閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

節電の謎

2012-08-06 08:42:40 | 

「節電」の2文字をいたるところで見かける。
なんとなく、厄災除けのおふだでも貼ってあるようだ。

TVをみていたら、「午後1時から4時までの
節電にご協力ください」というお知らせが流れた。
そう言ってるTVが率先してその時間帯を休みにすれば。
と思ったりするけれど、それは困る!という人も必ずいるだろう。
オリンピックはある、高校野球はある、スポンサーは商品を売りたい。
見てください買ってください節電もしてください、と言われてもね。

暑いとき、冷たい麺類が美味しいけれど、
大量のお湯をわかして茹でる過程が暑い。
台所でなるべく火を使いたくない、という理由から、
調理済みの冷たい食品がよく売れているそうだ。
カップ麺は少量のお湯で作り、氷を入れて食べる、とか・・。

しかし、うちで茹でないそうめんは、どこかよそで茹でている。
冷やすのも、氷を作るのも、うちのでなければ、どこかの冷蔵庫。
冷蔵庫をフル稼働させれば、室温はますます上がり、
エアコンや扇風機をやっぱり使わざるを得ない。
あっちを冷やせば、こっちが温まる。
あっちで節電したぶん、こっちで使ってしまう、ということに
・・えーと・・ならないのかな? どうなんでしょう。
閑猫頭は堂々巡りをするばかり。

まだ「昭和」だった頃、首都圏が水不足に見舞われた年があった。
「節水はパパの協力ママの知恵」という標語ステッカーが
各戸に配られたのを覚えている。
そのとき、節水アイデアのひとつに
「食器を洗わなくてすむようラップや紙皿を使う」
というのがあって、それに対して
「そのラップや紙皿を作るには大量の水が必要」
と反論があったのも覚えている。
どっちが正しいのかわからないうちに水不足はおさまったけれど、
いま「節電」の文字を見ていると、宙ぶらりんになったままの
そのときの疑問を思い出す。

 


数年前のアメリカのSF映画。
ウィルスか何かで人類が突然滅亡してしまい、
廃墟と化した都市に、主人公がひとりだけ生き残っている。
夜になると襲ってくる人食いゾンビみたいなのがいっぱいいて、
それと闘いながら暮らしている。

見ていて、あれ?と思ったのは、主人公の住まいだ。
ちゃんと電気があって、明かりもつけば、音楽も聴ける。
大型冷蔵庫には食糧が詰まっている。
窓のシャッターも電動のようだ。
蛇口をひねれば水もお湯も出る。
きっと冷暖房もあるだろう。
持ち主のいなくなった車が町じゅうに残っているから、
移動手段にもガソリンにも不自由していないらしい。

発電所も浄水場も、無人で半永久的に稼働する・・
という未来の設定なのかもしれない。
あるいは、主人公が(映画にうつっていないところで)
がんばってひとりで自家発電などをしているのかもしれない。
おそらく、アメリカ的、というかハリウッド的感覚からすると、
「人間らしさ」のうちに「言語をしゃべる・衣服を着る」に加えて
「電気・水道・ガソリン」も当然のように含まれていて、
人食いゾンビとの違いを表現する必要上からも、
それらをはずすことは不可能だったんだろう、と想像する。

人類の最後のひとりかもしれない主人公は、
TVの前に座り、録画したニュース番組を繰り返し見ている。
太古の昔、ヒトは「火」を手に入れ、そこから
他の動物とは違う進化の道をたどってきたけれど、
その最初の火は、聖火リレーのごとく受け継がれ、
さまざまに形を変え、最後はTVの中に細々とともって、
終末を迎えようとしている。
TVは、原始人の焚き火であり、古き良き時代の暖炉であり、
いつもヒトは「少しでも温まろうとして」その前に座るのだな。

(・・と、例によって変なところに注目してしまう閑猫。
おそらくこのシーンはそういう意図で撮られたのではないと思うけど。
しかも、この映画、途中までしか見ていないので、
思い違いがあったらすみません)

 

電気使用量のお知らせが来た。
「7月分は、昨年と比べて21%減少しています」と書いてある。
節電の成果を教えてくれるようになったのは良いけれど、
じつは、そんなに減少した理由が思い当たらない。

わが家の電気使用料は、2006年あたりをピークに減少に転じ、
(人口が減っただけでなく、魚を飼うのをやめたのが大きい。
24時間ろ過装置を動かしていると、かなり電力を消費する)
この3年ほどは、ほぼ横ばい状態で安定している。
6月は昨年比プラス4%、5月はマイナス6%。
だいたいいつもそれくらいの増減はある。

お風呂場の白熱電球が切れたのでLED電球に取り替えたとか・・
(数か月に1個のペースで、切れたものから順次LED化している)
そういえば今夏はまだ階下の扇風機を出していないとか・・
(居間で使うのは一日あたり20分間くらい)
それだけのことで突然21%も減るものかな。
原因不明で増加するよりは良いのですが。
謎です。

(追記:この記事は7月下旬に書いたものですが、
扇風機はまだ出していません。
要らないのかな、あれ)

 

 

ツバメのみなさん、一列に並んで休憩中。
今年うまれた子たちも、もうしっかり飛べるようになりました。 

 

コメント
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