閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

かたち・その2

2012-01-16 11:04:03 | 日々

山といっても、もちろん、高尾山とか槍ヶ岳とか名前があって
登山道があって頂上があるという山ではない。
家の縁側で靴をはき、10分足らずでいちおう「てっぺん」にたどりつく。
尾根はそこからさらにつづき、上り下りを繰り返しつつ、
あるものは海へ、あるものは本格的な「山」へとつながるのだろう。
そういうちょっとした地面の起伏のひとつ。

この場所は人が植林をしていない。
落葉樹や常緑照葉樹、昔からのいわゆる「雑木」が生い茂っている。
これはカシだろうか、シイだろうか。
葉っぱはうんと高いところにあるので、よくわからない。
わかるのは「大きな木」だということだけ。

見上げると、くらくらする。
とても幅の狭い尾根の上なので、よろけると谷にずり落ちそうだ。
樹の幹にすがって、こわごわ見上げる。
無数の植物たちの競合を勝ち抜いてここまで育った樹は、
無駄のない美しいかたちをしている。

1枚でも多くの葉が光を浴びられるようにと、
樹は枝を重ならないよう四方八方に伸ばす。
その結果、幹を軸にした螺旋ができる。
枝から枝へとモモンガのように飛び移ることが可能なら、
ぐるぐる回りながら樹のてっぺんまでのぼれるはずだ。
木の葉はすぐれた太陽光パネルであり、
樹はそれぞれが独立した完璧なソーラーシステムといえる。
ヒトの科学技術がいくら素晴らしくても、とうていかなわない。

 

枯れシダのレース模様。

 

緑のときはこんなでした。

 

 

こちらは市内を流れる川の河口近く。
ボートでひなたぼっこをするカルガモさんたち発見。
ふっくらまんまるになって可愛い。
彼らもまた無駄のない美しいかたち。

(近寄ると1羽が「ぐぁぐぁぐぁぐぁ」と文句を言い出し、
さらに近寄ると全員で「ぐぁぐぁぐぁぐぁ」と騒ぐため
これ以上近寄れません;) 

 

本日の水玉。

じっと春を待つ桃の枝に、
アニメのごとく「きらりん」と。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かたち

2012-01-15 14:07:01 | 日々

ヤマノイモ。一般には山芋、自然薯(じねんじょ)と呼ばれる。
枯れ花・・のようにも見えるけれど、これは実。
芋よりこっちのほうに興味があり、よく採ってくる。
3片の合わさったものは、豆のさやにあたる部分。
ひらくと、薄い膜につつまれた小さな種がはさまっている。
とてもよくできた、美しいかたち。

地下の芋でも増え、つるにつくムカゴでも増え、
その上、風に飛ぶ種子まで持っている。
どこにでも際限なく生えるわけだ。

 

 

葉の落ちた季節は、樹のかたちがよくわかる。

これは栗の木。何かを抱えようとするような枝の曲線。

 

 

これは山桜。すうすうと、さらさらと天に伸びる。 

 

 

これは柿の木。カキカキッと、片仮名書きの木。

 

 

朴の木。長い枝が縦の線を描く。




 

おなじみカラスザンショウ。
魔女っぽい舞台背景にはうってつけ。

 

 

 

本日の水玉。

上にも、下にも。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

15℃

2012-01-13 22:31:50 | 日々

午後2時ごろ。室温15℃。
プリズムの虹ができるほどに陽ざしはあるけれど、
風が強く、気温はそれほど上がってこない。

4時半ごろ。室温13℃。
この時間帯としては、ほぼふつう。
それで寒くないか、って?
ええ、ぜーんぜん・・寒いです、ね。
手が冷たい。
ひざ掛けプラス猫暖房だけでは、無理か。
ストーブ、つけよう。

今年の薪は「堅木」(広葉樹)の割合が多いせいか、
火力が強く、うまく燃やすと、熾火がとろけるような色になって、
とてもきれい。
Mががんばってたくさん割ってくれています。

 

本日の水玉。
これも雪の日スペシャル。

こおり水玉。しっぽつき!

 

こんなところでゲット。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012-01-12 14:25:27 | 日々

うっすらと雪化粧。
山の上に白く見えるのは湖・・ではなくゴルフ場です。

 

朝、目が覚めると、カーテンのすきまが妙に明るい。
軒先でドサバサと変な音がする。
ということは、屋根に雪が「落ちるほど」積もった、ということだ。

雪景色などシーズンに1度か2度しか見られない暖地なので、
ふつうなら「やっほー!」と喜ぶところだが、
あいにく朝から町に出る用事がある。
道にまで積もってたら車が出せないんだけどどうしよう。
(タイヤチェーンって見たこともない人・・)
あ、早めにエンジンかけて車を解凍しておかなきゃ!
などと、あれこれ心配のほうが先に立つ。

あ、せっかくのチャンスなのに、写真撮ってるひまがないっ!
(と言いつつ、20分ぐらい外を駆けまわって撮ってきました)

さいわい、舗装道路には雪がないので、
フロントガラスの雪だけかき落として車を出す。
しばらく走るとエンジンの熱であたたまったボンネットの雪が
大きなかたまりになってばしゃばしゃと飛び散り始めた。
屋根の雪は見えないけど後方に飛んでいるのかな。
対向車は1台も雪などのっていないので、ちょっとはずかしい。
何かイタズラがばれた子どものような気分。

町に着いたら、当然のごとく雪のユの字も(キの字も)なかった。
雪積もってて、と言ったら、どっから来たんですか、と聞かれた。
ええ、その、車でほんの25分のとこなんですけど。

 

雪と水玉、いっぺんにゲット!

 

 

葉っぱにシュガーアイシング。

 

 

淡雪南天。

 

 

咲き始めたロウバイの花もつめたそう。

 

 

芝生の上に、あやしい足跡、てん・てん・てん。
この歩幅は、さんちゃんかな、マドリかな。

そして、きょうは何度雑巾がけをしても、
階下はすぐ泥んこ足跡だらけになってしまうのでした。
もー、うろうろ出たり入ったりしないで、猫は寝てなさいっ。

 

というわけで、本日の水玉は、

当地ではたいそう珍しい「こおり水玉」です。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コート

2012-01-11 10:00:36 | 日々

昔持っていたコートのことを思い出す。
厚地のコーデュロイの、ややずっしりしたハーフコートだ。

フードと身頃がひとつづきで、肩からすとんと垂れて、
ほんのわずか裾広がりのスタイル。
服飾用語では何コートと言うのか、よく知らないけれど、
雰囲気的に近いものといえば「雨ガッパ」だろうか。

色は、ベージュともグレイともつかない、あいまいな色。
コーデュロイだから見る角度によって色味が変わる。
それにミルクを加えたような色のつるつるしたボタンが並んでいた。

買ってもらったのは高校生のときで、何が気に入ったかというと、
そういうコートは誰も着ていなかったし、店にもそれしかなかったからだ。
何かの手違いでまぎれこんだような「変なコート」であった。
店の人も、売れるとは思っていなかったかもしれない。
可愛くも格好よくもない。
サイズも少し大きすぎる。
しかし、めちゃくちゃ着心地がよかった。
そして、あたたかかった。

着てすぐわかったのは、ポケットの良さだ。
位置、角度、それにたっぷりした深さといい、裏地の感触といい、
文句のつけようがないくらい理想的なポケットなのだった。
そのポケットに手を入れていると、包まれている安心感があった。
わたしはいつも不安感の強い子どもだったけれど、
そのコートを着ていると、すこしだけのびのびと、楽にふるまえた。
それでいいよ、間違ってないよ、と言ってもらっている気がした。

進化したヒトは、毛皮を失ったかわりに、衣服を手に入れた。
さらに、色や形や素材を選ぶ自由というものも手に入れた。
選択肢が多くなりすぎ、いまでは本来の意味を忘れがちだけれど、
それは、まず寒さや雨や風から身を守るためにある。
傷つきやすい中身は、しっかりした保護機能を必要とする。
自分にふさわしい外装を手に入れるということは、
つまり、それを着て、外に出ていく、出ていけるということだ。

コートとは限らない。何でもいいと思うけれど、
保護機能という意味ではコートがいちばんわかりやすい。
自分を守ってくれる服、安心できる服を、まず1着みつける。
人によって、それは鎧だったり、かくれみのだったりする。
迷彩服や忍者装束に似たものかもしれないし、
あるいは逆に、とびきり奇抜な舞台衣装かもしれない。
スヌーピーの漫画に出てくるライナス君の毛布を
コートに仕立てれば立派に着ることができる。

手に入れたら、それを着て、ひとりで歩く。
自分はどこへ行きたいか。
何をしたいか。
そのために次は何が必要か。
どうしたら必要なものを手に入れられるか。
いろんなことが順番に少しずつ見えてくる。

そのコーデュロイのコートを、10年は着たんじゃないかと思う。
流行のものではなかったから、流行遅れにもならないのだった。
着なくなってからも長いこと持っていた。
いつのまに、それがなくても平気になったのだろう。
さすがに古くなりすぎ、そういうものが似合う年齢でもなくなり、
だいぶ前に処分してしまった。

今ごろになって、あれ捨てなきゃよかったな、と思ったりする。
でも、持っていたって着ないだろうな、とも思う。
いつもの癖で、ボタンだけ、とっておいた。
ボタンを見ると、コートのすべてが思い出せる。
それを着て歩いた場所のいくつかも思い出せる。
あれほど着心地のいいコートと、気持ちのいいポケットには、
その後一度も出会ったことがない。

必要な時期に、必要なものに出会うことができて、よかった。
それがわかるのは、いつも、ずっとあとになってからだ。

 

 

 

本日のにゃんこ。

こら、そんなに無防備でいいのか真鈴。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霜コレクション

2012-01-08 18:09:27 | 日々

この冬一番の冷え込みで、葉っぱがリーフパイみたいに。

太平洋側の冬は乾燥して風が強く、水玉ハンティングには不向きである。
パンがなければ、お菓子を。
水玉がなければ、霜を。
と思ったが、手が冷たくて、早々に退散。
手袋をするとカメラが滑るし。
閑猫は、寒冷地仕様じゃないですから。

 

 

苺畑。真冬の色とりどり。

 

 

ほとんど野生化しているアップルミント。

 

 

池の上に張ったサギよけネットに、つららがツララララっと。

 

 

タマアジサイの枯れ花。いい感じになってきた。

 

ところで、「雲釣り病」に感染した疑いのあるW先生!
重症化すると、車の運転が非常に危険になりますので、
くれぐれもご注意くださいませ。
(とくに夕暮れ時に西へ向かう車!)

 

 

本日のにゃんこ。

「ん?」

ストーブのそばのこの場所は特等席で、早い者勝ちが原則。
あとから近づいたマドリは、すもも嬢さんお得意の
「小さい連続パンチ」をいきなりあびせられ、目をぱちくり。
マドちゃん、対猫マナーを学ぶ必要ありですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふたたび薔薇園

2012-01-07 20:37:22 | 日々

さすがにもう花は少なく、庭師さんたちが剪定作業中。
この黄色いのだけ元気で、つぼみもたくさんついている。



雲アンテナ2号発見。

 

 

2月にここで何かやるらしい。
今回は寒冷紗の出番はなさそうですね。
(天井が高すぎて、ハシゴ車でも呼ばないと届きませんて;)

しかし、エアコンが作動していないここはとっても寒冷だったので、
(高いだけでなく、左右にも広すぎ・・)
カフェに逃げ込み作戦会議のつづき。

 

 

本日のにゃんこ。

いやあ、いいもんですね、ニッポンの冬。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「お」の謎

2012-01-06 09:46:38 | 

お正月の話。
おせちのお煮しめを食べながら、とつぜん、
「おにしめの『おに』って何?」とMがきく。

「えーっとねえ、おにぎりの『おに』と同じ」
「おにぎりの『おに』って何?」

この人はときどきこういう変な質問をするのです。
(前にも「横縞って邪(よこしま)なの?」とか
「らちがあかないのラチって拉致のラチ?」とか・・)

「おにぎりは、鬼を切る、でしょ」
「へー」
「おにしめは、鬼を絞める!」
「ほー」

こういう人を相手にでたらめを言うのは面白いけど、
わざとなのか、本気なのか、よくわからん。

「接頭語なの」
「セットーゴって何?」
「お煮しめ、おにぎり、お餅、お雑煮、お正月・・」
「あ、そうか。『煮しめる』の『にしめ』に『お』がついたんだ!」

はい、よく気がつきました。

「じゃあさ、なんで卵焼きには『お』がつかないの?」

なんか5歳児が質問をしているみたいですが、
この人はわたしより5つ上の辰年生まれなのよ。

しかし、そう言われてみれば・・
伊達巻、田作り、昆布巻き、黒豆には「お」がつかない。
かまぼこ、きんとんにもつかない。
お芋は言うが、お栗は言わない。
おなます、お大根は言うが、おにんじんは言わない。
お刺身、お醤油は言うが、おわさびは絶対言わない。
お屠蘇、お箸、お皿、お重箱、などは普通。
お鏡餅は・・? おかがみ、おそなえって、言いますね。
でも、しめ飾りに「お」をつけると変になってしまう。

「お」がつくものと、つかないものの違いは何だろう。
敬われるかどうかの条件が、いまひとつ明確でないようだ。
おキャベツ、おトマト、とは言わない。
原則として、外来語にはつかない、という気がする。
(でも、おビールは、言う人もいるか・・)
何か隠れた法則があるのか、それとも単なる慣習だろうか。

(ついでに・・「ごはん」だけどうして「ご」がつくんだろう。
炊く前は「お米」で、炊いたら「ご飯」になる謎)

「お卵焼きとは言わないけど、おたまじゃくしとは、言うよね・・」

と、うっかり答えたら、食事中の話題としては不適切であった。
(おたまじゃくしは言うけど、お蛙は言わない。とか、
連想がどんどん変なほうへ行ってしまう。
あれ? お帰りは言うけど、お行ってらっしゃいは言わない)

「じゃあさあ、伊達巻の『だて』って何? 伊達政宗の伊達?」

・・きりがないです。
子ども電話相談室にでもきいてみたら。

 

本日のアザラシ。

 

・・じゃなかった。さんちゃん。

「なんだよぉ」

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新春雲釣り大会・その2

2012-01-05 09:36:46 | 日々

辰年にちなんで、龍・・と思えばそう見えなくもない。
龍がのし餅をこしらえているところです(笑)

 

雲の福袋は、いろいろいっぱい入っていて、大当たりだった。
(しかし、袋から出したとたん、回収不可能に・・)

 

雲をおびき寄せるためのアンテナ。

 

ほんのり虹色に染まった雲。本物の瑞雲だと思う。1月3日。

 

上の写真の数分後。市内某所に無断駐車中。
お日さんがまぶしいので、ほとんど見ないで撮っている。
(色がわかりやすいように、明るさを絞ってあります)

 

夕焼け飛行機雲。
ロケットのようにぐんぐんと上に向かってのびていく。
あの飛行機からは何が見えているんだろう。

 

 

本日のにゃんこ。

きなちゃん、顔見えんよ。口あいとるよ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新春雲釣り大会・その1

2012-01-04 09:25:59 | 日々

元旦の瑞雲である。
根拠はまったくないが、勝手に瑞雲ということにしておこう。

 

お山の真似をしている雲がいた。

 

隠れてこっちを見ている子。
おーい、大丈夫だから、出ておいで。

 

逃がした魚は大きかったね。

 

閑猫流では、こういうのもすべて瑞雲という。

 

来た来た、お待ちかねの豪華なデザート。

 

 

本日のにゃんこ。

呼夜兄ィに抱っこで、ほよよんの茶々姫。
ぜんぜん力入ってませんね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする