「ベニヤ板の絵」ができるのを待っているあいだに、
つづき、というか、補足をすこし。
(ただし、他の作家さんのことは知らないので、
これが一般的なやりかた、というわけではありません)
今年はMの描く絵本の割合が多めになっていますが、
わたしはわたしで、べつの画家さんと組むこともよくあります。
たいていは、文章だけ先に編集の人に見てもらい、
絵本化できそうだったら、画家さんをさがすことになります。
なんといっても絵本は「絵」で決まるわけですから、
ぴったりの方を見つけるまでに、すごく長くかかることも…
(ありますよねえ、某社Hさん?)
そうしてあれこれクリアして、はじめて正式に画家さんに依頼。
引き受けていただけなければ、即座に「ふりだしにもどる」。
人気の画家さんで、3年待ち!とかいうことも…
(ありますよねえ、某T先生?)
逆に、絵のほうが先にあって、それに合わせて文章を書く、
というケースも、まったくないわけではありません。
たとえば『ときめる森のおくりもの』は、本橋靖昭さんの
月刊誌1年分の表紙イラストがベースになっています。
ばらばらの絵をどうやってつないでストーリー性をもたせるか、
考えるのがすごく楽しかった絵本です。
よその画家さんとは、あまりこまかい打ち合わせはしません。
わたしは喋るのがすごく下手なので、説明しなくてすむように、
なるべく読むだけで通じるようにネームを書いています。
だから、お渡ししたら、あとは「シェフにおまかせ」です。
ダミー段階で、どうしても必要なことがあれば
編集者さんを通じて伝えてもらう程度です。
「こういうイメージで」って、自分でラフまで描いて渡すような
作家さんも昔はいたそうです。いまは…どうなんだろう?
わたしだったら、それではつまらないと思う。
だって、思い通りの絵を描いてもらおうとしたら
思い通り以下の絵本しかできない。
べつべつの頭から生まれた「文」と「絵」が、
ばったり出会って「絵本」になった瞬間に、
誰も想像していなかったような新しい世界がひらける。
そうでなくちゃ、って思います。