閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

消えたケータイの謎

2010-07-25 13:14:06 | 

Mにかかってきた知らない人からの電話。

「カラスは光る物が好きって聞きましたけど本当ですか?」

事情はこうです。
その人は、夕方、自宅の庭に「桃と携帯」をちょっと置いて、
うっかりそのまま忘れてしまった。
翌朝、桃はカラスにさんざんつつかれた跡があり、
携帯は消え失せていた。

ゴールドだかシルバーだかの携帯で、
ストラップにもキラキラの飾りがついていたので、
もしかして、カラスがくわえていったのではないか…と。

カラスが光る物を盗んで隠す、という話、
わたしもどこかで聞いたような、と思ったら、
『はるかなるわがラスカル』のエピソードにありました。
北米ウィスコンシン州に住むカラスのポー君ですね。
あらいぐまのラスカルは人気アニメにもなったので、
カラスがコインや指輪をためこんでいる図が
当時の子どもたちの頭にしみこんで定着したのでしょう。

カポーティの『ローラ』は、著者がシチリアで飼っていたカラスの話。
やはり指輪泥棒の常習犯で、車のキーや入れ歯や万年筆、
それに大量のリラ紙幣まで隠していたことが書かれています。
そうそう、エラリー・クイーンのミステリ『ニッポン樫鳥の謎』も、
これはカラスじゃなくルリカケスですが、
光り物を好む鳥の習性が事件と関連して出てきますね。

しかし、調べてみると、どうも日本のカラスは、
(北米やヨーロッパのカラスとは種類が違うせいか)
あまりそういうことはしていないみたいなのです。
Mも、カラスの「巣」はいくつも見ているけれど、
都会のカラスで巣材に金属チェーンが混じっていた以外、
光り物があるのは見たことがないと。

ただ、もともとカラスには、木の洞とか屋根の隙間などに
余った餌を貯めておくという習性があり、
食べ物だけでなく、ビールの王冠やゴルフボールなんかも
隠していることは日本でもよくあるらしいです。
それと、知能が高いのでいろんな物に興味を持ち、
調べてみるためにくわえて行く、ということもあるらしい。
もしかしたら携帯の形をしたチョコレートかもしれないし(笑

「うーん、とりあえず携帯に電話してみたら」
「それが、マナーモードにしてあって…」

 突然ぶるぶると震えだす携帯。
 びくっとして飛び下がり、首をかしげて見つめるカラス。

「朝、目覚ましが鳴るようにはなってるんですけど」

 突然鳴り響く目覚ましメロディ。
 なんだなんだ!? 寝ぼけまなこでうろたえるカラス。

目覚ましが鳴る頃を見計らって庭に出て耳をすます、
それしかないでしょうね…ということで終わったようですが、
はて、その後、どうなったでしょうか。
本当にカラスが持ってって隠したとしたら、それはたぶん
地上15メートル以上の高い場所ではないかと…。
無事に取り戻せることを祈っています。

(じつは、取り戻した後のことが知りたい。
怪しい通話履歴が残っていたり、
カラスの子がピースサインで写真にうつっていたり、
してませんでした?)

コメント
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