閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ヒトデの謎

2010-02-24 22:07:45 | 

Mのアトリエにある海水魚の水槽には、
小魚のほかに、カニ、エビ、ヤドカリ、ウニ、アメフラシ
などなど、さまざまな小さい生き物がいる。

海水魚は海水でないと飼えないので、
ときどき軽トラックで海まで水汲みに行く。
ついでに海草もとってきたりする。
海草にはいろんな生き物がくっついているので、
知らないうちにメンバーがふえていることがある。

ヒトデの赤ちゃんを発見した。
最初は直径6ミリくらいだった。
ちゃんと小さな星型をしている。
水槽のガラスにはりついているとわかりやすいが、
そうでないとめったにお目にかかれない。
先日、久しぶりに見たら、10ミリくらいに成長していた。

魚には頭としっぽがある。エビにもある。
アメフラシも、輪郭があいまいではあるけれど、
いちおう頭(少なくとも眼だか触覚だか)はちゃんとある。
頭があれば、そこが前で、反対側がうしろと言える。

さて、ヒトデは、どこが「前」でしょう。

ヒトデの口は中央部の裏側にあるそうだから、
いちおう真ん中あたりを頭とみなすとして、
5本の足(だか腕だか?)はその周囲に均等に生えており、
チェスのクイーン同様、全方向に動ける、ように見える。
前もうしろもない。
上と下、表と裏の区別はあるらしい。
(裏返されるとあわてて元に戻るようだ)

そこで、疑問。
ヒトデの場合、移動するときは常に「前進」なのか。
それとも、ヒトデなりに右折や左折や後退もしているのか。
手裏剣のように回転して進んだりする可能性はないのだろうか。

さらに、疑問。
5本の足は、まったくランダムに使用されるのか、
それとも、どれかが「利き足」だったり、
動かす順番が決まっていたりするのか。
そもそも、「あっちへ行ってみよう」「ちょっとここで止まろう」
といった決定は、ヒトデのどの部分でなされるのか。
じっと見ていると、ちっとも動かない。
ちょっと目を離すと、もう姿を消している。
けっこうクセモノである。

ヒトデ族には「前向きに検討」という言い回しはないし、
「右往左往」することもない。
右に出る者もなければ、左遷される者もない。
上下関係だけはあるが、たいしたことはない。
ヒトデ会議は巨大な円卓を囲んで行われ、
あらゆる事案はコイン投げで決定される。
表か、裏か。
きわめて明快。
イカサマをする奴も、たまにはいるが、
それもたいしたことはなさそう。


英名はスターフィッシュ。
フィッシュといっても魚類ではないけれど。
ちなみにムーンフィッシュとサンフィッシュは
どちらもマンボウの別名だったりするようです。

コメント
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