閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

カイト

2010-04-12 09:00:02 | 日々
お花見には少し遅いのですが、ずいぶん暖かかったので、
買い物がてら、お昼は外で食べようかと、Mと出かけました。

コンビニでパンと飲み物などを買い、
海辺の公園のベンチに座ってまもなく…
1羽のトビが飛んできました。
そこは、小さな湾を見下ろす高い崖の上。
トビが、目の高さに、ふわりと浮かぶ。

はるか上空で輪を描いているのはよく見かけますが、
こんなに間近で見るのは初めてです。
翼をひろげた幅が150~160センチ、
体重も1キロ前後あるという大きな鳥が、
まったくはばたくことなく、宙に浮いています。
羽の1枚1枚まではっきり見えるくらい。
きらりと鋭い目。鋭いくちばし。
しかし、なんとなく、人馴れしているような…?

Mがパンをちぎって差し出すふりをしましたら、
ためらいもせず、さあっと寄ってきます。
「うわ!」
ぽんと投げると、いきなりハヤブサのように翼をたたみ、
急降下して、みごとに空中キャッチ!

トビの態度が変わりました。
わぁい、ゴハンをくれる人だあ、と思ってしまったのね。
もう遠慮なく近寄ってきて、離れません。
トビの英語名はKite(=凧)といいますが、まさにその通り。
ベンチに座って凧あげをしているみたいになった。

10数メートルの透明な糸がぴんと張って、
頭の真上にはトビ型カイト。
きらり、きらりと、目を光らせながらホヴァリング。
ときどき首を右に左にかしげながら、
隙あらば持っているパンをかっさらってやろうと、
そんな気迫が、びりびりと糸をつたわってきます。

野鳥に人間の食べ物を与えるのは良くないので、
(それにあんまり接近されると怖いし)
「もうないよ~っ」と言いましたが、聞いてくれません。
それどころか、湾をへだてた向こう側からは、
2羽、3羽と、仲間のトビがやってくるのが見えます。
猛禽は視力が良いと聞いてはいたけれど、なんという早さ。
あっというまに頭上には数羽のトビが旋回。
前にも。後ろにも。
きゃああ…。

そのとき、崖の下から、カラスが2羽、
ハリアー戦闘機のごとく垂直に上昇してきて、
勇敢にもトビに体当たり攻撃をしかけました。
トビは、自分より小さいカラスが苦手らしく、
空中で器用に「でんぐり返り」をしたりしてかわすのですが、
しつこく追い立てられ、だんだん離れていきます。
やったあ、よしよし、と思ったところが…

トビはぐるりとひと回りして、すぐ戻ってきちゃう。
そればかりか、こんどはカラスまで近くの鉄塔にとまって、
じーっと、じーっと、じーっとこっちを見ているの。
いやん、もう。

(と言いつつも、しっかり最後まで食べて帰ってきた…笑)
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