山といっても、もちろん、高尾山とか槍ヶ岳とか名前があって
登山道があって頂上があるという山ではない。
家の縁側で靴をはき、10分足らずでいちおう「てっぺん」にたどりつく。
尾根はそこからさらにつづき、上り下りを繰り返しつつ、
あるものは海へ、あるものは本格的な「山」へとつながるのだろう。
そういうちょっとした地面の起伏のひとつ。
この場所は人が植林をしていない。
落葉樹や常緑照葉樹、昔からのいわゆる「雑木」が生い茂っている。
これはカシだろうか、シイだろうか。
葉っぱはうんと高いところにあるので、よくわからない。
わかるのは「大きな木」だということだけ。
見上げると、くらくらする。
とても幅の狭い尾根の上なので、よろけると谷にずり落ちそうだ。
樹の幹にすがって、こわごわ見上げる。
無数の植物たちの競合を勝ち抜いてここまで育った樹は、
無駄のない美しいかたちをしている。
1枚でも多くの葉が光を浴びられるようにと、
樹は枝を重ならないよう四方八方に伸ばす。
その結果、幹を軸にした螺旋ができる。
枝から枝へとモモンガのように飛び移ることが可能なら、
ぐるぐる回りながら樹のてっぺんまでのぼれるはずだ。
木の葉はすぐれた太陽光パネルであり、
樹はそれぞれが独立した完璧なソーラーシステムといえる。
ヒトの科学技術がいくら素晴らしくても、とうていかなわない。
枯れシダのレース模様。
緑のときはこんなでした。
こちらは市内を流れる川の河口近く。
ボートでひなたぼっこをするカルガモさんたち発見。
ふっくらまんまるになって可愛い。
彼らもまた無駄のない美しいかたち。
(近寄ると1羽が「ぐぁぐぁぐぁぐぁ」と文句を言い出し、
さらに近寄ると全員で「ぐぁぐぁぐぁぐぁ」と騒ぐため
これ以上近寄れません;)
本日の水玉。
じっと春を待つ桃の枝に、
アニメのごとく「きらりん」と。