三毛猫って、先見の明があるのか、それとも人材育成能力にすぐれているのか、いずれにしてもただの(大事に守られているだけの)お姫様じゃないわけで、そのあたり、いろいろと深読みしていくのも面白い。


イラストの林なつこさんは、ハンスとお姫様、それにお城の召使い猫たちを、それぞれ魅力的に描きわけてくださっただけでなく、衣装から持ち道具までこまかく時代考証もしていただき、たいへん見ごたえのある絵になりました。
幼年童話はイラストの点数が多くて画家さんは大変なのですが、楽しんで描いていただくことができて嬉しいです。ありがとうございました。

グリムといえば、白雪姫とか、赤ずきんとか、ヘンゼルとグレーテルとか、オオカミと7匹の子ヤギとか…昔からよく知られている話が思い浮かぶでしょう。一方、それほどメジャーでないけれど面白い話もまだまだいっぱいあるのですが、それらはたいていぶあつい「グリム童話集」でしか読むことができず、字も小さいし挿絵も少なく、わたしみたいな超本好きの昭和の子どもならともかく、いまどきの小学生は手に取る機会も少ないと思います。
そこで、200篇以上あるグリム童話の中から、あえてマイナーな話を発掘し、原典をわかりやすい言葉や表現で語り直し、カラーのイラストも多めにいれて、低学年からひとりで読める本にしてみましょう…というのが、この <グリムの本だな>というシリーズのコンセプト。
いまのところ、あと2冊はすでに決まっているものの、全3巻では「本棚」というより「本立て」なので(笑)…もうちょっと続くといいなあ、と思っているところ。 

グリム童話は「本当は怖い」とか「残酷」とか…ことさらダークな面が注目されることもありますけれど、日本でいえば江戸時代後期に出版された本ですから、現代の人の感覚と多少ずれがあるのはしかたがない。本質はポジティブで、善悪のはっきりした健全なもの。いつの時代も、聴き手である子どもたちを応援し、勇気づけ、背中を押してやるのが、昔話本来の役割であり、力であると、わたしは思っています。

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「猫の本棚」

2021-11-06 20:54:08 | お知らせ(いろいろ)

『図書館司書30人が選んだ猫の本棚』(郵研社)という本に、『ねえだっこして』(金の星社)と『なまえのないねこ』(小峰書店)の2冊をご紹介いただきました。ありがとうございます!
実用書あり、ノンフィクションあり、小説、絵本、漫画まで、じつに幅広くそろっているところが、さすが図書館。

(真鈴ちゃん、いつも本立てがわりにしてごめん。誰よりも安定が良いし、文句も言わないので、ついつい)

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竜胆・零余子

2021-11-05 09:40:09 | 日々



グッモーニン。
秋はこんな雲が多い。

 

恒例の、お山にリンドウの花を見に行くガイドつきツアー。
西向きの斜面に、今年もたくさん咲いている。
でも、まばらにたくさんだから、全然たくさんあるようには写らない。
この花は日があたったときだけ開くので、晴れた午後に行かないと見られないのです。


しかし、この微妙な青紫が、桔梗と同じく、どうしても再現できない。
後ろの赤い実はヤブコウジ。
「藪柑子」を度忘れすると、「寿限無寿限無…」から始めることになる。別名の「十両」のほうはすぐ出るのに。

ちなみにリンドウを竜胆(龍膽)と書くのは、生薬に用いる根が、苦いことで有名な「熊胆」(くまのい)よりもっと苦いから、なんだそうです。熊の上はもう竜か。
ラテン名の Gentiana は、薬効を発見したイリリア王ゲンティウスに由来する、とか。

 

カラスウリ、みーつけた。

 

カラスノゴマ。
草の姿も、実のかたちも、紅葉も美しい。

このカラスノゴマと、キツネノマゴ、ヒメジソ、オトギリソウ、などなどが混在する苺畑には、切っても切ってもすぐ伸びてくる桑の木、山桜、ネムの木が生えていて、定期的に切りに行かないと下が日陰になってしまう。
桑は実がなるならいいのだが、いつまでたっても花が咲く気配すらないので、もしかしたら桑ではないのかもしれない。
すぐ伸びる木は柔らかいから、なまくらのこぎりでもガシガシやれば切れる。本当は根から掘り起こせばいいのだろうが、すでに年数がたっているので人力では無理だし、今からそれをやると畑の大半が破壊されてしまってあとが大変だ。「抜本的な改革」というのは、言うは易く、行うは難し。



山芋の零余子(むかご)。
たいてい「あと少しのところで手が届かない」場所にあって、くやしい思いをするもの。
山芋の蔓のからんだフェンスは、ちょうどここだけ地面がぼこっと陥没して、その上にススキなどがおおいかぶさり、天然落とし穴のようになっている。
切った桑の枝とか、そのあたりで抜いた大量のシダ、ヨモギ、ススキの類をぜんぶ放り込んだら、穴が浅くなり、どうにか届きました。

むかご御飯にいたしましょう。

きのこでも木の実でも、天然のものを採集するときは、ひとつ残らず採ってしまってはいけない。必ず1割ほどは残しておく、というのがルールだけれど、むかごに関してはまったく気を使う必要がない。
だいたい半分くらいは、ぽろぽろと手からこぼれて草むらに落ちてしまうので。


この冬の「おうちパチ子ちゃん」候補。
今年は室内に鉢植えを置くのをやめようか、どうしようかと迷っているうちに、もうこれ1本しか残っていない状態になり、あまりに小さくて弱々しいのを見かねて、連れてきちゃった。
さてさて、うまく育つでしょうか。

 

本日のにゃんズ。

朝のデッキで。

 

お日さまのほうを向いて姿勢よくじーっと座っている。

 

みんないるよ。

 

本日の「いいね!」

美術家たちの学生時代 永山裕子

大好きな水彩画家さんのインタビュー。
すごく面白い。だけでなく、この人は良い先生に恵まれたんだなあと思う。

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クラウドキャッチャー

2021-11-03 20:26:49 | 日々

雲と遊ぶ、ある日。

 

 

 

飛行機雲が大好きで、

 

しっぽが消えるまで見ている。

 

このへんはコマ吉の足跡っぽい。

 

 

 

 

 

お空に、バツかな。エックスかな。

 

そして極めつけは、これ。
夕方、西の空からゆっくり浮上してきた雲が…

 

白鳥かなあ、と見ていたら…

 

な・ん・と・十字架?

 

本日の「いいね!」

100年前のハロウィン

 

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アオサギトラップ

2021-11-01 22:44:03 | 日々

グッモーニン。谷間の霧を、居間の窓から。

 

キバナコスモス。そういえば今年はあまり咲かなかったな。

 

秋の草むら。

 

旅する蝶、アサギマダラ。
ふわふわ飛びながら、野菊、あざみ、野菊、あざみと、交互に蜜を吸っている。すこしお疲れの様子。

近年、フジバカマを植えてこの蝶を誘致し、観光資源とする取り組みが各地でおこなわれているらしい。
東シティの某ホテルでも、西タウンでも、競って大規模なフジバカマ畑をこしらえ、多い日には数十匹の乱舞が見られるという。そのせいか、我が家の庭には、ぱったり姿を見せなくなってしまった。
今年目にしたのは、この1匹だけ。もともと蝶が好きというわけではないから別にいいけれど、なんとなく大型スーパーにお客を取られた小売店のようである。
ホテルが客寄せにマタタビを植えて猫をいっぱい集めたりしたら、抗議が殺到すると思う。蝶ならいいのか、という気がしなくもない。
アサギマダラは、春のボリジやワスレナグサにも来るけれど、そのことはまだあまり知られていないらしいので、こっそり植えてみましょう。


本日の招かれざるゲスト。

アオサギさんです。
しばらく前から、池の魚をねらってたびたび飛来しては追い払われていた。
Mが池の上と周囲にワイヤーを張ってセキュリティを強化したが、食べたい一心で無理やり入ったらしい。この池はかなり急なすり鉢状になっており、飛んで逃げようにも、翼を広げるとワイヤーにひっかかるので、出られないわけです。
アオサギは水辺の鳥だけれど、ふつうは岸や浅い水の中に立って獲物を狙う。「泳いで」いるところなんて初めて見た。

 

捕獲するのに手こずりましたが…

 

なんとかつかまえた。
長い首、長い脚、広げると大きな翼も、たたむと非常にコンパクトになってしまう。それに、見かけよりずっと軽いのでびっくりする。
くちばしが非常に鋭いので、つつかれないよう要注意です。
(後ろは、たまたま遊びに来ていたご近所のお嬢ちゃん。大喜び!)

 

これにこりて、もう来ないといいけどね。

 

Mの高知のおみやげ。
貝殻拾いに行きたいなあ。

 

そして、本日の被害者。

わたしが台所でパン粉の袋を取り落としたとき、ちょうど真下にいたヒト。
ほんとはもっといっぱいのってましたが、あちこち歩き回ってばらまいたあげく、ここに落ち着いたところ。
このごろどうも物を落としやすい。気をつけねば。

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