閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

絵本のつくりかた・その4

2006-08-09 08:48:11 | 絵本のつくりかた

「ベニヤ板の絵」ができるのを待っているあいだに、
つづき、というか、補足をすこし。
(ただし、他の作家さんのことは知らないので、
これが一般的なやりかた、というわけではありません)

今年はMの描く絵本の割合が多めになっていますが、
わたしはわたしで、べつの画家さんと組むこともよくあります。
たいていは、文章だけ先に編集の人に見てもらい、
絵本化できそうだったら、画家さんをさがすことになります。
なんといっても絵本は「絵」で決まるわけですから、
ぴったりの方を見つけるまでに、すごく長くかかることも…
(ありますよねえ、某社Hさん?)
そうしてあれこれクリアして、はじめて正式に画家さんに依頼。
引き受けていただけなければ、即座に「ふりだしにもどる」。
人気の画家さんで、3年待ち!とかいうことも…
(ありますよねえ、某T先生?)

逆に、絵のほうが先にあって、それに合わせて文章を書く、
というケースも、まったくないわけではありません。
たとえば『ときめる森のおくりもの』は、本橋靖昭さんの
月刊誌1年分の表紙イラストがベースになっています。
ばらばらの絵をどうやってつないでストーリー性をもたせるか、
考えるのがすごく楽しかった絵本です。

よその画家さんとは、あまりこまかい打ち合わせはしません。
わたしは喋るのがすごく下手なので、説明しなくてすむように、
なるべく読むだけで通じるようにネームを書いています。
だから、お渡ししたら、あとは「シェフにおまかせ」です。
ダミー段階で、どうしても必要なことがあれば
編集者さんを通じて伝えてもらう程度です。

「こういうイメージで」って、自分でラフまで描いて渡すような
作家さんも昔はいたそうです。いまは…どうなんだろう?
わたしだったら、それではつまらないと思う。
だって、思い通りの絵を描いてもらおうとしたら
思い通り以下の絵本しかできない。
べつべつの頭から生まれた「文」と「絵」が、
ばったり出会って「絵本」になった瞬間に、
誰も想像していなかったような新しい世界がひらける。
そうでなくちゃ、って思います。

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