閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

小さきもの

2014-07-19 10:34:00 | 日々

夏虫、いとをかしうらうたげなり。
火近うとりよせて物語など見るに、
草子の上などに飛びありく、いとをかし。
(「枕草子」第四十三段)

「なにもなにも、小さきものは、みなうつくし」
とおっしゃる清少納言さんも、これは・・どうかなあ。
すごく小さいんだけど。
画像はありませんが。
「く」の字が苦手な方は以下パスしてください。

 

蚊が出没する季節になりました。。
今年は「黒猫蚊遣り」を使うのが楽しみだ・・
ってほどではないですが、使うぞ!と待ちかまえていたところ、
思わぬ事態で使えないことに。

原因は「くものおかあさん」です。
じつは以前から、うちでは「エコな害虫対策」として、
くもさんをお手伝いに雇っており、まあ非正規職員ですけども、
G対策(ゴジラじゃないわよ)要員として評価の高い、
網を張らないインドアタイプのが数匹常駐し、
おもに夜間パトロールなどを担当しています。

1週間くらい前から、わたしの部屋の天井のすみで、
1匹のくものおかあさんが、ひっそりと卵を守っていました。
卵は、卵嚢(らんのう)といって、白い和紙でできているような
500円玉くらいのひらたい円形のポシェットに入っています。
おかあさんは、その袋をおなかの下に抱きかかえるようにして、
昼も夜もほとんど動かず、たまに他の虫が知らずに近づくと
前足で「たんたん!」と叩いて追い払ったりしていました。

この袋を、おかあさんは、だいじに口にくわえています。
だから、卵がかえるまでは何も餌を食べないのだそうです。

蚊取り線香をちょっとだけ焚こうかなあと思ったとき、
ふと見たら、くものおかあさんがいたのでした。
蚊取り線香の成分(ピレスロイド)は、くもにも有効のはず。
ふだんなら室外に逃げていくから大丈夫かなと思うけれど、
卵持ってて動かないし・・心配になり、焚くのをやめました。

それから約1週間。
昨日、ふと気がつくと、卵ポシェットが窓ガラスに貼りつけてあり、
おかあさんの姿が見あたりません。
それも床面から50センチくらいの中途半端な場所。
猫がちょっかいしそうなので、移動しようとしましたら・・

文字通り「くもの子を散らすように」・・

小さいかわいらしい子ぐもちゃんたちが、
あっというまに四方八方に散らばって・・

みごと回収不可能に!

そういうわけで、現在、数十匹のおちびちゃんが
ぜんぶわたしの部屋にいるため、蚊取り線香が焚けない。
くもさんは空中を飛んでいる蚊は捕れないし、
なにしろまだ全員「蚊より小さい」んですから。

家じゅうで一番遅くまで明かりがついているこの部屋は、
「飛んで火に入る夏の虫」が集まってきちゃうため、
くもさんにとっても絶好の環境なのであります。
おかあさんも、それをちゃんと知っていて、
わざとここに子どもたちを置いてったのでしょうか。

なんとなく「預けていかれた」気がして、邪険にもできず。
しかし、数があまりにも多すぎ。
全員にいきわたるほどの(小さい)餌があるのかしらね。
このままではうっかり掃除機もかけられませんし。
はてさて、どうしたものか。

 

ところで冒頭に引用した「夏虫」ですが、
平安時代って、いまみたいな網戸ないですよね。
それを考えると、「いとをかし」なんて言ってる場合か。 

 

本日の「いいね!」


洗濯物を干すリスさん

かっわいい~

 

コメント
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