閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「木苺通信」について

2010-12-16 13:50:28 | Q&A

◆道草さんからのご質問。

>『木苺通信』の「トプ」はどのようにして生まれたのでしょうか?
>「わたし」はどのように木苺谷にやってきて定住したのか、
> 設定があるのでしょうか?


『木苺通信』は、1986年の暮れから書き始めました。
その年の初めに東京から田舎に引っ越してきたばかりで、
何もかも珍しくて、毎日こまかい日記をつけていました。
花や鳥の名前を図鑑で調べたり、山菜や果実を採って食べたり、
地元の木こりのおじさんにいろんなことを教わったり…

「わたし」が「木苺谷」にやってきたのは、
意図してそういう設定にしたわけではなく、
つまり作者がそうだったというすごく単純な理由で…(笑)

それ以前に、『風町通信』を書き始めたのが1980年、
ちょうど結婚して変てこなアパートに引っ越した年でした。
だから、それも、ほぼそのまんま。

そもそも風町の連載を始めたときのコンセプトが
「エッセイをフィクションで」。
現実にあること、起こったことを、ちょっとずつ変えて、想像と混ぜて、
一見エッセイみたいなフィクションにする、ということ。
風変わりな人は、何倍もあやしくなってるし、
行ってみたい場所は、行ったことにしてある。
これは「物語を作る」ということと、同じといえば同じなんですが、
「偽エッセイを書いてる」という意識のほうが気楽っていうか、
自分で楽しめちゃう、という効果がありました。
その延長線上で、木苺連載開始時のコンセプトは
「田舎に引っ越した風町」でした。

なので、風町&木苺には、たいてい「元になったもの」が存在し、
思い出せるものもあるんだけど、元を忘れちゃって、
まるで書いたことが実際にあったことのように
自分でいつのまにか錯覚してる部分もあったりします。

さて、トプですね。
トプには、はっきりしたモデルがあります。
名前の由来も、ちゃんとあります。
しかし、「じつは…だった」と知ると、
トプのファンの方はガッカリされるでしょうし、
わたしもお気に入りの狼さんですから、
モデルは極秘、にしておきましょう。


道草さんから、もうひとつ、「青い羊の丘」についての
ご質問をいただいたのですが、これについては、

いつか、良いお知らせが、できると、いいなあ…

というお答えしか、現時点では、できません。
ごめんなさい。
ひきつづき、来年の課題のひとつです。

 

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