閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ビーチコウマー・その5

2014-11-28 15:33:55 | 日々

 

駐車場に車はそこそこ停まっているが、人の姿はほとんどない。
よく整備された海浜公園だ。
どこまでもどこまでも手すりに囲まれている。

  

巡視船、PM-30。やっほう。

 

 

冬は風の強い日が多く、車のドアもうっかり開けられないほどだ。
こんなに穏やかなのは今のうちかな。

 

 

ぐるりと柵に囲まれた桟橋。これでは桟橋の用をなさない。
超芸術トマソン的な物件かと、一瞬首をかしげる。
これはどうやら「桟橋釣りをしたい人」用にわざわざ作られたもので、
柵があるからお子様連れでも安心です、ということらしい。
その他、バリアフリーだとか、「足湯にペットを入れないでください」とか、
あるいは、ここにいるはずのない有名人の像がつっ立ってるとか、
「公園」としての配慮や努力があちこちに垣間見え、微笑ましい。

小さい頃に、よくハゼ釣りに連れて行ってもらった。
裏庭でミミズを掘っていって、リールも何もない竹の竿で釣るのだ。
港の岸壁だから、もちろん柵なんかどこにもない。
子どもはよくカニに餌をとられ、下手をすると針まで失くしてしまう。
いまでも覚えているのは、7歳のとき、親から離れたところに行って
ひとりで釣っていたら(餌をつけるのも、針をはずすのも自分でできた)
ハゼじゃなくてカレイが釣れたことだ。
わたしが7歳なら弟は4歳か5歳で、岸壁から落ちたら危ないけれど、
危ないということは幼児にだってわかるから、そのへんを駆け回っていても
そう簡単に落ちたりはしないし、親だって心配しなかった。
カレイはハゼと一緒に唐揚げにしてもらって食べた。
小さくて骨ばっかりでも美味しかった。
そのときのカレイがピークで、いまはまったく釣りに興味がない。
たぶん、7歳までに、必要なだけ釣ってしまったのだろう。
母は、わたしがおなかにいるとき、よく岸壁で小アジを釣ったという。
サンゴロウの「旅のはじまり」のはじまりは、じつはそのあたりにある。

 

この「海中ストーンヘンジ」のようなものは何だろう。
どうやらここも人工的に作られた磯であるらしい。
自然に見せようと、ランダムに配置した結果、
妙な芸術作品のような、あるいは何か悪だくみをしているような・・
意図とは違う雰囲気が出てしまった例。 

 

 

ビーチには小砂利が敷きつめてある。
風で飛散しない、手足にくっつかない、という点で、多くの人工浜で
この手の砂利が導入されているらしい。
砂利は砂利で、きれいだと思うけれど、ビーチコウマーとしては、
貝殻どころかごみひとつ落ちていない「クリーンな」浜では、
することがぜんぜんないのだった。

小さい男の子がひとり、しゃがみこんで、砂利遊びに余念がない。
にぎっては離し、すくっては落とし、手触りに夢中になっている様子。
お父さんだろうか、男性がそばに立っている。 
子どもの世話を焼くでもなく、話しかけるでもなく、ただ見守っている。
遠くを遊覧船が通る。
波間に浮いていた黒い鵜が、ついともぐる。
ふたりとも、それぞれに良い時間を過ごしているように見える。
他には見渡すかぎり誰もいない午前11時半。 

 

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